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マメチュー先生には毎朝、通っているところがあります。
ふと、目的地にどなたかが先に来ていることに気が付きました。
「朝は気持ちがいいだす」
「うん、ね」
てんまさんは嬉しそうに、カラスケくんとおしゃべりしています。
そこへ人間に警戒心を持つ妖精の少女、シルプさんが割り込みました。
「カラスケ、ちょっとそっち行ってて」
「なんだす?」
「あのね、てんま。こないだ、あの人がね」
「…じゃあ、そっちいっとくだすね」
カラスケくんを押しのけ、てんまさんとおしゃべりしたくてたまらない様子の妖精の少女。
人見知り同士、シルプさんとてんまさんは仲が良いみたいです。
てんまさんは野生動物など無理には、手懐けようとはしません。
多分シルプさん(野生動物)の場合も、てんまさんを見かけるうちにシルプさん自身が興味を持ったのでしょう。
“あの人、何だか楽しそう”
患者さんに対して以外、人見知り気味のてんまさんですが、自ら好きになると、今度はしつこく意中の人のそばにいたがるタイプでもあるようです。
そういう所は、少し子どもっぽいみたい。
「んもうっ!シルプちゃんカラスケくんに何で意地悪いうかなぁ」
「だってぇ、てんまにあの人のこと聞いて欲しいんだもん」
「わたす、大丈夫だすよ」
「聞いた?カラスケいいって」
「聞いてません、シルプちゃんはそっち」
「仲良くするだす」
その時、妖精の少女シルプさんが、マメチュー先生の存在に気付きました。
パタパタ…
ちょっと寂しいマメチュー先生です。
少しは仲良くなれたと思っていたのですが…
記事:花占い
「マメチュー先生、おはようございます」
「おはようございます。てんまさんもお参りですか?」
「はい」
マメチュー先生は、薬師如来さまに村を、そして村人を守ってくれるようお願いしています。
薬師如来さまは左手に持っている薬壺で、人々の病を治してくれるという。
薬剤師として常に集中して慎重に、かつ素早く仕事が出来るように…
患者さんのケガや病気を治してあげたいのに、自分のミスせいで悪化させてしまったら大変です。
医療関係者は特に、仕事でミスする事が許されません。
”ヒューマンエラーは起きるもの”では決して済まされない世界なのです。
仕事中は自分の力以上のものを発揮したい、だからこうして祈りに来ます。
続きます