マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

きのこ狩り その3

秋のきのこ狩りに来ているまゆさんと、てんまさん。


お夕飯にきのこ料理を食べる気でいるのに、なかなかきのこが生えているポイントが見つかりません。


そんな時二人の前に、不思議な生物が現れました。


スッと一度いなくなったのに、再び現れた不思議生物は、きのこを握りしめてこちらを見ています。


「何なの、あれ?」


「あの子、さっきからずっといるみたい」


「なにそれ、お前のストーカー?」


「あたしたちの持っているきのこを見てたよ」


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「きのこ?きのこのストーカー?

よし、名を授けてやろう。
妖怪きのこ食い」


妖怪というのは、見たままの名前を名付けられる事が多いのです。


「にゃこっ!にゃこあいつ、知ってるにゃ!」



「そうなの?にゃこちゃん」


「ほう、あの生物は元々ポ村にいたのか…」


「きのこが好きなら美味しいきのこが生えているところを、知っているかもしれないね」


てんまさんは妖怪きのこ食いが何者かというよりは、きのこを要領よく探すため“利用してやろう”という発想が先に浮かんだようです。


「じゃあ、あいつのいないところを探そうぜ」


「きのこ、自分たちで探す?」


「あいつのきのことったら悪いじゃん。

どうせきのこを食うくらいしか、楽しみなんてないだろうから」


「うん」


「じゃあ、次は東側の湿っ気があるところ行くぞ!」



「ついでに小川の近くによってクレソンもとろうよ!

ポ村の秋クレソン。

そんでお鍋に入れよ」


「きのことれなかった時の保険か?」


2人は不思議生物をそのままにし、その場を離れる事にしました。



ポ村に住む人々は少しくらい不思議な事があっても、動じない人が多いみたいです。


“いや、でもちょっとは気になるけど…”



「わー見て、まゆちゃん!

秋クレソンいっぱいあるよー」


「しめじもあるじゃん。しめじ」

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「しめじが入ってたら、一気にきのこ鍋っぽくなるね」


「危うくクレソン鍋になるところだったからな」



「この辺りを探せばもっと、いっぱいきのこあるかも!」



「にゃこも探すっ」


「にゃこちゃん、任せたっ」


三人で仲良くきのこ探し。

てんまさんも必死になって探しています。




「ぬ~~…
あるっ、あった!あそこっ」



「さすがてんまっ!

食いもん探しだけは得意だな」


「うんっ」


てんまさんがきのこの元に駆け寄ろうとしたとたん、再び先ほどの不思議生物が現れきのこをかすめ取られてしまいました。



「ねぇまゆちゃん、またあの子でたよ~」


「きのこのストーカーめ!

付いて来ていやがったか」



「すごーいっ

つけられてるの気付かなかったね」



そしてかごの中に置いておいたきのこまで、素早く不思議生物に盗られてしまう。



「ああ…しめじ…」


「やりやがったな」

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不思議生物を追い払うためにポコッとした苔を脅しで当たらないよう投げつけると、不思議生物もそれを拾ってこちらに当たらないように投げ返してくる。



「キャッチボールか…

もう、とっ捕まえて売りさばいてやろうか」


「やったんにゃー」


てんまさんはまゆさんとにゃこさんのことを、ツンツンする。


「何にゃさ」


「今日はやめとこ。

売れないと思うし…

きのこ狩りに来たんだもん、今日は。」 



「きのこ…?

どんな環境でもいつも通りだな、てんまは。

それとも食い意地が張ってるだけか?」


不思議生物はせっせと1人で、手当たり次第きのこをむしり取っています。



「それ…毒ぽのこだよ~?」


不思議生物は毒ぽのこまでむしっています。



「あいつは毒食っても平気なのかな?」



「お腹すっごく減ってるのかも…」


「仕方がねぇなぁ」


不思議生物のために、今までとっていたきのこを全部おいていく事にしました。


「お食べ」


「ったく…とっとと帰んぞ、てんま」


すると不思議生物もおなじように、自分が持っていたきのこを置いていく。

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「は?」


そしてそのまま姿を消してしまう…



「干してから食う気なの?

グルメなの?」


「よく分かんない子だね、あの子」


てんまさん、楽しそう。

不思議生物に、興味を持ったようです。


「いつも、どこにいるのかな?
どんな風に暮らしているのかな?」


「にゃしゃー」



にゃこさんはひっそりとこちらを見ている不思議生物に、威嚇をしていました。



「もういいっ、ご飯!

