マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

怖がり屋さん その3

前回のお話
ビビりで悩む小学六年生のヨモギくん。
そんな彼は、お目々クリクリのアイドル的クラスの女子に、ピンクの絆創膏が似合うと言われてしまいました。

絆創膏…
そうだ。
調剤薬局のマメチュー先生に相談してみようかな。

小さい時からお世話になっていました

みんなマメチュー先生みたいに優しくて、僕をからかわない人ばかりだったらよかったのに。
マメチュー先生は僕が信頼できる大人。
小さいころから、薬局ではマメチュー先生とだけ会話してた。


病院にかかりがちな幼い頃は、ガラゴさんとは学校・幼稚園だけじゃなく、薬局でもよく会っていた。


さすがに今日は会わないよね?

苦手だった遊び
幼い頃、薬局で出会ったガラゴさんから、そんな遊びを持ちかけられる。


「ちょっとだけ飛べた気になるから。鳥みたいに、天使みたいに飛んでみたくない?」


”僕は飛んでみたくなんかない。天使じゃないもの”


早く大人になりたいなぁ。
こんな遊びしたくないよ。

パパたちを見ていても、子供が一番恐怖心を試される機会が多い気がする。


僕は案の定、丘の上でおどおどしていた。
ジッと見つめてくるガラゴちゃんの目。

その目に気圧されるように、よろけて落ちてしまった。


そして僕は足を軽く挫いて、そのまま再び病院に連れていかれた。
苦い思い出。


ポ村に点在する小さな小さな丘すら怖くて、転げ落ちてしまった小さな僕…
今ならさすがに、飛び降りることが出来る?


よし!
肝試しの日まで、一つずつ苦手だった怖いものを克服してみよう!

思い出の低い低い丘

高所を克服できれば高層ビルの上層階に行ける、飛行機にも乗れる。
でも…

実際に高所で強風に吹かれている感じがしちゃう

やめた。
とりあえず今はやめた。
高い所の映像を見て、高所に慣れよう。

目、つむっちゃった

駄目だな、僕。
そういえば、遊園地にあったミステリーゾーンとかいうお化け屋敷。


あの時も乗っている間中、怖くてずっと目をつぶっていたな。
出口付近になると明るくから、それを待ってからじゃないと、目を開けられなかった。


何年か前になくなっちゃったけど、結局一度も目を開けないままだったから、どんなアトラクションだったのか分からずじまい。
僕のお化け屋敷の思い出って一つもない。
初めてのお化け屋敷の思い出が、ポ村小学校の肝試しかぁ。


「あっそうだ、マメチュー先生に相談!」


「マメチュー先生、お久しぶりです」
「ヨモギさん」


「高所が苦手…では高い所にいる時間を、増やしてみてはどうでしょう」
「高いところに?」
「無理のない程度に高い所です。ヨモギさんは、いつもクラゲさんとすぐに、この丘を降りられるでしょう?」


「は、はい」
「患者さんによっては、外のベンチで休憩してから帰られる方もいるんですよ。同じようにベンチで休憩して、この丘の高さにも慣れてみたらどうでしょう。少しずつ滞在時間を増やし、そして少しずつ滞在する場所も高くしていくんです」


「なるほど、じゃあ少し休憩していっていいですか?」
「もちろんです」

続きます