マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

夏のお野菜 その1

土壌を腐らせる、そんなポ村に巣くう悪しきものにも負けず、ようやく実ったポ村産の可愛い野菜たち。

「可愛いなぁ。抱きしめたくなるよなぁ」

農家のケイヒさんは、自分が育てて収穫した野菜たちを愛おしそうに見ています。


名残惜しいですが、商売なのでいつまでも眺めている場合ではありません。

ポ村一でかい男ヤマオと出荷作業

段ボールに詰められたお野菜を、またもケイヒさんは見つめています。


「きれいだなぁ。宝石箱みたいやなぁ。なぁ!ヤマオ!聞いてる?」
「…」

ケイヒさん、黙って仕事に戻ります。

「ん?なぁヤマオ」
「…」
「なんか嫌な匂いしねぇ?」

そう、ケイヒさんに尋ねられたヤマオ。

たっぱのある彼が辺りを見回し、何かに気付き、ケイヒさんの後ろの方を指さします。


「え?あ!」

間髪入れず追い払う

「奴らめ!ちょこちょこ野菜たちを腐らせに来んだよなぁ。全くけしからん」


悪しきものに対し、素早い対処のケイヒさん。
普段は怖がりな所がある彼なのですが、農作業中はいつでも強気です。
そもそも基本的に、悪しきものは成人男性を襲うことはあまりありません。


奴らは、土を腐らせて植物にダメージを負わせること等が好きなようです。

おそらく今回現れたのも、お野菜に対する嫌がらせでしょう。


「さ、残りの野菜はいつもお世話になっている人に配りにいくか」

出荷作業を終えたケイヒさんは、ポ村の人々にお野菜を配り行くことにしたようです。

じっ

続きます。