帰って早くご飯」



「でも…きのこ無くなっちゃったね」



「いいよ、クレソン鍋で」



「あのね、クレソンもとられちゃってるの」



「マジかよ、あいつっ」



「お肉食べよ。肉肉っ」


「にゃしにゃしっ」


「三すくみのところ行って、薬味貰おうか?」



「どうせなら作って貰おう!肉鍋」



「そうだね。

具材もたっぷり入れてくれるよね」


「ナメ江、気が利くからな」





「今日会ったさ、あの子さ…」


「にゃ…」



「何だったんだろうね」 

「ああ…」


「また、会えるかな?」


「…」



「村長に報告した方がいいと思う?」



「もう知ってるかも。

にゃこが知ってたくらいだし。

村長の前にさ、マメチュー先生に聞いてみようよ」


まゆさんは、村長が苦手です。


「マメ先生?」


「あたしたちより、ポ村に長く暮らしてるから何か知ってるかもしれない」


「そうか、そうだね」


「とりあえず何者か分かるまでは、そっとしておこう」


「うん。

知らない生物にむやみに近付くと、お互い病原菌をうつしちゃうかもしれないからね」


「まぁ、知ってる生物でも人獣共通感染症(ズーノーシス:動物と人の間でうつる病気のこと)はあるからね」



不思議生物のことは正体が分かるまではそっとしておく…

ということに決まりましたが、不思議生物は一体何しに現れたのでしょう。



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「ナメ江ー!」


「アラ、まゆサントてんまサン。

にゃこサンモ」


「ナメ江!肉!きのこ!クレソンっ!!」


「ハイ?」


「ナメちゃん、お鍋食べたいですー」


「アラマア、ハイハイ!」


「あれ?ナメちゃん、このペーストなに?」


「ソレハレモンバームノ、ペーストデス」


【レモンバームペースト】
レモンバームとにんにく、ナッツ、オリーブオイルをミキサーに入れてペースト状にしたもの。


たくさんレモンバームをマメチュー先生から頂いたので、バジルの代わりにジェノベーゼ風のスパゲッティをまかないで作ろうと思ったようです。


「キノコヲ入レタ、パスタデス」



「きのこっ!!」


「え~それもちょっと食べたいなぁ」


「食べた~い」


「ハイハイ」


モリモリ食事中のお二人。




この日以降、二人は不思議生物を見かけることはありませんでした。


なのに時がたつにつれ、どんどん気になってしまう…


困った片思いです。

きのこ狩り その2

前回の続き

今は秋のきのこの収穫時期。

まゆさんとてんまさん、にゃこさんはきのこ狩りに来ました。

それなのにまゆさんは、きのこ狩りは楽しいけどきのこはテンションが上がるほど美味しくはない言い出します。


「きのこのマリネとかさ、みそ汁に入ってるきのことか。
なんか微妙じゃない?

ダイエット用の食事って感じ」


「そんなことないけどなぁ。

それに肉厚のしいたけとか、焼いて醤油垂らして食べるの美味しくない?」


「確かに!」


「確かに?」


「にゃこも好き!」

注)
ねこさんもきのこは食べられます。

ただ消化できないので、細かく刻んで与えましょう。




「最近になってから、焼きしいたけのうまさに気付いた!」


「しいたけの味は嫌いじゃないんだ?」


「焼きしいたけ以外は好きじゃない。

炒め物とか…」



「…じゃあ、しいたけの肉詰めは?」


「好き!あれは好き!」



「天ぷらとか」


「良いね!」


「ふうん。
ヘルシーじゃなければいいんだ?

揚げたりお肉を付けたり…」


「そうかも!」



「でも今日はしいたけ見つからないだろうなぁ。

ほか…きのこ鍋とかは?

お肉と一緒に食べるの」


「いいじゃん、いいじゃん!

