前回のお話
まゆさんから夕方まで”お留守番しててね”と言われているにゃこさん。
でも長い間ひとりぼっちで、寂しくて仕方がないようです。
「おい、ねこ。なにしてんだ」
彼は、都会の方で勤めていますが、マメチュー先生に用事があるときにポ村を訪れます。
「うっうっ」
「なんだよ、泣いてんのか?よし!泣いている原因くらいは聞いてやろう」
「まっまゆちゃんがっ。にゃこをっ。マメでっ」
にゃこさんは、一緒に住むまゆさんに留守番を頼まれたこと。
でも本当は、にゃこさんを置いていってしまって寂しい事。
ケガしても心配してくれるのはまゆさんではなく、マメチュー先生だけであることをつっかえつっかえ時間をかけながら説明しました。
イチイさんは静かに聞いてくれています。
全て話し終えた後、にゃこさんの頭を撫でたと思ったら…
「ちっちぇこと言ってんなよ」
「にゃにゃ?」
「大人の男だろ」
「にゃ、にゃこさん大人の男にゃけど」
「大人の男も、大人の女も、大人のねこも小せぇこと言うな」
「にゃ…」
「夕方まで留守番していてくれって言われたんだろ?」
「そうにゃけど」
「だったら留守番任せてよかったなって、思わせてやれよ。頼りになるんだなって思わせろ。それが大人だぞ。そのまゆちゃんとやらを、安心させてやれ」
「にゃ。そっか。そうにゃよね」
「そうそう。それにな、もうすぐお待ちかねの夕方だぞ」
「にゃ!夕方にゃの?分かったにゃ。にゃこさんちゃんとお留守番するにゃ。大人のねこさんにゃ」
「そっか。じゃな。しっかりやれよ」
にゃこさんは家でまゆさんの帰りを待つため、自宅に向かって走っていきました。
「にゃふー、ついたにゃぁ」
自宅に辿り着いたにゃこさん、玄関前でまゆさんを待機。
その時。
「にゃにゃ!?」
にゃこさんは、人影に気が付きました。
続きます