マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

お薬変更

病院嫌いにゃ~!お薬も嫌いにゃ~!!

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「もう、おねにゃんなんてプンにゃ!」


昨日は何だかプンプンしていたポにゃさん。

でも翌日にはすっかり機嫌が直っています。

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「あれ?さっき食べてたよ」

「そうにゃった?」


「じゃあ、ポにゃちゃん。
これを一緒に作らない?」

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「この白くて丸いのを潰すの」

「にゃ」


「それが出来たら溶かして…」

「にゃま」


…これは何にゃすか?
新しいご飯にゃすか?



ポにゃちゃんはまだ気付いていませんが、この白くて丸いものは“ラプロス”というポにゃちゃんに処方された腎臓のお薬です。


「おねにゃん!楽しぃにゃね~」


この薬を潰して溶かしてから、シリンジでポにゃちゃんに与える予定です。


猫さんのお薬にまで影響を及ぼす、新型コロナウイルス。


実は前にポにゃちゃんが服用していたお薬は、コロナが原因で入荷されなくなってしまったのです。


なので今回から新しいお薬に変更されました。

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ポにゃちゃんは高齢の上、持病もあるのでコロナは近寄らないで下さい!

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ポにゃちゃん、お薬だって気付いても怒らないようにね。


ポにゃちゃんの為なんですから…

初対面

まだまだ残暑厳しいポ村の夏。
 
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薬局内はクーラーが効いていますが、それでも連日暑さが続くとボーッとしてきて、食欲も落ちてきてしまいます。


今日も一日、穏やかに過ぎて行ったのが幸いです。


夏の夕暮れ…


お夕飯の匂いが、そろそろ何処からともなくしてきそう。


USAさんが伸びをしながら声をかけます。


「ようやくお店落ち着いたね。
気い抜いたらお腹減っちゃったぁ。
パゴちゃんは?」


「いえ、まだ余り…」


二人の話を聞いていたてんまさんは心配そうに
「夏バテかな?」


「パゴちゃんさぁ、しっかり食べてるの?
あたし倦怠感とかはあっても、食欲は落ちないのよね。
夏バテして自然にダイエット出来れば楽なんだけど…
カロリーのあるアイスばっかり食べちゃう。
マメチュー先生~、なんか良い漢方とかないですかぁ?
だるさだけがあるのって、一番サイアク!
せっかくの休日もさぁ、何もする気が起きなくなっちゃう…」

「そうですねぇ」

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“夏バテしたい”
なんておっしゃっていたUSAさんですが、夏バテすると抵抗力が低下し病気になりやすくなってしまいます。


他に夏によく見られる症状としては、
喉の渇き・多汗・発熱
更には熱中症のリスクもあります。


そんな症状が出ている時に適している漢方。
“清暑益気湯(セイショエッキトウ)”

“清暑”熱を冷ます
“益気”気を回復する

と言う意味があります



主に暑気あたりに使用されている漢方薬です。


熱を冷ましたり、汗を引かせる生薬が含まれている他、弱った胃腸や体力を回復させてくれる生薬等も含まれています。


この漢方は夏の暑さによる倦怠感、食欲不振時等に服用すると効果的ですよ!




「それ良いっ!まさに夏バテ用の漢方薬じゃないですかぁ」


そこへフラフラと、薬局にやって来たまゆさん。

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まゆさんの声が聞こえたにゃこさんは、パッと目覚め出て行こうとしました。