ポン酢つけて食べよう!」



「食べるの楽しみになってきた?」


「なってきた!」


「きのこよりお肉に頭がいってるでしょう」




「にゃ!」


「ん?」


にゃこさんが急に声を上げました。

辺りをふわふわした植物が舞う…



「苔の森?」


「あたし苔好きっ」


「休憩してくか?」



「にゃしっ」

ポ村にある色んな種類の苔が生えている苔の森。

ふっかふかの苔の上に乗っかって少々休憩です。



「また、すぐきのこ探しだからね!」


「にゃしっ」


にゃこさんも苔が好きみたいです。



苔の森にいると、森林浴のようにリラックス効果があるので、ここまでやってきて寛いでいるポ村の住人をたまに見かけます。


そんな中てんまさんは、リラックス所か張り詰めた感じで、何かを凝視していました。


(あの生物何だろう…)



何だかポケッとしていて危険は無さそうだけど、見たことが無い生物がこちらを見ています。


(まゆちゃんに話した方が良いかな?)



まゆさんは度胸があるところと、怖がるところがてんまさんから見ると両極端です。


幽霊も、高いところも、ホホジロザメも平気ですが、小さい虫が苦手です。


縁側の下に生えるきのこもダメ。

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てんまさんがチラリとまゆさんの様子を見てみると、苔の上に座ってリラックスしていました。


(話すのは後でで、いいかな…)


「てんま、やっぱ苔は良いねー

見てても癒されるしさぁ

触っても気持ちいいよね」


「にゃふっ」

にゃこさんも嬉しそう。


「苔ぽのこ無いかなぁ」

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ぽのこ以外にもポ村には、苔ぽのこというきのこがあります。

 
シチューやパスタ等に入れて食べると、とっても美味しいきのこです。



「まゆちゃん、あっち!

倒木や切り株があるよ」


きのこは湿気の多いところや、倒木・切り株等からよく生えてきます。


その他、日の当たりにくい場所の斜面や、落ち葉の積もった場所などにも、きのこがひっそり隠れていたりします。


「お鍋用のきのこ、色んな種類いっぱいとろう」


その方が様々な栄養が摂取出来ます。


「でもきのこ、どこにもついてないよ」


「にゃきゃ…」


「こないだ今にも朽ち果てそうな木のじじいに、沢山ぽのこついてたんだけどなぁ」


「え?」


「いや、何でも無い。
あのぽのこは食べる気しないし…」

 
木じじいの悪口を言うことに、懲りていない様子のまゆさんです。



「む?1つあったよ。ぽのこ。
あっ、こっちにも!」

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「どれ?」



動いていたらお腹が減ってきた二人。


既にきのこを美味しく食べる気満々です。


なのになかなか思うようには見つからないきのこ。



「よし!
北側のもっとジメッとした、きのこポイントに行こうぜ!」



きのこは生えている木の種類によって、育つきのこの種類も変わります。


「鍋もさぁ、豚も鶏も両方食べようよ。

あ、牛もいる?」



「まゆちゃん、きのこは?

色んな種類のきのこっ」



「きのこね、きのこ。

ああ、ここにあんじゃんっ。

ってまたぽのこだけど」



「でもあたし、ぽのこ大好き!」


「はい、にゃこ持って!」


「にゃしっ!」



「見て!
きのこいっぱいある!」


「どこ?」


「毒ぽのこ!」


「殺す気か」


「こっちにも…

あれ、きのこじゃ無い…

あっ!!」


「どうした、てんま」

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「にゃっ!」

最近にゃこさんが、ちょこちょこ見かける不思議な生物です。



「何だ、ありゃ。

きのこの化身か?」


ぼんやり見ていたら、謎の生物はどこかへ消えてしまいました。


二人は顔を見あわせる。



てんまさんは、謎の生物の行方よりまゆさんが全く怯えている様子がないことに安心していました。



次回へ続きます

きのこ狩り その1

本日はきのこ狩りです。


秋のきのこの収穫時期は10月から11月。


そんなきのこを目当てに、まゆさんとてんまさんはきのこを狩りに来ました。


にゃこさんもくっ付いて来ています。

「にゃ!」

背負い籠の中です。

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「まゆちゃん、にゃこちゃん
ぽのこたくさん採れるといいねぇ」


「そにゃねぇ」

ぽのことは、ポ村の土地でしか生えてこないきのこです。


ソテーにしてバター醤油で食べるのが、一番美味しいとされています。


「お休みの日に朝からきのこ狩りなんて、なんかウキウキしちゃうよね」


「分かる、分かる」


「にゃんにゃん♪」


「きのこってさ、食べるとそんなに美味いと思わないのにさ。

きのこ狩りはしたくなるんだよね」


「えっ?まゆちゃん、美味しいと思ってないの?」


「だって…
きのこって好きな食べ物ベスト3に入る?

