マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

高齢の患者さん その2

前回のお話
イチイさんの調剤薬局

よく薬のことを聞いてくるのに“用法用量を守って下さい”というアドバイスを聞いてくれないチョウジさん宅のご近所の青木さん。
なぜなのでしょう。

「近所の高齢なご婦人、青木さんなんですけどね。いつも用法用量を守っていないみたいで。前にも同じことをその人に言ったんですけど」
「認知機能に問題があるわけではない?」
「一応会うたびよくしゃべってますし、活動的な人ではあります」

「なにか他に理由があるんですかね」
「お前とコミュニケーション取りたいだけかもしんないなぁ。でも用法用量を守ってくれないのは問題だよ」

注)
用法用量を守らなかったせいで、効果が出なかった場合。
医師に薬が効いていないと勘違いをされた結果、薬の量を増やされたり別の薬を処方される可能性がある。
さらには副作用のリスクも高まってしまう。


「アッ。ねこちゃん」
「突然何?ねこ?どこ?」
「あの、薬局の外に」
「外?ああ…。ロクジョウさん、ねこ好きだったんだ」


「でも、残念だけどあれ軍手だよ」
「エッ!?」


ねこ好きあるある。
軍手やビニール袋がねこに見えてしまう。

「きゃああ。恥ずかしいっ」

何度も見間違えているのに、なぜまた見間違えるのだろうか。
不自然な所にいるから、ぜったいビニールか何かだよと思っているのに、確認するまで近寄ってしまう。

全ねこ好きがしょっちゅう引っ掛かる日常のトラップ。

「ひょっとして目、悪い?」
「ハ、ハイ。コンタクト買おうかなと思ったんですけど」

この間、健康診断に行ってきたロクジョウさん。

勘で答える視力検査

「結局、勘が当たっちゃったみたいで、両目0.8だったんですよ。コンタクトにするか微妙なラインだったので…」

「ロクジョウさんは結局、裸眼であんま見えていないわけだな。仕事に支障があるかもしれないから、もう一度検査に行った方がいいよ。 そもそも視力って体調や目の疲れでも変わるらしいから」

「そうなんですね。そうします」

「ん?オウギさんも視力悪いんですか?」
「いや、近所のおばあさんのこと。薬を適当に飲んでるって言ってたじゃん」

「用法用量守ってくれない青木さんですね?」
「薬のことが気になるのに、処方箋に記載されている用法用量は守らない。その人も視力悪いんじゃない。」


「視力?」
高齢者の方が、視力が悪くて見えていないってことは…

「おお、なるほど老眼。それで記載されている文字が読めていないかもしれないってことですね」


「確認してみるといいよ」
「はい。そうしてみます」


結局ご近所の青木さんは予想通り文字が小さくて読めず、思い込みと昔の記憶を頼りに、適当に飲んでしまっていたとのことでした。

チョウジさんはかかりつけの薬局に相談し、文字を大きくしてもらうようにと青木さんに勧めました。


薬局では患者さんに応じて文字を大きくするなどの対応しています。

例えばこちらのアドバイスを忘れがちな患者さんにも、薬袋に大きく説明を書いて、少しでも目が止まるように工夫しています。


「うちの患者さんにも、こっちが気付いて気を使ってあげないといけないよな」
「そうですね。そんでみんなに健康で長生きしてもらいたいですね」
「フフ。ほんとですね」