「まゆちゃんにゃ?」


それに気付いたマメチュー先生は、パゴロウさんを気にしながら、にゃこさんをさりげなく隠しました。

そしてまゆさんから注意をそらすため、自分のしっぽで遊ばせます。

「にゃふっ!」


一方パゴロウさんは
“どなただろう?”
と言う顔でまゆさんを見ていました。



「何、まゆちゃん。何しにきたの?」


「おめぇに用はねえよ。
てんま、ほら、借りていた皿」


「あ、ごめんね、わざわざ。
取りに行こうと思ってたんだけど」


「何?何でお皿?
そんで、でかくない?お皿…」
 

「何でも聞きたがるな、おめぇは」


そのお皿は養蜂業もしているてんまさんが作って持ってきてくれた、はちみつに合うスイーツが入っていたものでした。

はちみつも夏バテや、疲労回復に効果があるそうです。


「やだ、何~!あたしも食べたかったぁ!
はちみつに合うスイーツって何?
パンケーキ?フレンチトースト?」


「ヨーグルト」


「ヨーグルト!?そのお皿に?」  


「うん。まゆちゃん、便秘…酷い子だから」


「ったく苦手だっつーのにさ。ヨーグルト」


「でも食べてくれたんだよね」


「そんなだから便秘になっちゃうのよ。
あたしは、ヨーグルト大好きー!
今度はあたしにも届けて。快便だけど」


まゆさんは、ジッと自分を見つめるパゴロウさんと目が合いました。


そしてマメチュー先生の後ろにいるにゃこさんとも。


「ん?にゃこ?」

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にゃこさんは久し振りの再開かのごとく、まゆさんに嬉しそうに飛びつきました。


パゴロウさんのみが、そんなにゃこさんの存在に驚愕。


「どっどこから?いつから?」


「パゴちゃん、猫さんが苦手なのね」

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「ねえ。紹介してよ。新人さんでしょ?」


「あっ、そだそだ。初対面だよね~?
パゴちゃん、この人まゆちゃん。
にゃこちゃんの飼い主で、薬剤師さん。
この時期はポ村の貴重な生薬を採取して、薬局に運んでくれるの」


まゆさんはマメチュー先生の視線を感じました。


マメチュー先生からされていた忠告。

“繊細で真面目な方なので、接し方には気を付けてあげて下さいね。まゆさんは先輩なんですから”

(全く人に甘いんだからさぁ)


まゆさんはしがみついているにゃこさんを、てんまさんに預け、ニコリとパゴロウさんに微笑みかける。


「パゴロウさん、ご挨拶が遅れました。
わたくしまゆと申します。
先日お電話では、お話をさせて頂いたんですけど」


「あっ!」

たまに生薬のことでマメチュー先生に電話してくる人?そう言えば“まゆさん”っておっしゃっていたっけ。

「よろしくお願いします!パゴロウです」


マメチュー先生はとても満足そうに、その様子を見守っていました。


USAさんは不審そうに、まゆさんとマメチュー先生を見つめています。



「お二人の挨拶も終わったところで、みなさん!
お夕飯を召し上がっていきませんか?
そろそろお仕事も終了なので」

「やったぁ!マメチュー先生メニューは?」


「農家の方が送って下さった夏野菜が沢山あるので、それを使ったおそうめんにしようかと…」

キュウリ・トマト、長芋・スイカ・村の名物の梅など夏野菜には、火照った身体を冷やしてくれる効果があります。


「良いですね、おそうめん!
するすると食べやすいですし」

「でも鶏肉入りの、山椒と唐辛子をきかせた辛めのおつゆです。
夏冷えしないよう、しっかり汗もかきましょう!
体温調節が出来なくなりますからね」

「辛いの好き!最近丁度ハマってたんです」


「ネギやシソ、ミョウガなどの薬味もたくさんありますよ!
三すくみの皆さんに頂いたんです。
もちろん、キュウリやトマトも!たくさんのっけて頂きましょう」


「“小料理屋三すくみ”メニュー!長芋つかってとろろそうめんも良いですよね~」


お腹が減っていなかったパゴロウさんも、話を聞いていたら少し空腹を感じ始めました。


(でも…)

チラリと薄目でにゃこさんを見るパゴロウさん。


そんなパゴロウさんの様子に、すぐ気付いたてんまさん。

「パゴロウさん、大丈夫?」


「えっ、あっ、えっと…」



「おいで、にゃこ」

「にゃ!」

まゆさんはてんまさんから、にゃこさんを回収。


にゃこさんは嬉しそうにまゆさんに抱っこされる。


「にゃこ、帰る?お腹へってるでしょ?」

「にゃ!まゆちゃんとご飯食べるにゃ」

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「まゆちゃん…帰るの?」

「うん。にゃこの奴。
今日一日遊び歩いてて、ご飯食べて無いからさ」

 
「まゆさん、何かお持ち帰りしますか?」


「ん~、じゃあ、キュウリ。
食べないけどにゃこがキュウリを見て、驚くかどうかの実験をしたい」

猫さんにとってキュウリは、天敵のヘビに見えるそうです。


「ダメです」

「けちんぼ。ねー、にゃこ起きて!
マメチュー先生ったらケチだよ」

「マメ…ケチにゃぁ」

にゃこさんは、色々よく分かっていません。


パゴロウさんの苦手な猫さんに、優しく微笑みかけるまゆさん。

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まゆさんが帰宅したあと、パゴロウさんはマメチュー先生に声をかけました。


