マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

絆創膏の呼び方

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「あらクラゲさん、こんにちは。今日もお願いしますね」

穏やかでいつもにこにこしている、患者のきのこさん。
駄菓子屋さんの店主で、よく薬局に顔を出してくれています。

 

「きのこさん、こんにちは」
「まぁ、マメチュー先生」

「温かい梅湯はどうですか?」
「うふ、ありがとう。美味しそうだわ。いただきます」

梅湯とは、村の特産品である梅干しと梅干し・赤紫蘇が浸かっていた汁、それにすりおろし生姜をお湯を入れたドリンクです。
身体が温まり、この時期は風邪予防にもなります。

「ポ村に住んでいると長生きできそうね。あたしはこちらにお嫁にきてからだけど、マメチュー先生はポ村出身だったかしら?」
「ええ、祖父母の代からポ村です。そういえば、皆長生きでしたよ」
「そうなのね。あたしも頑張らなくちゃ」

 

USAさんはきのこさんを、微笑ましく見つめていました。

”梅干しみたいなお手々。かわいいなぁ”

「もうすぐね、誕生日なの。うちの娘」
「それは楽しみですね」

「忘れないよう、つい何回も確認しちゃうのよ」
「プレゼントは何か買われたんですか?」

「我が家だけ慣習なんだけどね。赤ちゃんが生まれると赤べこを送るのね」
「あかべこ?あの赤いべこのことですか?」
「そう、べこちゃん」

「えーいいなぁ。赤ちゃんに赤べこちゃん。可愛い。記念になりますね。一緒に成長していく感じだわ」
「娘がね、ちょうど50歳になるから、2代目の赤べこを送ろうかと思って」
「新しい赤べこちゃんですか。それもいいですね。喜ぶと思いますよ」

 

”幼い頃は人生の中心に家族がいたけど、今は友だちや職場の同僚が中心にいる。年を重ねて行くとまた、家族が中心になっていくのかな”

「そうだわ。USAさん、カットバンある?最近あかぎれが多買っていこうかなって」
「カットバン?何ですか、それ」

実は絆創膏は地域で呼び方が異なります。

 

関東はバンドエイド。
北海道はサビオ。
九州リバテープ等。

 

「へぇ、今知りましたそれ。そっか。さっき赤べこって言ってたからきのこさんは、福島県出身なのね。個人情報隠したくても、気付かないうちに出身地バレちゃいそう。SNSとかで気を付けなくちゃ。身バレしちゃう」
「USAさんは関東出身でしたよね?じゃあバンドエイドって言わず絆創膏と言わないとですね」

 

「あ!やだ、もう言ってるかも!ちょっと確認してみてもいいですか?」

「それはお仕事が終わってからにしましょうね」