マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

湿潤療法 その1

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マメチュー先生の調剤薬局

USAさんは嬉しそうにまゆさんに絆創膏を持ってきました。

 

「まゆちゃんバンソコこれでいい?見て見て!こんなに可愛いのー」

「可愛さよりも、傷口をしっかり保護するやつをくれ」

 

「…女の子っぽくないんだからって思うのは、あたしが古いのよね。で、なんでそんな傷をこさえたの?」

「ん?」

 

まゆさんは左手の親指付近に、けっこう深めの切り傷を作っていました。

 

「まゆちゃんって、しょっちゅうケガしてるわよねー、なんで?女の子なんだから…じゃなくて生き物というのはね、ケガには注意しないといけないものなのよ!」

 

実は、まゆさんはとてもせっかち。

ただの紙なのに、乱暴に扱うからかなんなのか、しょっちゅう手を切っています。

 

あまりにしょっちゅうやるので、素早く傷をふさげば、裂けた皮膚がつながるのでは…と毎度思ってる様子。

さらにはせっかちが原因で、ドアにもしょっちゅう手を挟んでいます。

なぜ挟んでしまうのかというと、手を引っ込める前に扉を閉めてしまうからなのです。

なんと彼女は、扉を開ける前に入ろうとしたことも…

開けなければ、入れません

小学生の頃は彫刻刀を扱う授業の時には必ず手を切ってしまい、保健室のお世話になっていました。

「まゆちゃん、今日は気を付けてね」

「うん」

と、注意されていても。

注意された直後にスパン。

保健室の先生はいつもいるわけではないので、保健係の同級生が手当てしてくれてました。

 

包丁を扱う時も指を切らないようにすることが優先ではなく、早く切ることが優先なので、毎回刃が爪に当たりボロボロ。

まゆさんにとってはほんと、爪があってよかったと思います。

 

「もはや馬鹿じゃない。そんなにせっかちに行動して、数秒だけ時間を節約して、何がやりたいわけなのよ?」

「確かに!そこなんだよ!!」

 

「なによ、いきなり興奮しちゃって」

「あたしもさ、なんでこんなに自分はせっかち何だろうって、考えたりするわけ」

「そうなの?」

「そうだよ、エレベーターを待つのもイライラするし、もちろん信号・電車・レジ等々ぜーんぶ待っている時、イライラすんの」

「いるよね、信号機や電車めがけて走っている人。あれやっちゃいけないのよ」

 

「家ではPC・携帯・テレビ・エアコンなんかの立ち上げ時間にもイライラするし、レンチンの間もじっと待ってられない。だからその時間を利用して、トイレ入ったりしてる。インスタント麺の3分、5分とかも計ったことない」

「計らないの?」

「お湯入れた後に、飲み物やお箸の準備して、それが終わったら食べるってことにしている」

「へぇ」

 

USAさんは少しあきれ顔で聞いていました。

続きます