「まゆさんってお優しい方なんですね」

「ええ。とても優しい方です」

「ええ!!??」

2人目やりとりを怪訝な顔をして聞くUSAさん。


「マメチュー先生、その方向性で大丈夫?
知らないよ?」


世の中には色んな人がいます。
薬剤師も医師も患者さんも…


(確かにパゴちゃんはすぐお熱を出したりして、繊細だけど)

社会に出て、そういう人たちにいちいちひるんで熱出してたら、仕事にならない…そう思うんだけどなぁ。


まゆさんとパゴロウさんのことで、色々気を回してしまうUSAさんでした。

USA その2

・前回の続き・

初めて調剤事務をやられている、USAさんと顔合わせしたパゴロウさん。


彼女の物怖じしない、人懐っこい性格を羨ましく感じました。


患者さんと接することの多い調剤事務さんも、もちろんコミュニケーション能力が必要です。


USAさんは、ボクの少し苦手なタイプな気がするけど、見習わせて頂かなくてはならない所は、たくさんありそうです。



USAさんきっかけで思い出した、学生時代の実習先でお会いした調剤事務のシノさん。


長く務めているベテランさんで、薬剤師も含めみんなが頼りたくなる姉御肌の人でした。

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薬局内のまとめ役で、相談もしやすい。


基本的に個性強めな人が多い薬剤師を、きっちり仕切ってくれるシノさん。


“こういう人がいてくれると薬局が一つになる”

そんな風に感じていたことを思い出していました。


薬局内での調剤事務さんのお仕事は、清掃作業・電話応対その他、レセプト請求等です。

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レセプト業務を行うには保険制度・調剤報酬などの知識が必要。


基本的に調剤事務さんは、未経験でもOKと求人広告に記載されていることが多いですが、忙しい薬局では未経験者では務まらない大変なお仕事。


知人から聞いた話ですが、人事で年齢を優先し、若い未経験の方を採用。
でも結局その方は足手まといに…

仕事仲間に、迷惑がられてしまったのだそうです。

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ボクもそんな事務さんたちの補助が出来るよう、レセプトの事ととかもしっかり勉強しなくちゃ。


質問された時に答えられる位に!!


(なんか…ボーッとしてきちゃった。
また熱かなぁ…)

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「大丈夫ですか?」

「どしたの?」

「何でもないです。大丈夫です!
ボク強くなったんです」

「パゴちゃん?」

「実はボク…」


「えー、そうなんだ、良いなぁ」

「へ?」

「だってぇ、すぐ熱出るんでしょ?
熱出たら学校休めるでしょ?
もも缶、食べられるでしょ?」


(そっそんな考え方…)

「ダメですっ!!」

「え?なにがよぉ!?
あたしはもも缶食べたいのー!
だっててんまちゃん、マメチュー先生から桃のフレッシュジュースを飲ませて貰ったって言ってましたよー!
ケーキは今度にしましょー!もも缶~!」


「もも缶?何だか懐かしいですね。
ではUSAさん、休憩時間まで待っていて下さい」


「はいは~い」



マメチュー先生お手製。
もも缶のシロップで作った桃入りゼリー。
生クリーム添え。

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「パゴちゃんお熱平気?
もも缶ピッタリでしょ?
マルズはまた今度にしようね!」

「はい、分かりました。覚えておきます」


「でも…きひひ」

「??」

「パゴちゃんみたいな子が、まゆちゃんに会ったどうなるんだろう」


「え?」

「ううん、何でも無い」

USA その1

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パゴロウさんの初出勤から、数日が経ちました。


初日はあんなに緊張していたのに、今はマメチュー先生やクラゲさんと、一緒に働けて楽しくて仕方がありません。

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早く出勤して、マメチュー先生のお話を聞きたくなる。


実は今日も早めに出勤してしまい、図々しくも朝食をご馳走になってしまいました。


爽やかな朝が気持ちいい。

その中で飲む、出汁の効いたお味噌汁が美味しい。

しょっぱい系の、ご飯に合う卵焼きが美味しい。

そのご飯がまた、ふっくらしていて美味しい。


「今日一日しっかり頑張ろう」
そんな気持ちがわいてくる、幸せな朝の時間。


「マメチュー先生、ご馳走さまです。
全部とっても美味しかったです!
ボク、お片付けしますね」

「ありがとうございます」


ザーザー…
ふんふ~ん♪
キュッキュキュッ!