食わず嫌い王に出た時に、きのこを好きな食べ物の中に選ぶ?」


「食わず嫌い王?」


「好きな食べ物の中に、きのこは入らないんだけど…

秋の気持のいい時期に、外に出て食べ物を見つけに行く行為ってのは、なんか妙に楽しくなる」


「うん」


「イチゴもさ、酸っぱくてホントは好きじゃなんだけど、実家の庭に生えてるイチゴを見るとなんか食べたくなる」


「きれいで美味しそうな実がなっているのを見ると、すごく惹かれるのは分かる。

この世の全ての植物の実が、食べられればいいのになって思う」


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「確かに確かに!」


「にゃしにゃし!」


「っていうかまゆちゃん。
きのこも好きじゃないんだったっけ?

食べてるよね?きのこ」



「いや、嫌いじゃないよ?
ただ低カロリーじゃん、きのこって。

満足感がないんだよね。
あの食べ物」



「松茸とかも興味ないの?
焼き松茸」


「食ったことないよ、そんなもん。

でも前にさ、ドラちゃんの漫画で松茸狩りの話を読んだことがあって…」


「ドラちゃんたちが松茸狩りに行くの?」


「にゃこさんも行くー」


「箱庭の中にスモールライトで小さくなってから入っていって、松茸を狩りに行く話」


「楽しそう」


「でしょ?その話好きなんだ。
 
けどさ、きのこって可愛らしいイメージがある反面、ちょっとさ…怖くない?」



「怖い?」


「実家の縁の下にさ…生えてたんだ、きのこが…

名前はわかんないけど…
全体的に白くて、頭の方は黄色っぽい気味の悪いきのこ」



「まゆちゃん、きのこ詳しいのに」


「未だにあのきのこが何て名前かは知らない。

植物は好きだし、菌だけどきのこ自体は好きだよ。

食べるとかじゃなく」



「うん、あたしも大好き!

きのこたちは植物・動物の死骸を分解してくれて、栄養のある豊かな土を作ってくれる。

そんな土からは再び様々な生命が生まれる。

きのこには、ありがとうって思うことがたくさんあるもの」



「そうだね。
でも縁の下の、あの気味の悪いきのこ。

ようは縁の下が気味悪いって事なんだけど…

埃っぽくて、カビっぽい気味の悪い場所。

色んな生物が、あそこを最期の場所に選んで…

そんな生物の死骸がたくさんありそうな場所。

何を栄養にして育ったのか分からないきのこ…」



「死骸をそのきのこが分解してくれてんだ?」



「ホントに死骸があるかは知らない。
あくまでイメージね。

とりあえず、人間の歯はいくつかあそこから発見されるはず」


「歯?子どもの頃、縁の下に歯を投げたんだ?
可愛いっ」


「……。
とにかく見たくもないのについ、縁の下を覗き込んでそれでまた、あのきのこを見てしまう。

気味の悪い縁の下に住む、気味の悪いきのこを…」



虫とかを含め、てんまさんよりまゆさんの方が怖いものが多いみたいです。


「あたしはその縁の下のきのこ、興味あるなぁ。
縁の下に入って研究したくなっちゃう!」


「気味の悪いこと言うな…」


「だって好きなんだもん。

毒のあるきのこも、食べられるきのこも、薬効成分があるきのこも」


「薬効成分…
そういえば、サルノコシカケがさ、実家の梅の木によく生えてたんだ。

あれって身体に良いんだっけ?

にゃこがよく登ってたなぁ」

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「でもやっぱりきのこって食べるのを楽しみにするほどには、すっごく美味しいってわけでもなくない?

身体にいい食べ物って、基本たいして美味くない気がする…

あたしは人間に長生きさせたくない奴らの、動きというのを感じている」




“人間にとって身体に良い食材は、まずくしろっ!

これは異常に酸っぱくしろ!
こっちは苦くしろー!” 



