⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら
⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら
前回のお話
薬局の片隅に住んでいる超長寿の木じじい。なんだか昨晩から具合が悪いようです。
心配したマメチュー先生は木じじい用の薬草を取りに行くため、早朝5時からお出掛け。
マメチュー先生は相変わらずの猛スピードです。
記事:ガールズセラピー
薬局の開店時間は朝9時。
朝食の時間、開店準備の時間を考えても、午前8時頃には戻っておきたいところです。
夜は遅い時間になっても特に変化を感じないのに、早朝は独特の空気が辺りを漂っています。
これから一日が始まるのだという、ソワソワっとした空気。
人間が活動していないため空気がより澄んでいるのだそうですが、なんか他にも秘密の理由があるような気がしてなりません。
“バササッ“
「おや、カラスケさん、おはようございます」
「マメ先生だすね。おはようだす」
カラスケさんは嬉しそうに、朝食である木の実のようなものを食べていました。
鳥さんたちは朝が一番、ウキウキしているみたい。
朝を迎える事を憂鬱に思う人も世間にはいるようです。
ですが、鳥さんたちを見ていると朝を迎えられることは本来、素晴らしい事なのだ思える気がします。
ポ村の小さな島々が浮かぶ湖に着きました。
小さな島にはそれぞれ、ガラパゴス諸島のように独自に進化した、島固有の不思議な動植物が生息しています。
島によっては、そこにしかない不思議な薬草も存在してる。
ポ村の中でも、まだ解明されていないことが多い不思議な場所です。
ポ村には樹木医の先生がいらっしゃらないので、こちらの島においてある植物専用の生薬を頂きにきたマメチュー先生。
オオオニバスに乗って目的の島へ向かいます。
体の軽い人でなければ、島へはなかなか行けません。
この湖の島々について、解明されない理由でもあります。
狭い範囲に島が点在しているので、船等で行くことが出来ないのです。
マメチュー先生は小さな島をかき分けて、ゆっくりと進んでいきます。
ここの湖はとても澄んでいてじっと見ていると、水の中を覗き込んでいたことを忘れてしまうくらい透明。
水中にいる魚たちはまるで、空を飛んでいるかのように見えてきます。
🐟 🐟 🐟
ようやくマメチュー先生の目的の島が見えてきました。
「ナニカ?」
「木じじい用の生薬をください」
「…」
「生薬、ありますか?」
「ン?ムシさんモ、イッショ?」
「はい。今日は一緒に来ました」
「ドウゾ」
「ありがとうございます」
お礼として草食性であるご主人に、芽キャベツを渡しました。
同行してくれたムシさんが知り合いだったらしく、ありがたいことに少し生薬をサービスして頂いたようです。
お薬を手に入れたら、早く木じじいの元へ戻りましょう。
さすがマメチュー先生。
時刻はまだ午前7時前です。
続きます