パゴロウさんがご機嫌さんで、お皿洗いをしていると、人に見られているような変な気配を感じました。


「??」

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窓の外から覗き込む人影。

目が合った直後、凄い勢いで薬局内に入って来るその人物。


「マメチュー先生!この方どなたっ?何ですかっ!家族団らんみたいな光景は!
まさか…
マメチュー先生の息子さん?」

「いっいえいえ。この方は…」



「何だぁ。くまじろ先生の甥っ子さん…へぇ~。
ってか似てるー!ギャハー!!」

「パッパゴロウと申します」


覗いていた人物は、ずいぶん元気の良い、女性の方でした。


近くで全身をじろじろと観察されて、どうしたらいいのか分からず、戸惑ってしまいました。

「なぁに?赤くなって…照れてんだ?」


マメチュー先生は、困っているボクの為に、その女性の方を改めて紹介して下さいました。

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「ここマメクスリカフェで調剤事務として、お仕事をしてくれています」


「同僚の方でしたか…」


「ねえ。パゴちゃんはさ。
中身はくまじろ先生に全然似てないね」

(パゴちゃん…)

「でっ!マメチュー先生!」

「はい?」

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「急にくまじろ先生に言われたものですから。
でも素敵な方でしょう?」


「!!」(素敵…)



元気な女性USAさんは、1週間振りの出勤だそうです。


薬局の繁忙期は、もっと出勤日数も増えるそうですが、基本は経営者であるマメチュー先生が自由にさせているみたい。


なので非常勤である薬剤師のてんまさんも、毎日は出勤していないようです。


お話をする時の距離がとても近い、調剤事務のUSAさん。


でもおどおどしているボクの事を、根掘り葉掘り聞くというよりは、ご自分の事を色々と話してくれました。


「私の今日の朝ごはんはね~
卵かけご飯!おいしいよね。
ポ村には美味しい卵を、売ってくれるお店があるんだ。
そうだ、パゴちゃんさぁ」

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「あ、ごめん。近い?
あたし、人との距離感バカになってるからさ。
よく人にウザがられるんだよね。
まゆちゃんとか…
でね、そんでね、そのスイーツのお店、今日あたしが食べた卵かけご飯に使った、美味しい卵を使ってるんだよ!
今度買ってきてあげようか?そこのスイーツ」


「それならUSAさん。
お金をお渡しするので、おやつに買ってきて頂けますか?」


「やった~!嬉しい。
マメチュー先生ありがとう!
パゴちゃん、楽しみにしていてね。
ホント、美味しいから」


「あ、あっはい」


パゴロウさんは、スイーツの事よりもUSAさんの人懐っこさを羨ましく思っていました。

・続きます・

草食系男子の猫さん

自分の気持ちを、自ら伝えられないタイプ。


今時の男の子です。

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いつも気持ちを言えない、言わない。


自分の事を気付いてくれるまで、ひたすらジッと待っています。

こないだもずっと気づいてくれるまで、そこでず~っとそうしていましたね。

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察して欲しいタイプです。

ポあねの愛情を感じたいのでしょうか?


「言わなくたって分かるにゃしょ」


いや…
分かりますけどもね…

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でも何でもかんでも言わなくたって分かる…
という訳ではありません。


一日中あなたがどこで何しているかを、見ている事は出来ませんから。


言いたいこと、伝えたいことがある場合はちゃんと口に出して言いましょうね。


これは人間にも当てはまる事ですが…


言いたいことは後に爆発してしまうくらいなら、我慢せずしっかりと伝えましょう。

ねこねこ会議

穏やかな風が吹く、のんびりとした田舎感漂うねこ森町。


O様にねこねこ会議への、参加許可を頂いたにゃこさん。



ねこ森町へ来た本来の目的は、ねこねこ会議に参加して新規参入した子どものねこさん、ジルちゃんとシェイちゃんの指導係に任命して貰う事なのです。



なのですが、ねこねこ会議の前に今度はダイちゃんに猫屋さんに連れてきて貰いました。

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にゃこさん、丁度O様とおもちゃで遊び狂い、お腹がペッコペコ。


