マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

節分 2023 その2

前回のお話

毎年恒例、節分の日にやってくるガリガリの赤鬼。
今年はそのもじゃ頭(かつら)の中から小さな青鬼さんが出てきました。
ひょこっと出てきた小鬼さんに、一点集中しているにゃこさん。

小鬼を捕まえてやろうと、鬼のもじゃ頭を”ていてい”しています。

「にゃにゃ」
「にゃこ、こわがっちゃうからやめてあげて」

しかし、小鬼さんもにゃこさん相手なら面白いのか、もぐらたたきみたいにひょこひょこ出てきています。


そして…

ぴこぴこハンマー金棒バージョン

「おおっ」


小鬼さんのリベンジにまゆさん、てんまさんは驚きの声をあげています。
一方にゃこさんは驚くどころか、その柔らかいこん棒を追い回して楽しそうです。

「うふふ、どっちも嬉しそう。なんだかんだで、お友だちになったみたいね。小鬼ちゃんは、にゃこちゃんに任せることにしよう」
「あたしらはマメチュー先生の食事の支度の手伝いでもしにいくか」
マメチュー先生は、節分のお食事を準備中。

「じゃ、にゃこちゃん。小鬼ちゃんのこと、お願いねー。おとうさんはここでご飯食べてるからねー」
「フォ」

注)赤鬼さんは、おとうさんではありません。

「にゃ!」
「ぱぷ」

それを聞いたにゃこさんは、段ボールの中に小鬼さんと入っていきます。
「じゃあちょっとだけ、遊んでくにゃ」

楽しいとこ行くにゃ

ポ村の隣はねこさんの町。

ようこそねこ森町

「ねぇ、鬼。もっと食べなよ。毎年ガリガリでやってきて。まさかそんなナリして、食細いのか?」
「お口に合わない?」

先程まではものすごくお腹が減っていた赤鬼さんですが、今は色んな意味でお腹いっぱい。

「牛乳飲む?」

赤鬼は小さく首を横に振っています。
食ハラされて帰りたいのですが、小鬼さんがにゃこさんと遊びに行ったきり戻らないので、帰るに帰れない状態。

「まゆさん、てんまさん。恵方巻が出来ましたよー」

「はーい」
「マメチュー先生ー!恵方を向かずにしゃべりながら食べていいですかー?」


彼女たちはおいしそうにがつがつ食事をしています。
赤鬼さん、それを見ているだけでお腹いっぱいになるタイプのようです。

戻ったにゃ

いきなり段ボールから飛び出してきたにゃこさんと小鬼さん。

「フォ!」
「お、にゃこたち帰って来た」
「楽しかったにゃー」
「ぱぷ」

二人とも遊び過ぎたのか、真っ黒に汚れています。
赤鬼さんはようやく小鬼さんが帰ってきてくれて、明らかに安堵している様子。
さっそく小鬼さんをつれて、ポ村を去ろうとしています。

「おとうさん!」

「お食事終わったのなら、お子さんをお風呂にいれてあげて」
「…」


また一緒にお風呂に入ることになった赤鬼さん。

・・・。

このあとはどうやら、小鬼さん用のお食事のお世話もあるみたいです。
なので、帰るのはもう少し先になりそうですね。

小鬼さんは将来“節分の鬼”として活躍するための見学をしに来ていたそうなのですが、これで参考になったのでしょうか。