前回の続き
かぼちゃシチュー用にポ村のきのこ、ぽのこを採取していたマメチュー先生たち。
そこへまゆさんが、木じじいに怒鳴りながら突っ込んで来ました。
木じじいは何だか幹に、ぽのこが生えてしまっています。
「何だこれ、ぽのこじじい」
まゆさんはてんまさんとお喋りしていたら、突然虫の大軍に襲われたのだそうです。
てんまさんに寄り付く虫→まゆさん
“その虫”を自分の“お友だちの虫さん”たちに頼み、追い払って貰った木じじい。
木じじいからすると口の悪いまゆさんは、自分に優しくしてくれているてんまさんを、いじめているように見えているのです。
こうして木じじいは虫さんネットワークを利用し、てんまさんからまゆさんを引き剥がしにかかります。
まゆさんの口の悪さが、てんまさんにうつらないようにするためでもあります。
「あのまゆさん、ひょっとして秋の七草を…」
ぷんすかしているまゆさんをなだめるように、マメチュー先生が声をかけます。
「そうだ、マメチュー先生。持ってきましたよ」
まゆさん、ホントは木じじいに用があったのではなく、マメチュー先生に秋の七草を届けに来たのでした。
春の七草は食用ですが、秋の七草には薬用植物が多いんです。
葛:葛根→胃腸の改善・風邪薬
女郎花:乾燥させた根→解毒や鎮痛
桔梗:乾燥した根→たん切り・咳の薬
藤袴:洗髪料・香水に使用
他の七草には撫子、萩、ススキがあります。
まゆさんが持ってきたのは、その中の葛根です。
これからの季節、お買い求めになる患者さんが多い生薬です。
風邪の「初期症状」に飲むと有効なお薬。
葛根湯もマメクスリカフェで調合可能なお薬の一つです。
「先生!売れるやつ持ってきましたよ」
「ふふ。ありがとうございます」
“売れる”
「家康も“家康の薬”として調合していた薬を、庶民に販売すればよかったのに」
「どうしたの?急に…武将が商売?」
当時は身分が低いとされていた人しか、商売はしていませんでした。
身分の高い方は、へりくだって商品を買って頂くなど出来なかったのです。
そして、お医者さまの身分も当時は低いものでした。
「今の時代、表向きには身分もへったくれもないけどさ…
うちの伯母のペリコも、未だに人を職業で判断してるんだよね」
“あの人、商売人よ!”
だからなんなのでしょう…
何やら士農工商制度をまだ引きずっているらしい。
まゆさんになぜクソミソに言われるのか、あまり理解出来ていない様子。
「でもすごいですよね」
「うん?主語なに?」
「はゎっ、ごめんなさい。
あの…マメチュー先生もまゆさんも、色々資格持っていらして」
「なに、急に…」
ホントにすごいです。
世の中の薬剤師みんなが、それ位やる気をもってくれたらいいのに…
患者さんの役に立つからと、色んな資格を持っているお二人。
お二人とも所有しているのは、漢方や生薬に関する専門的知識を習得した薬剤師であることを証明するための漢方薬・生薬認定薬剤師。
マメチュー先生は他にも民間資格であるハーブコーディネイター、薬膳コーディネイターの資格も所有しているそうです。
まゆさんは植物がお好きらしく、薬草コーディネイターの資格を持っているそうです。
薬剤師は仕事柄、様々な知事が必要とされます。
昔は薬剤師が取得するのが流行っていたという、ケアマネジャーの資格。
(患者さんのために、医師・看護師・介護スタッフと上手く連携をとる必要があるから)
他にも服薬指導時などで取得していると役に立つ、心理カウンセラーの資格やアロマセラピストの資格など薬剤師によっては、様々な資格を取得しています。
ボクはまだまだ、そこまで勉強する余裕がありません。
一方マメチュー先生は、調理師の資格まで取得しています。
本当は国家資格である管理栄養士の資格が、欲しかったのだそうですが…
注)マメチュー先生が所有しているいくつかの資格は、薬剤師として一般的ではありません。
そしてそんなマメチュー先生が今、資格以外に欲しいもの…
次回へ続きます