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朝の開店前。
薬局のスタッフは、いつも通り朝の看板、幟を出し、そして清掃をしています。
マメチュー先生の薬局の店頭には現在、ポ村産・梅味のど飴がたくさん並んでいます。
そこをふらふらと横切るUSAさん。
朝から頭が働いていないようで、だらだらと掃除をやっています。
すると、その直後に村長にぶつかりそうになる。
「ひっ、村長!」
”怒られる!?”
ぼんやりしながら仕事をしていたことを村長に注意されると思ったら、なにやら一人、にやにやしています。
「村長?」
どうやら村長は、ポ村印の梅のど飴を嬉しそうに眺めていたみたい。
怖いくらいにやにやがとまらない村長。
マメチュー先生は穏やかな様子で、その姿を見つめながらつぶやきます。
「村長のためにも、ポ村の梅のど飴、みなさんにご好評頂けるといいですね」
「そうですね。大丈夫ですよ。おいしかったですもん」
さすがのUSAさんものど飴が、わざわざ客を引けるほどの商品になるとは思わないけれど…
翌日も村長は薬局の様子を見に来ていましたが、ポ村印ののど飴は、患者さんにはさほど注目されていないようでした。
「村長、自分の作品の売れ行きを気にする作家やアーティストみたい」
なんだかかわいそう。
さらに次の日も。
しかも雨まで降っている。
「村長ったら、かわいそすぎる」
今のところ、ポ村の梅のど飴は数量限定。
好評のようならさらに増産されるとのことです。
村長はもちろん、梅味ののど飴をポ村の定番商品にしたいと考えています。
せっかくポ村のために作ってもらったのど飴。
そしてその売れ行きをジッと見守る村長。
USAさんは、村長のためにポ村産・梅味のど飴をたくさん買ってもらいたくなったようです。
もともとはUSAさんののど飴好きがきっかけで、出来た商品でもあります。
「味もいいしさ。口にしてもらえれば気に入ってもらえると思うのよ」
「たくさん売るって…営業でもすんの?それとも押し売りの電話かける?」
「いやちょっとそれは」
「うちの薬局のホームページに載せるとか?だいたいこの商品ってどこまで宣伝していいやつ?こののど飴って食品だっけ?」
「違うわよ。ほんと興味ないのね。まゆちゃんってそもそも、のど飴好きじゃないでしょ?」
「よく分かるじゃん。飴自体興味ないけど、のど飴は特に好きじゃない。まぁでもこれは食べられなくはないよ」
「USAちゃん!あたしは好きだよ。すっごく美味しかった。酸味が爽やかでスースーした。村長のためにもがんばろ!」
「てんまはなんでも食べるもんね」
「む!でもこののど飴、食品じゃなくて医薬部外品だよね。処方箋が必要な医療用医薬品でもないし、薬局で患者さんにいっぱいアピールしても大丈夫なはず!」
続きます