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前回のお話
せっかちが原因で指をケガしたというまゆさん。
信号待ち等でも、いちいちイライラ。
なぜそんなにせっかちと思われる行動を、とってしまうのでしょう。
「別にあたしさぁ、時間に追われた生活してないわけよ」
「うん、あたしにもそう見えてる」
「でしょ?せっかちな人の中には、分単位で予定を入れてる人とかいるじゃない?つねに何かやってなきゃ気が済まない人」
「そうね。人の人生だけど、あたしなんかから見ると、毎日大変そうだなって思うわよ」
「あたしもUSAとおんなじこと、思っているわけ。んで、彼らみたいなタイプがせっかちなのはまぁ分かる。けどあたしは常に予定が入っている方が嫌だし、旅行とかだってある程度は決めていても、行き当たりばったり感も面白いと思うわけ。人の遅刻は嫌いだけど、自分が早く待ち合わせ場所に行って、時間まで待っているのは平気。行列に並ぶのも好きじゃないけど、あらかじめ分かってて多少並ぶくらいなら平気」
「そうね、なんとなく分かるわ」
「それでね、ボーっとするのも好きなの。家でゴロゴロしたくなることもあるわけ」
「うん、あたしも」
「心身ともにリラックスはするけれど、有意義とまではいえない時間の過ごし方じゃない?それって」
「まぁ、そうよね」
「でしょ?あたしってさ、このゴロゴロ時間を確保するためだけに、信号さえ待てないのかなって、ふと思うのさ。それってなんなんだろうって」
「やだ、ほんとね、たしかに。数秒時間を節約した結果、家帰ってゴロゴロするんでしょ?イライラするだけ逆に損してない?」
「そうなの。なんでこんなことでいちいちイライラするんだろうって、あたし自身も思ってんの。ストレス溜まるだけ溜めて、身体によくないとすら思ってるわけ。多分さ、自分の意志で時間を無駄に使うのはいいんだけど、そうじゃないものに関しては、どうも嫌みたいなんだよね」
「超自分勝手じゃん」
「あたしもそう思う。将来イライラを我慢できず、人に当たり散らす超ウザおばさんとして、近所の子どもに嫌われてそう」
「今のまゆちゃんよりもってこと?それは怖いわ」
「で、そんなあたしはね。開けにくい封筒とかお弁当のフィルムとか、包装紙とかサランラップとかも嫌いなわけ。すぐイライラするわけ。綺麗に開けようとか思わないわけ。そんで同じように開けにくい段ボールが今日の朝、家に届いてね」
「いよいよ怪我の理由につながるわけね」
「そう。その段ボールを開けるために、カッターを準備したのさ」
「何それ。今までの話からすると、嫌な予感しかしない」
まゆさん、段ボールが開かなくてイライラ。
早く開けたくて仕方ありません。
イライラがMAXに達し、きれいに開けよう、安全に開けようという考えが、どこかに吹っ飛んでいます。
「こわいのよ、こわいのよ、まゆちゃん。なんでそうなるのよ。もう早くそのカッターの傷を手当して!ほら、傷と言えば消毒薬」
その時、マメチュー先生がUSAさんの手から消毒薬を取り上げました。
「え?マメチュー先生?」
続きます
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