そんな風に食材の味を、司っているものたち。

まゆさんは、こうして食材の味をコントロールするものの存在を感じているのだそうです。



【きのこ】
低カロリー、食物繊維、カリウム、ビタミンB群

きのこには栄養が豊富に含まれています。


毒きのこもたくさんありますが、一方で薬になるきのこも存在します。


有名なのは冬虫夏草です。

栄養価が高く、とても希少価値があるきのこです。

アミノ酸、ミネラル、ビタミンなどが豊富。


ただ死んだ虫などから生えてくるきのこなので、まゆさんは気持ち悪がってしまうかもしれません。


次回へ続きます

ねこさんたちに癒やしを

「ねこさんはいつものんきで良いね」


そんなことを言われがちなねこさん。


「全く、うちのねこさんはいつまでも、子どもみたいなんだから」


そんなことも言われがちなねこさん。



でもねこさんたちはねこさんたちで、おうちの人の面倒をみてあげているつもりかもしれません。


「大変なんにゃさ」


ねこのおばさん、バーバラさんみたいにわざわざご飯を運んできてくれるねこさんもいますしね。

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たまにはそんな頑張るおうちのねこさんにも、癒やしを与えてあげないとです。


癒して貰ってばかりでは、不公平ですからね。


【癒しその1 マッサージ】
ねこさんが甘えっこしたそうな時に、やってあげましょう。


少しでも嫌がる素振りを見せた時は、すぐやめましょう。


癒してあげる所か、逆効果になりますからね。


首回りや顔の辺りをマッサージしてあげると、特に気持ちよさそうにします。

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【癒しその2 ブラッシング】
ねこさんの毛の流れにそって、ブラッシングしてあげましょう。


ポにゃちゃんみたいな老いた毛並みも、キレイに整います。


ブラッシングも嫌がるねこさんには、無理にしないようにしましょう。

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ブラッシング後。
容易に集まるねこさんの抜け毛…



前にポあねが

「世の中にねこさんの毛玉を集める動きがある…

そう聞いている」

そんなことを呟いていた事がありました。




何となく色んなねこさんの毛玉が寄り集まった“ねこ毛妖怪”なるものを思い浮かべる。



その妖怪は座敷わらしのペットで、寂しい人に自分の毛をもふもふさせてくれる…そんな妖怪。


ねこアレルギーは発症しません。


ブラッシングは座敷わらしがしています。

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普通の人はなかなか、ブラッシングしてあげられませんので…

ねこさんとの柿の木

実家に住んでいた頃、上の階から大量の水が降ってきました。


それはもうびっしょびしょの、水浸しになるくらい…


「どうしてくれんの?これ…」


どうやら水道管が壊れてしまったようです。 


家の床がどんどん水浸しになっていくのを、ただ黙って見つめているしか無かったあの頃…


チラッと横を見ると…
 
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ぽんちゃんも一緒になって、水浸しになってゆく床をジッと見ている。


台所から居間の方まで、あふれ出てきそうな水を見ている。



そして母親がわちゃわちゃと何やらやっているのを、黙ってジッと見ている…


ぽんちゃんというものは何か騒ぎがあると、どこからともなくやってきて、一緒になって見物したくなる生き物。



そういう君の野次馬根性、日曜夜にやっている国民的アニメの賑やかなお姉さんを思い出します。



でも実は野次馬なのはぽんちゃんだけでなく、近所に住む猫屋敷のねこさんたちも、皆さん野次馬でいらっしゃいます。


母が庭で洗濯物を干していたり、庭掃除をしているといつの間にかねこさんたちが集まってきて、母を何やら観察している。

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“この世の全てのねこさんに嫌われる”

そんな運命を背負って生まれてきたうちの母ですが(そもそも母が、ぽんちゃん以外のねこさんを嫌いなのです)庭で何か作業をやり始めると、その都度ねこさんに観察されています。



今はもうないのですが昔、実家には柿の木がありました。



庭の中央にある、我が家のシンボルのような木。



その柿の木には雀やヒヨドリ、シジュウカラ、メジロなどの小鳥たちが遊びに来ます。


春になるとウグイスもやってきます。


ぽんちゃん含め近所のねこさんたちもその柿の木が好きで、遊びに来ては登ったり木の幹で爪とぎしたりしています。


みんなに親しまれていた我が家の柿の木。


あまり好んで柿の実は食べないのですが、柿の木を見るのは好きです。



秋を感じます。



オレンジ色の可愛い柿の実を見るのも好きだし、柿の葉が色付いていくのを見るのも好きです。



柿というのは隔年結実と言って柿の実がすごくよく実る年と、実りの少ない年が交互に訪れる木。

不作年
「今年は赤ちゃんたちを産むのはお休みです」


豊作年
「今年は頑張りました」

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上手に摘果しなくてはいけないのでしょうが、豊作の年は実の重さで枝がしなってしまうほどでした。