猫屋さんはお野菜を使った、オーガニックレストランです。


100%木で出来たお店の猫屋さん。
ねこさんたちでお店を建てたそうです。


ねこの大河くん、葉月くん、秋月くんが建てたとのこと。


「すごいねこさんにゃす!」

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猫屋の店員さんの、海ちゃんとくまねこちゃんが注文を取りに来てくれました。


【ねこさん用メニュー】
・だいこんちゅ~る
・きゅうりちゅ~る
・とまとちゅ~る


「チキン風味にしますか?マウス風味にしますか?」


「にゃこさんはお腹が減っているにゃすから、両方くだたい」


「かしこまり、まりた」


にゃこさん、そんなにたくさん食べられるのでしょうか。




食べられませんでした……




調子にのって食べ過ぎて、途中で胃が痛くなってしまったにゃこさん。


「おなか…痛いにゃぁ…」


お腹が痛くてしょぼ~している大人のねこさん。

しまいにはにゃあにゃあと、泣きべそをかきはじめてしまいます。



ねこ森町の皆さんが、心配そうに駆け寄ってくれました。



まゆさんの“にゃこのやつ、迷惑かけるんだろうなぁ”という予想が見事的中。

おめでとうございます!

言ってる場合じゃありません。



大人のにゃこさん、しっかり自分で解決しないと…


「大丈夫にゃ。にゃこさんおくすり持ってるにゃすから」



ポ村の薬剤師、マメチュー先生から頂いた“ねこさんおくすり”


まゆさんに“お腹とか痛くなったら飲むんだよ”と言われて渡して貰っていたのでした。



そんなにゃこさんにねこ森町の皆さんが、おくすりが効くまでゆっくり休むように言ってくれました。



ふわふわのお布団。

ねこさんにとって肌触りの良い、気持ちのいいお布団にくるまれて、にゃこさんはぷーぷーと眠ってしまいました。

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ねこ森町で眠りこけてしまったにゃこさんは、ねこねこ会議に参加している夢を見る。



にゃこさん、初めてのねこねこ会議。

でもこれは夢の中の出来事。


現実のにゃこさんは、寝言をにゃむにゃむ言いながら、体をピクピク動かしています。


その夢の中で強く強く「起きなきゃ!」という思いにかられました。



“ぱちんっ!”



にゃこさんお目覚め。


気づいたときにはねこねこ会議は、既に始まっていました。

にゃこさん、慌てて飛び起きます。


「にゃこさんのこと、起こして欲しかったにゃに!
おなか治ってるにゃに!
会議に参加したかったにゃに~!」


「じゃあ、一緒にねこねこ会議しましょう」

「にゃ?」



あっさり誘って貰い、会議に途中参加出来ました。

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「では今からを多数決をしますね」


にゃこさんは、指導係を決めるための多数決に参加。


にゃこさん、ご満悦!


多分にゃこさんは、いつの間にかねこねこ会議に参加することが目的になっていたのでしょう。



本当は子どものねこさんの指導係になるために、ねこ森町に来たにゃこさん。

でもにゃこさんが参加した多数決で、無事指導係のねこさんが決定。



そしてにゃこさんは満足したまま、まゆさんが待つポ村へ帰って行きました。


「ダイちゃんバイバイにゃ!
ねこ森町のねこさんたち、バイバイにゃ!」



にゃこさん、再び押し入れダンボールをくぐり、ポ村へご帰還。



「お!にゃこ。おかえり」


突然現れたにゃこさんに、内心驚きつつもまゆさんは温かく迎えてくれました。

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「で?こねこの指導係は誰がなったの?」


「指導係?」
 

「指導係になりたくてねこ森町に行ったんでしょ?」


「?だれに、にゃったか…?
子どもさんたちは可愛かったにゃよ。 
ジルちゃんは眠ってたにゃ」



「…そう。まぁ、いいや。
みんなに迷惑かけなかった?」


「かけなかったにゃよ」


「いい子してたの?」

にゃこさんはにこにこしながら答えます。


「いっつもいい子にゃ」



「そっか、じゃあ良かった」

「んにゃ」


「そろそろご飯にする?」


「にゃこさん、お腹いっぱいにゃ」


「何で?食べてきたの?
お外で勝手にご飯食べちゃダメだって、いつも言ってるでしょっ」


「にゃって…」


「もうっ、当分隣町へ行くの禁止!」


「何でにゃ!まゆちゃん意地悪にゃ!
次はねこ森町一丁目からバスに乗って
ホテルガレに行くんにゃから!
それきゃら、ぽつん湖でお魚釣って。
猫屋さんで、オーガニックマウス刺を食べんにゃからっ!」


