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前回のお話
薬局の片隅に住んでいる超長寿の木じじい。
なんだか昨晩から具合が悪いようです。
心配したマメチュー先生は木じじい用の薬草を取りに行くため、早朝5時からお出掛け。
無事、薬草を手に入れたので、今は帰宅中です。
時刻はまだ午前7時前のため、午前9時の開店には十分間に合う時間なのですが、やはり猛スピードで移動中。
木じじいにはなるべく早く、お薬を飲んでもらいたいですから。
ガラガラガラ
前方から荷車を引いた行商の方がやってきました。
「あ、今日はおうどんですか?」
「ええ、おいしいですよ」
「では、3玉頂けますか?」
マメチュー先生はまだ時間があるため、行商の方が販売しているうどんを購入することにしました。
「ありがとう。でも今日はお金じゃなくて、その手に持っているお薬が欲しいんですけど」
「薬ですか?」
「そう、植物の薬。うちで大切に育てているきゅうりが、最近元気なくてですね」
カッパさんならあの湖の中をスイスイ泳いで島に辿り着けそうですが、普段からあの湖で泳ぎ慣れていないと透明過ぎて泳ぎ方が分からなくなるそうなのです。
「どうしましょう、このお薬は…」
木じじいのためのお薬、マメチュー先生は困ってしまいました。
ムシさんのおかげで、お薬は多めに頂いていたことを思い出しました。
無事、多めに貰っていた薬の一部と、うどんを交換することができました。
帰宅途中、今度は澄んだお水が湧いているのを発見。
「木じじいにお水、飲ませてあげたいです」
マメチュー先生はポ村のきれいなお水を、汲んでいくことにしました。
ポ村は水の都ならぬ、水の村。
村のあちこちに、湧き水や小川が点在しています。
その水のおかげで、様々な動植物が育っているのだと思われます。
コトコトコト
お薬の前にマメチュー先生は、汲んできたお水と交換したおうどんで釜揚げうどんをこしらえる。
うどんの上には、三つ葉。
小鉢にはショウガ、すりごま、天かす、ネギが入っていました。
木じじいに食べさせてあげるための釜揚げうどん。
木じじいは基本的には経口摂取はしないのですが、今日は特別。
早く元気になって欲しいというマメチュー先生の思い。
「おうどんを食べて薬を飲んで元気になって下さい」
そう言ってマメチュー先生は、木じじいに釜揚げうどんを食べさせてあげます。
身体が温まったらしく、うとうとし始める木じじい。
昨日の夜は、よく眠れなかったのかもしれません。
ムシさんも木じじいが大丈夫そうなので、安心して眠ってしまいました。
さて、私たちの一日はこれからです。
今日も一日頑張りましょう。
「マメチュー先生、おはようございます!」
「おはようございます」
「あれぇ、木じじい寝てるー」
「朝から何だか、癒されるねー」
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