隔年結実なんて最初は知らなかったのですが、見ていて分かるほど豊作年と不作年は明らかに実り方が違う柿の木。


豊作の年は柿の実以外のものまで、豊作だった事がありました。


その年は何故かちょくちょく庭の方から“パラパラ”と音がしていました。

「何の音?」


窓をあけて庭を見てみるのですが、何の音か分からない…


なんだか気味が悪いです。


“パラパラパラパラ”


「ねぇ母ちゃん、庭から音がするよ」


「そう?」


うちの親は、そういう微妙な変化には無頓着です。


どんなに訴えても、全く興味を持ってくれない。



でも…だって…庭から音が“パラパラ”する。


絶対音がしている。


“パラパラ…”


庭から聞こえる。


一体庭で何が起こってるの?


「音…
この柿の木から?」


しなるように実を付けている柿の木をよく観察。


柿の木の下に立って、ジッと実や葉っぱを眺める。


“パラパラパラパラ”


また、音がした。

近くでした!

音の近くに行って辺りを見回す。


「!!」


走って柿の木から離れる。


やばばばばばば…


「母ちゃん!母~ちゃんっ!」


「何よぉ」


「いるっいるっ
いっぱい、いるっ!!」


「ええっ?!」


柿の葉っぱに大量の毛虫がビッシリと、へばりついていました。


今年は毛虫大豊作。



それはもうホントに大量に…


柿の葉の裏に毛虫がギッチギチにいる。



“パラパラパラパラ”


庭から聞こえていたこの音。


毛虫たちが排出していた、大量のうんちの音でした。


名も知らぬ毛虫たち。

名も知らぬ蛾になるのですか?



さすがにその様子を見た父ちゃん、母ちゃん動き出す。



毛虫が大量に付いている柿の葉を、柿の実とともに切り落として処分。



幸い毛虫の豊作はその年だけだったので、よかったです。



11月…
柿の実はいい感じに色付き、いよいよ収穫の時期。



母は我が家の柿の味が好きらしく、いつも収穫を楽しみにしていました。




一方父ちゃんは甘柿なのに、わざわざ干し柿にして食べたりしている。



さて、休日を迎えるとみんなで早速柿の実を収穫します。



母は下の方に実っている柿の実を、父は塀に登って上の方にある柿の実を収穫していました。


ただ生き物好きの父は上の方の柿の実は、遊びに来る小鳥たちのためにある程度残しておいてあげます。

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今はもう柿の木が無いので、オレンジを木にさして小鳥たちにあげている、そんな父です。


ポいもも柿の実の収穫をお手伝い。



豊作の年は1本しかないというのに、柿の実の収穫は一日がかりになります。



収穫出来た柿は隣にある祖母宅や、猫屋敷のお宅を含め近所の方たちに配り歩きます。



その一連の作業…
ずっと見ているものがいます。


黙って静かに見ているものたちがいます。


はい、そうです。

ねこさんたちです。



ぽんちゃんを始め、近所のねこさんたちが見に来ます。



毎年毎年見に来ます。

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一体何がそんなに面白いのか…


ポいもは普段“可愛い”と思ってねこさんたちを見つめていますが、ねこさん側はどういうつもりで見てくるでしょう?



ちょっと離れた所から、ジッとこちらを見ているねこさんたち。


ぽんちゃんだけは、ちょろちょろ邪魔しに来ます。



暇ならのんきに見てないで、その小さなお手々を貸して下さいよ。


それともこの柿食べてみたい?


ほんのちょっとなら、ねこさんにもあげて大丈夫らしいけど…



でもやっぱりお手伝いしてくれない子には、ご褒美あげられません!

