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USAさんは嬉しそうにまゆさんに絆創膏を持ってきました。
「まゆちゃんバンソコこれでいい?見て見て!こんなに可愛いのー」
「可愛さよりも、傷口をしっかり保護するやつをくれ」
「…女の子っぽくないんだからって思うのは、あたしが古いのよね。で、なんでそんな傷をこさえたの?」
「ん?」
まゆさんは左手の親指付近に、けっこう深めの切り傷を作っていました。
「まゆちゃんって、しょっちゅうケガしてるわよねー、なんで?女の子なんだから…じゃなくて生き物というのはね、ケガには注意しないといけないものなのよ!」
実は、まゆさんはとてもせっかち。
ただの紙なのに、乱暴に扱うからかなんなのか、しょっちゅう手を切っています。
あまりにしょっちゅうやるので、素早く傷をふさげば、裂けた皮膚がつながるのでは…と毎度思ってる様子。
さらにはせっかちが原因で、ドアにもしょっちゅう手を挟んでいます。
なぜ挟んでしまうのかというと、手を引っ込める前に扉を閉めてしまうからなのです。
なんと彼女は、扉を開ける前に入ろうとしたことも…
小学生の頃は彫刻刀を扱う授業の時には必ず手を切ってしまい、保健室のお世話になっていました。
「まゆちゃん、今日は気を付けてね」
「うん」
と、注意されていても。
注意された直後にスパン。
保健室の先生はいつもいるわけではないので、保健係の同級生が手当てしてくれてました。
包丁を扱う時も指を切らないようにすることが優先ではなく、早く切ることが優先なので、毎回刃が爪に当たりボロボロ。
まゆさんにとってはほんと、爪があってよかったと思います。
「もはや馬鹿じゃない。そんなにせっかちに行動して、数秒だけ時間を節約して、何がやりたいわけなのよ?」
「確かに!そこなんだよ!!」
「なによ、いきなり興奮しちゃって」
「あたしもさ、なんでこんなに自分はせっかち何だろうって、考えたりするわけ」
「そうなの?」
「そうだよ、エレベーターを待つのもイライラするし、もちろん信号・電車・レジ等々ぜーんぶ待っている時、イライラすんの」
「いるよね、信号機や電車めがけて走っている人。あれやっちゃいけないのよ」
「家ではPC・携帯・テレビ・エアコンなんかの立ち上げ時間にもイライラするし、レンチンの間もじっと待ってられない。だからその時間を利用して、トイレ入ったりしてる。インスタント麺の3分、5分とかも計ったことない」
「計らないの?」
「お湯入れた後に、飲み物やお箸の準備して、それが終わったら食べるってことにしている」
「へぇ」
USAさんは少しあきれ顔で聞いていました。
続きます