✍️ 書いている人
ポ姉妹
・ポあね(薬剤師/漢方専門薬局勤務)
・ポいも(語り手/物語で届ける担当)
前回のお話
小さい頃からポ家で暮らすぽんちゃんには、ねこのお友だちがいないことが悩み。そんな時、ふらっと若いキジトラの男の子が庭先にやってきました。
突然現れた初めてのお友達!
「ねぇ、きみ。ぽんちゃんのお友だちになってくれない?」
若いキジトラくん、こくりと頷いたように見える。
「お友だちになってくれるにゃか?」
「やったね、ぽんちゃん!」
ある日突然、ぽんちゃんに初めてお友だちができました。
「ぽんちゃんよかったね、ほんとに嬉しい」
近所にはねこさんはいたものの、いつも遠巻きに見られているだけで、遊んでもらえなかったぽんちゃん。それがようやく、一緒に遊んでくれるお友達ができたのです。
若いねこの男の子たち。
互いに人見知りする事もなく、ふたりではしゃぎ回っています。
「ほほえましい」

「本当に嬉しそうだし、楽しそう」
このキジトラくんが、私たち不器用なポ家の代わりに、お友達としてぽんちゃんを一人前のねこさんに育ててくれたら良いな、と願っていました。
「ポいもちゃん!なんで知らないねこ、家に入れてるのよ!」
ぽんちゃん以外のねこさんはNGな母がいるので、バレないようにこっそりと。

「ポいもちゃん!またねこ入れてるでしょー!」
「うん、入れてる」
キジトラくんにねこさん同士のマナーを教えてもらって、バーバラさんたちとも仲良くできるようになってくれたら、嬉しい。ねこ友を増やしてもらいたい。特に、甘噛みの仕方も教えてあげてほしいなー。
私を獲物と見立ててちょっかいを出してくるぽんちゃんですが、我が家に来るお客様に対しては完全に「敵」とみなし、本格的な攻撃を仕掛けることがよくあったのです。これは私たちにとって、結構深刻な問題でした。
こんなぽんちゃんの問題行動も、キジトラくんとの遊びで色々学んで、やらなくなればいいんだけどな。
しかし…

お友だちが背中を見せた途端、殺意が芽生えるねこ。
「なっ何してんのー!?」
せっかく出来たお友だちを殺そうとする。
「ぽんちゃんっっ!」
慌てて止めたのですが、お友だちのキジトラくんは噛み付かれているのに無反応。
「何で?大丈夫?」

「だいじょうぶデスよ」
キジトラくんは泣きもしないし、嫌がりもしません。そしてまた、何事もなかったかのように遊びに来てくれるのです。心配していたのですが、ぽんちゃんに噛み付かれても、全然大丈夫だったみたいです。
ねこ界ではあれは甘噛みなの?
確かにぽんちゃんが知らないねこさんと、本気で喧嘩しているのを見たときとは様子が違う。
顔は本気だけど、毛は逆立ってないし唸ってもいなかった。
遊びの範疇だったのかな?
去勢済みの男の子が、男の子の首元を噛むのは、マウンティングだったのかもしれません。
それにしても、あんな遊びを許してくれるありがたいねこさん。
うちのぽんちゃんのお友だちになってくれて、ありがとう。
「ぽんちゃ~ん。お友だちがまた来てるよ-」
「にゃ!今日は小鳥ごっこすにゃ」
同年代の若い子だからか、ぽんちゃんを教育してくれることはないものの、楽しくて幸せな日々が数ヶ月続いたのある日。

キジトラくん、いつしかパタリと来なくなってしまいました。
他にお気に入りのおうちを見つけたのでしょうか。
それともやはり飼い猫さんで、飼い主さんと一緒に引っ越していったとか?
「さみしくなっちゃったね、ぽんちゃん」
「いいんにゃ、いいんにゃ」
「そう?」
「ぽんちゃん一人で遊べるにゃから。一人でだって楽しく遊べるんにゃから」
「そうだね、また今度ねずみごっこしようね。小鳥ごっこもね」
「…」
「あのキジトラくん、待ってたらまた遊びに来てくれるかなぁ」
「…」
しかし本当にそのまま会えることはなく、後にも先にもぽんちゃんと遊んでくれたねこのお友だちは、キジトラくんのみ。
「なんだったんだろう。こんなやんちゃなねこと遊んでくれた、あの穏やかで優しいねこさんは」
小さかったぽんちゃんが、ようやく1歳になったお祝いで神さまがくれた、お誕生日のプレゼントだったのでしょうか?

こちらこそ、本当に感謝しています。
良い思い出になりました。