「知りません。
はい、じゃあ今日はもういいからねんねして」


「お昼寝いっぱいして眠くないにゃ」


「ちっともいい子じゃ無いんだから!
ってかねこ森町に何しに行ったの?!」


「何にゃさ!」


ねこさんというものは、いつも悪いことをしているつもりは一つもありません。


年はいっちょ前に大人になっていきますが、中身はいつまでも幼い子どもなのです。


という訳で、にゃこさんが指導係に任命されなくて良かった。


ジルちゃんとシェイちゃんは、ねこ森町の皆さんがオタオタしながらも、しっかりと見守っていってくれることでしょう。



★今回も色んなねこさんたちに、許可無く出演協力して頂きました。


出演料も出さずに申し訳ありません。

にゃこさん“ねこ森町”に到着

「にゃこさん“ねこ森町”へ行く」の続きのお話。


にゃこさんは押し入れダンボールをくぐり、念願のねこ森町に到着しました。


押し入れからねこねこ会議の会場に行けると聞いていたのですが、にゃこさんが到着した所は会場とは違うようです。


やはりダンボールの押し入れでは、目的の場所がちょっとずれてしまうみたい。


ねこねこ会議に参加するためにあんなに意気込んでいたにゃこさんですが、いざ見知らぬ土地でひとりぼっちになると心細くなり動けなくなってしまいました。

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「まゆちゃん…」

俯いて、しょぼんしているにゃこさんのそばに誰かの気配が…


「どこの子?」

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「ポ村のにゃこさんです。O様にゃすか?」


「O様じゃないです。ダイちゃんです」


ねこのダイちゃんは、にゃこさんの手を引いて町を案内してくれるみたいです。

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「ここはどんな町にゃすか?
にゃこさん初めて来たのにゃす」


「お腹は?減っている?」

「お腹は減っていますにゃ」


「コノシロネズミ食べたことある?」


「ねずみ?マメねずみなら知っていますにゃ」


「でも今日は猫屋さんに行くのです。
お野菜を使ったオーガニックレストランです」


猫屋さんではねこさんたちがお客で来た際には、お野菜入りのちゅ~るを出してくれるそうです。


「おいしそにゃあ!」

「おいしいです」


にゃこさんは、これから美味しいちゅ~るを食べられると思って、テンション上がっています。


ねこねこ会議はどうするのでしょう。



「にゃこさんこちらです」

「にゃむ?」


「ここはO様のお城」

「O様にお会いするにゃ?」



どうやらねこさんたちは、オーガニックレストラン猫屋さんのことを、すっかり忘れてしまっているみたい。


ダイちゃんは初めに会話した、O様のお話の方を思い出したのです。


大きくて綺麗でフワッフワの毛を持つO次郎様。


童話の中に出て来るイメージ通りの素敵なO様です。

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「きみ、だれ?」


普段そんなに緊張しないにゃこさんですが、O様に突然質問されたためびっくり!

お隣にいるダイちゃんの手を握りしめたまま、固まってしまいました。


代わりにダイちゃんがO様に紹介してくれました。


「この子はポ村のにゃこさんです」


「にゃっ!そうにゃす。にゃこさんです」


「こんにちは!O次郎様だよ。略してO様だよ」


「こんにゃちはっ!」


O様は緊張しているにゃこさんに、ご自分のおもちゃを紹介して下さいました。


にゃこさん、ちゃっかり遊ばせて頂きます。


リラックスするのが早いにゃこさん。


にゃこさん………



そうでした。

ねこ森町に新規参入した子どものねこさん、ジルちゃんとシェイちゃんの指導係に立候補しにここまで来たのでした。


子どものねこさんたちに、ねこねこ世界中の事を教えてあげるのです。


「ねぇにゃこちゃん、とっておきのおもちゃ、見る?」


「見るにゃ…じゃなかった。O様!」

「なぁに?」

「にゃこさんもねこねこ会議に、参加してもいいにゃろか?」


「だめじゃないよ」


「…いいってことにゃすね?」

「そうだよ」


「ダイちゃん!やったにゃす」

「よかったです」


にゃこさんはねこねこ会議に、参加出来ると聞いて大喜び!


さくさくと指導係に一歩前進です。


次回へ続きます。



ねこ森町:楓屋さん(id:kaedeya)より