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前回のお話
医療機関がすくないポ村。
ポ村の村長は、都会の薬局で働くイチイさんをポ村まで連れてきていました。
どうやら、医療従事者として不適切な行動をとりがちなまゆさん、USAさんを教育してもらうためのようです。
休暇中のまゆさんはUSAさんは薬局で寛いでいました。
「ねぇまゆちゃん、窓の外見て」
「え?」
!!
”ひぃい、村長出たー”
薬局に村長が来たことに気付いたまゆさん、USAさんは、慌ててこたつの中に隠れていました。
そ、村長が…
村長は何やら薬局内を窓の外から伺っています。
「おや?今日のスタッフはマメチュー先生とクラゲさんだけですか?」
仕事の日ではないとはいえ、薬局で遊んでいることがバレたら、村長に睨まれそうな予感。
まゆさんとUSAさんは、村長に見つからないようにこたつの中で押し合いへし合い。
「あっつ!」
「せっま!」
「こたつの電源は?」
「探してるんだけど、あんま動けなくてよく分からないのよー」
「イチイさん、外の販売所では、OTC医薬品も購入できるんですよ」
「そうなんですね。へぇ、カフェもやってるんだ」
「はい、健康的なお食事がメインです。ここの管理薬剤師はマメチュー先生という方でして、漢方や薬膳料理にも詳しく…」
イチイさんに薬局の紹介をしている村長。
”ねぇ、村長だれか人を連れてきてない?”
”わかんないけど、話し声が聞こえるわね”
”客人と一緒なら、見つかっても怒られないかも”
”ススッと出て行っちゃう?ここにずっといるの暑すぎるもの”
「それにしても」
マメチュー先生は仕事で手が離せなさそう。今は、話を聞ける人がいなさそうです。
特に例の二人をイチイさんから指導してもらいたかったのですが…
”いや、今チラッと村長を覗いてみたけど、村長s'eyeがぎらぎらしている。危険な気がする”
”こわっ。なんでよ?何にもやってないじゃん”
”とりあえず、去るのを待とう”
”ひー、あつーいっ”
薬局内を見つめていたイチイさんは、先ほど見かけたフェネさんの姿を見つけます。
彼女はマメチュー先生に、真剣に薬の相談をしているところでした。
「でもフェネさん。先生は両方飲まれていると思って、診断や治療の方針を立てられていると思います。フェネさんが言いづらいのであれば、私の方から言っておきましょうか?」
「ダメよっダメダメ。マメチュー先生だから相談したのよ。くまじろ先生には言わないで」
「え!?」
くまじろ先生には言えないことを、信頼して話してくれた?
マメチュー先生、そんな時はいつもこっそり感動をしてしまいます。
「先生?」
悩んでいるけれど、本心を言いづらそうにしている患者さん。
ではそんな患者さんの、心の奥にある本当の気持ちを引き出すには?
”長い間、先生から処方された薬を飲んでいない”
本当はその事を不安に思っているから、打ち明けたはず。
どうすれば良いのか迷っている状態のフェネさん。
彼女を導いてあげなくてはいけない。
「打ち明けて下さってありがとうございます。フェネさん自身は今後、どうしていきたいですか?」
続きます