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前回のお話 (内臓脂肪減少薬 その1はこちら)
自分の体型が気になり始めたあかりさん。でもダイエットは簡単にできるものじゃない。そのため、内臓脂肪減少薬に頼ろうとするが、ぽっちゃりの母親に諫められてしまう。
あかり家宅
「おかあさん、痩せ薬ほしいの?」
「あかりが欲しがる薬がなんなのかは、よく分からないけど…そもそもあんた!その体型で痩せたいって、ほんとのぽっちゃりの苦しみ知らないでしょう?好きな服も着られないし、汗もかくし、靴下も履きづらい。階段は上りたくないし、いびきもかくし、狭い場所を通るのにだって躊躇する」
「おかあさん?」
「混んでるエレベーターに乗るときは体重制限がかかりはしないかひやひやするんだから!」
「た、たいへんだね」
「そうよ。あんたそんなこと気にして暮らしたことないでしょう!」
「ま、まぁ」
「大して太ってもいないあんたにこのつらさは、分からないはずよ。なんであたしじゃなくてあんたが薬飲むのよ」
「だね、そうだよね…」
「だから言ったでしょ。一人暮らしだからって暴飲暴食には注意しなさいって!あたしみたいになったら困るじゃない」
【内臓脂肪燃焼薬:アライ】
脂肪の吸収を抑え、摂取した脂肪のうち25%を便とともに排出する。
⚫︎購入資格
腹囲 男性85センチ以上 女性90センチ以上
18歳以上の成人
(有効成分オルリスタットは、成長に必要な栄養素やビタミンの吸収を阻害してしまう)
生活習慣の改善を普段から行なっている。
⚫︎服用不可
有効成分オルリスタットに対して、アレルギーを起こしたことがある。
併用禁忌薬(シクロスポリン製剤、抗HIV薬、抗凝固薬)を服用している。
※要指導医薬品のため、薬剤師による服薬指導が必要。
⚫︎副作用
便または油を伴う放屁。油の漏れ
★あかりさんママは購入可
ふくよかな体型のあかりさんママには、服用の効果が期待できます。普段週3日、短時間パートをしているママ。副作用が気になるなら、慣れるまでは休日に服用するといいかもです。
薬局
「にゃこちゃん、かわいい」
「にゃふふ、そうにゃか?」
「健康なら少しくらいぽちゃっとしていてもかわいいよね」
「にゃふ?」
「?なんにゃよ?てんまちゃん」
「うふふ、にゃこちゃん、嬉しそう」
「なんにゃ!USA。変な顔してにゃこを見にゃいで!」
「あのね、まゆちゃん。あたしはまゆちゃんがどんな姿だって、大好きだよ?」
「あ?」
「にゃこもっ!それにゃこもにゃ!」
「たとえまゆちゃんが誰かと入れ替わっちゃってても、すぐに気づくんだから」
「それじゃあ”入れ替わり漫画”とか、話にならないじゃん」
「生まれ変わってもすぐにわかる」
「口だけでしょ?」
「この目が見えなくなってもまゆちゃんが近くにいること、あたし絶対わかる」
「は?」
「しゃべってなくてもわかる。足音でわかる。朝、突然謎の蟲に変身してても…ましてや人間の姿だったら、簡単に気付いちゃう。まゆちゃんは歩き方を見るだけでもわかる」
「にゃこも!にゃこもわかるにゃ」
「そういうのねこさんの方が得意だよね」
「にゃふ」
「とにかくどんな体型だっていいってこと。でも健康でいてね。そこ重要なとこだからね」
「全く、おかあさんかよ」
あかり家宅
「なんだかおかあさんに圧倒されちゃった。聞いてた?エルトン。びっくりしたね」
「ふふ、でもおかあさんの日常のエピソード笑っちゃった。なんか今はもういいや、ダイエット。それより勉強しよ。いずれ海外にも行ってみたいし」
「にゃ」
「そう言えば藤島恭平と小林柚月、あたしが英語喋ってたら目をまん丸くして見てたなあ。ちょっと鼻高々。ちょっと見返した感。より勉強する気になった。へへ」
「にゃ」
「そのためにはお金貯めなくちゃ。元気に働く。健康第一。おかあさんの言う通り暴飲暴食して働けなくなったら、困るのはあたしだしね」
「にゃ」
「いずれ本物のねことも暮らしたいし。そんでエルトンのお友だちになってもらうんだ」
「にゃ」
「うれしいでしょ?エルトン」
「にゃ」
「やせ薬は…いつかみんなに行きわたるくらい大量に生産できるようになったら、買うことにしよう。その時は副作用も、もっと穏やかになってたらいいなぁ」
「にゃ」