マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

木じじい その2

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前回のお話

薬局の片隅に住んでいる超長寿の木じじい。なんだか昨晩から具合が悪いようです。

心配したマメチュー先生は木じじい用の薬草を取りに行くため、早朝5時からお出掛け。

マメチュー先生は相変わらずの猛スピードです。

記事:ガールズセラピー

薬局の開店時間は朝9時。

 

朝食の時間、開店準備の時間を考えても、午前8時頃には戻っておきたいところです。

夜は遅い時間になっても特に変化を感じないのに、早朝は独特の空気が辺りを漂っています。

これから一日が始まるのだという、ソワソワっとした空気。

人間が活動していないため空気がより澄んでいるのだそうですが、なんか他にも秘密の理由があるような気がしてなりません。

 

“バササッ“

「おや、カラスケさん、おはようございます」

「マメ先生だすね。おはようだす」

 

カラスケさんは嬉しそうに、朝食である木の実のようなものを食べていました。

鳥さんたちは朝が一番、ウキウキしているみたい。

 

朝を迎える事を憂鬱に思う人も世間にはいるようです。

ですが、鳥さんたちを見ていると朝を迎えられることは本来、素晴らしい事なのだ思える気がします。

 

 

ポ村の小さな島々が浮かぶ湖に着きました。

小さな島にはそれぞれ、ガラパゴス諸島のように独自に進化した、島固有の不思議な動植物が生息しています。

島によっては、そこにしかない不思議な薬草も存在してる。

 

ポ村の中でも、まだ解明されていないことが多い不思議な場所です。

ポ村には樹木医の先生がいらっしゃらないので、こちらの島においてある植物専用の生薬を頂きにきたマメチュー先生。

オオオニバスに乗って目的の島へ向かいます。

体の軽い人でなければ、島へはなかなか行けません。

 

この湖の島々について、解明されない理由でもあります。

狭い範囲に島が点在しているので、船等で行くことが出来ないのです。

 

マメチュー先生は小さな島をかき分けて、ゆっくりと進んでいきます。

ここの湖はとても澄んでいてじっと見ていると、水の中を覗き込んでいたことを忘れてしまうくらい透明。

 

水中にいる魚たちはまるで、空を飛んでいるかのように見えてきます。

🐟  🐟  🐟

 

ようやくマメチュー先生の目的の島が見えてきました。

「ナニカ?」

「木じじい用の生薬をください」

「…」

「生薬、ありますか?」

「ン?ムシさんモ、イッショ?」

「はい。今日は一緒に来ました」

「ドウゾ」

「ありがとうございます」

 

お礼として草食性であるご主人に、芽キャベツを渡しました。

同行してくれたムシさんが知り合いだったらしく、ありがたいことに少し生薬をサービスして頂いたようです。

 

 

お薬を手に入れたら、早く木じじいの元へ戻りましょう。

さすがマメチュー先生。

時刻はまだ午前7時前です。

 

続きます