マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ねこのお留守番 その2

 前回のお話

まゆさんから夕方まで”お留守番しててね”と言われているにゃこさんですが、寂しくて仕方がないようです。

再びひとりぼっちでポ村を歩いています。

もう帰っているかなと思い家に様子を見に行ったら、まゆさんの姿が見当たらなかったのです。


仕方ない。

今はまだ、まゆさんが帰ると言っていた夕方ではありませんから。


「にゃこー!」

「…」

声をかけてきたのは農家を営むケイヒさん。


「なんだよ、元気ないじゃん」


声をかけてくれたケイヒさんには反応せず、にゃこさんは目についた木の上に、またもやよじ登ろうとします。

そこからマリオのジュゲムみたいに雲の上に乗っかって、まゆさんの元に行こうと思っているのです。

「なにしてんだよ。ねこって言ったって危ないぞ。高い所に登って降りられなくなったねことかの映像、よく見るんだから俺」

「なにするんにゃのよ」

「いやだからさ、危ないんだって」

にゃこさんはトウキさんに続いて、ケイヒさんにまで止められてしまいます。

「??分からないにゃ。なんでだめにゃのよ。さっきからみんな邪魔ばかりするにゃわ。嫌いにゃわ」


「そんなこと言うなよ。あ、ほら見ろ。タオル買って来たんだ。これ、ふかふかだぞ。こっち乗っかってみろよ」


たしかにねこさんたちが興味を持つタイプの、ふかふかしたタオル。

それいいにゃにゃいっ

ケイヒさんはその買ったばかりの新品のタオルを、にゃこさんに使わせようとしてくれています。

まゆちゃんとこ、行くのにゃ

ねこさんは何を言われても、自分が今やりたいと思ったことがやりたいのです。


「おいにゃこー。危ないってー」


”えっと、にゃこはいつもマメチュー先生のところにいるよな。あそこの薬局の子なんだよな”


ケイヒさん、実はまゆさんの存在を知りません。
薬局には直接出向くことはなく、いつもマメチュー先生に訪問してもらっているからです。

「お前がケガしたら、マメチュー先生が悲しむぞー」


「マメが?」


”まゆちゃんじゃなくて、マメだけ?”

「なんだよ、泣くなよ。困ったやつだなぁ。ちょうどいいから、タオルで涙拭けな?ほら、じゃあもう降りるか?」


実は高い所があまり得意ではないケイヒさん。


木の上からにゃこさんを降ろしたいのですが、怖くてできません。


「えっと踏み台とかないかな」


にゃこさんを降ろすために使えそうな何かを探すため、きょろきょろしています。

ねこさんにとっては、人間自体が踏台
にゃこさんひとり、走り去る

「びっくりした。にゃこ降りれたんだな」

とててててて。

にゃこさんはケイヒさんを置いて、どんどん走り去っていきます。


「どこ行くんだよー。ケガとか大丈夫だったかー?」

続きます