ポ村にやってきたイチイさん その2

前回の続き

村長と一緒にポ村の医療機関を、見学しに来ているイチイさん。


都会の薬局で働く“薬剤師”として紹介されたパゴロウさんは、イチイさんの顔を見て驚いてしまいました。


なぜなら前にイチイさんを、見かけた事があったからです。



(この人…※モンスターペイシェントさんだ…)

※文句言いの患者さんのこと

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どうやらイチイさんの方は、パゴロウさんと既に会っている事には気付いていないようです。



パゴロウさんだけがイチイさんを覚えているのは、おそらくイチイさんよりパゴロウさんの方が、インパクトのある出来事だったからでしょう。


一年ほど前…
パゴロウさんが研修中の薬局に、患者として来局したイチイさん。



その薬局にいる仕事をしないベテラン女薬剤師が、イチイさんに目を付けられました。



他の薬剤師が忙しそうに仕事をしているのに、店の奥に隠れて何も手伝おうとしなかったベテラン女薬剤師を、突然イチイさんが呼びつけたのです。



確か…
「おばさん、一人暇そうだから薬の事で質問したいんだけど」
的な事を言っていたと思います。



当時学生のパゴロウさんは、大いに戸惑いました。


今も戸惑うと思いますが…


そんなことを平気で言うイチイさんもすごいですが、それを無視し続けたベテラン女薬剤師もなかなかだったと思います。


おそらくベテラン女薬剤師は、薬の質問に答えられる自信が無かったのだと思います。


薬の勉強もせず、仕事はいつも人任せ。


でもプライドは高い。


患者さんに“分からない”なんて屈辱的なセリフは決して言いたくない。

だから無視する。



この研修中に起こったことは、パゴロウさんにとって何も対応出来なかった、心に残る闇めの出来事。


(すごい患者さんだなぁと思っていたけど、この人…

同業の方だったんだ… 

しかも村長に信頼されるような…

ホントは一体どんな人?)


パゴロウさんにそんなことを思われているとはつゆ知らず、見学会が終了したイチイさんは村長に別れを告げ、足早に帰宅して行きました。


マメチュー先生に触発されてイチイさんは、勉強したくてたまらなくなっているようです。


スタスタスタスタ、都会行きのバス停を目指す。


(もどかしいな…
早く作ってくれよ。どこでもドア的なもん)


ポ村には猫さん用の“どこでも押し入れ段ボール”はあっても、どこでもドアはありません。


「何にゃこれ、なんにゃ!」


ぺいぺいと何かで遊んでいる、にゃこさんの声が聞こえます。

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声の方を見てみると、にゃこさんが小さな公園で遊んでいました。



(ねこ…
前にこのような村で会った、ねこの一味の…)


「そこのにゃんた!」


「にゃ!?にゃんたじゃないにゃ!」


にゃこさんのお名前はにゃこです。


「おまえ…
ニャロウィンの時のやつにゃ」


「手!」


「にゃ?!」

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「なんにゃのそれ?」


落ちこんでいた心を和ますアニマルセラピー。


「頑張らにゃあと思ってさ」


「にゃむ?」


「そっちこそ何してんの?」


「ここになんか落ちてるにゃ」


「ん?」


「やばいやつにゃ?」


トローチが1錠落ちています。


「薬だな、トローチ」


「それなんにゃ?」


「これを舐めるとな、喉や粘膜にいる細菌を殺菌してくれるんだ」


「食べれるんにゃ…」


「落とし主は分からんが、これ1錠なくした位じゃ、そんなに困ってはないと思うけど」



「じゃあ、にゃこ貰う」


そのまま口に入れようとするにゃこさん。



「こら!
このトローチは医薬品だから、むやみに食っちゃダメ」 
 

「にゃきゃ?」


「それにシートごと口に入れるのもダメです」


この薬が入れられているシートは、PTP包装シートと言います。

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薬を包装する方法の一つ。


錠剤・カプセルをプラスチックとアルミで挟んだ、シート状のもの。



実はにゃこさんだけでは無く、シートごと誤飲してしまう事例は多いのです。



「まさか!」

と思われるかもしれませんが、特にご高齢の方に誤飲がみられるようです。



薬を飲み慣れた方でも、と言うか飲み慣れているからこそ、テレビなどを見ながら無意識に飲んでしまうそうです。


シートごと丸呑みしても、そのまま便と一緒に排出されるので問題にならない事も多い。



ですが、PTPの角が内臓に突き刺さってしまう可能性もあるので、誤飲してしまった事に気付いた場合は、病院を受診するようにして下さい。



誤飲を防ぐためにも、1錠ずつハサミで分解しないようにしましょう!



