マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

自己判断による服薬拒否 その6

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前回のお話

医療機関がすくないポ村。

ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。

どうやら、医療従事者として不適切な行動をとりがちなまゆさん、USAさんを教育してもらうためのようです。

休暇中のまゆさんはUSAさんは薬局で寛いでいました。

「ねぇまゆちゃん、窓の外見て」

「え?」

 

!!

 

”ひぃい、村長出たー”

 

薬局に村長が来たことに気付いたまゆさん、USAさんは、慌ててこたつの中に隠れていました。

そ、村長が…

村長は何やら薬局内を窓の外から伺っています。

 

「おや?今日のスタッフはマメチュー先生とクラゲさんだけですか?」

 

仕事の日ではないとはいえ、薬局で遊んでいることがバレたら、村長に睨まれそうな予感。

まゆさんとUSAさんは、村長に見つからないようにこたつの中で押し合いへし合い。

 

「あっつ!」

「せっま!」

 

「こたつの電源は?」

「探してるんだけど、あんま動けなくてよく分からないのよー」

 

 

「イチイさん、外の販売所では、OTC医薬品も購入できるんですよ」

「そうなんですね。へぇ、カフェもやってるんだ」

「はい、健康的なお食事がメインです。ここの管理薬剤師はマメチュー先生という方でして、漢方や薬膳料理にも詳しく…」

 

イチイさんに薬局の紹介をしている村長。

 

”ねぇ、村長だれか人を連れてきてない?”

”わかんないけど、話し声が聞こえるわね”

 

”客人と一緒なら、見つかっても怒られないかも”

”ススッと出て行っちゃう?ここにずっといるの暑すぎるもの”

 

「それにしても」

マメチュー先生は仕事で手が離せなさそう。今は、話を聞ける人がいなさそうです。

特に例の二人をイチイさんから指導してもらいたかったのですが…

 

”いや、今チラッと村長を覗いてみたけど、村長s'eyeがぎらぎらしている。危険な気がする”

”こわっ。なんでよ?何にもやってないじゃん”

 

”とりあえず、去るのを待とう”

”ひー、あつーいっ”

 

 

薬局内を見つめていたイチイさんは、先ほど見かけたフェネさんの姿を見つけます。

彼女はマメチュー先生に、真剣に薬の相談をしているところでした。

 

「でもフェネさん。先生は両方飲まれていると思って、診断や治療の方針を立てられていると思います。フェネさんが言いづらいのであれば、私の方から言っておきましょうか?」

「ダメよっダメダメ。マメチュー先生だから相談したのよ。くまじろ先生には言わないで」

「え!?」

くまじろ先生には言えないことを、信頼して話してくれた?

マメチュー先生、そんな時はいつもこっそり感動をしてしまいます。

 

「先生?」

悩んでいるけれど、本心を言いづらそうにしている患者さん。

ではそんな患者さんの、心の奥にある本当の気持ちを引き出すには?

”長い間、先生から処方された薬を飲んでいない”


本当はその事を不安に思っているから、打ち明けたはず。
どうすれば良いのか迷っている状態のフェネさん。
彼女を導いてあげなくてはいけない。
 
「打ち明けて下さってありがとうございます。フェネさん自身は今後、どうしていきたいですか?」
 
続きます