「おまえ、マメみたいなこと言うにゃにゃい」


「マメチュー先生?知り合い?」



「親友にゃ」



「手」


「にゃ?」


再びイチイさんに肉球を“ぷいっ”とされるにゃこさん。


「だからなんにゃの」



「またな」


「にゃほ」


イチイさんは猛スピードで走り去って行きました。


「いつかうちの薬局の奴らにも、マメチュー先生に会わせよう」


今日はこちらが教育するどころか、教育して欲しいと思ってしまったイチイさんでした。

ポ村にやってきたイチイさん その1

村長と共に、ポ村の医療機関の見学をしに来ているイチイさん。

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イチイさんはマメチュー先生のストイックさに、驚嘆していました。


(すげぇ!)


一方パゴロウさんは村長とマメクスリカフェにやって来たイチイさんを見て、驚愕していました。


(ええっ!?この人って…)

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ポ村の村長は、いつもセルフメディケーションに熱心に取り組んでいます。



“元気で長生き”をポ村の売りにしたいみたいです。



そのためイチイさんに
「この村の薬剤師の教育にご協力下さい」
との依頼をしています。


とはいえイチイさんの方は、教育をするためというよりは、他の薬局の薬剤師たちの仕事ぶりが見たくて来ているようです。



“イチイさんの薬局では、薬剤師の教育が行き届いているというお話を伺っております”


教育…?俺…?

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(教えなくてもうちの薬局のスタッフは、ちゃんと自分で勉強している)


イチイさんがしている事と言えば、せいぜい相手が“アメとムチ”のどちらを与えた方がやる気になるのかを見極めているくらい。


【イチイさんの部下オウギさんのつぶやき】

(自力で勉強しなかったら無言の圧力が凄いじゃないか、最後は教えてくれるけど…)



そんなイチイさんが常々当惑している事。



それは向上心がなく、仕事をきちんと全うしようとしない同業者を見かけた時の対処。


教育…か…


勉強もせず、薬剤師としての機能を果たしていない奴らを知っている。


いるんだ、そういう奴が…



【再び部下、オウギさんのつぶやき】

(イチイさんが苦手な薬剤師がどんなタイプか知っている以上、上を目指さないではいられない)


それに仕事熱心ではない同業者が嫌なのは、やはりオウギさんも同じです。



(そういう薬剤師と関わる医者や患者は、迷惑に思ったり不快に思うだろう。


医療は進化を続けるから、これからも頭に入れておかなければならないものがたくさんある。


もちろん覚えたことだって勉強を続けていかなければ、忘れてしまう事もある。


なのに何もしないで平気な様子の同業者。


そういう人間の存在は、同僚としては邪魔でしか無い)



そのためイチイさんは患者さんには笑顔を絶やしませんが、同業者にはとても厳しい面があります。


【またもつぶやくオウギくん】

(本当は海外の薬剤師のように、患者さんに信頼される立場になりたい。


でも今のままでは、患者さんに信頼して貰える資格は無いのかもしれない。


日本の薬学部も6年制になったというのに…


自分も含めてだけど、改めて教育が必要な薬剤師はある程度いると思う)



海外とは文化の違いや医療費の違いもありますが、薬剤師の立場に関してはかなり違いがあります。


任されている仕事内容にも違いがある。


海外の薬剤師が任されているような仕事を、日本の全ての薬剤師がこなせるのか…



そんなオウギさんさんと同じような事を、イチイさんも考えていました。



「このひとみたいな薬剤師ばかりだったら…」


初めてマメチュー先生に会ったときに思ったこと。



むやみに薬をすすめるのではなく、薬に頼らない生活も推奨している。



そして食生活の改善をすすめたり、その他の癒しの提供もする。



音楽や絵画・植物・動物・アロマなどによる癒し。



「心が落ちつきますよ」


そう言って患者さんにあったセラピーを、すすめてみたりしている。

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そして仕事に役立ちそうな、色々な資格も保有しているという。


薬剤師としては他に処方箋から医師の処方意図を読み取り、同じような処方内容でも患者ごとに説明の仕方を変えている。


あの人なら一人で十分、薬剤師の教育は出来ると思う。



あの人といたら共に上を目指したくなる。



じゃあ俺の役目は?



マメチュー先生は厳しめの指導は、出来なさそうです。



俺はムチを振るう役?


そう言えばマメクスリカフェには、前に来たときにはいなかったちびっこい新人の薬剤師がいた。


子犬のようにプルプル震えていた。



まだ何の教育もしていないのに…


あんな子犬にムチなんぞ振るったら、虐待になっちゃうじゃねえか…




その噂の当人、パゴロウさんはイチイさんの顔を見て思い出していました。

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次回へ続きます