マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

医薬情報担当者 その3

前回のお話

マメチュー先生の薬局に、おしゃべりなMR(医薬情報担当者)ペモリンさんがやってきました。
このあとは、内科医くまじろ先生の所にいくのだそうです。
一方マメチュー先生は朝一で薬を取りに来ると言っていたきのこさんが、お昼になっても姿を現さないため、心配になりご自宅に電話をしてみることに…

「マメチュー先生、どうでした?」

マメチュー先生は静かに首を振っています。
おうちに連絡したところ、誰も出なかったようです。

携帯電話は持っていないきのこさん。
一体どうしたのでしょう。

電話に出られないくらい、具合が悪くなっている?

鳥居の結界を破って、ポ村に入り込んできた悪しきものに何かされた?

それとも?


マメチュー先生が言うにはペモリンさんが出ていく際に、きのこさんについて色々と予想をしていってくれていたようです。

「来る途中に転んで、ケガをしているかもしれませんわね。高齢者の方ってそういう事故多いですものね。
もしかしたらガスを止め忘れて家が大火事になって…」

ええぇぇぇ?








ペモリンさん、きのこさんと井戸端会議

「うちは旦那の血圧が全然下がらなくて。上も下もよ」
「大変」

「関係ないけど、うちの子は上の子も下の子も低血圧なのよ」
「関係ないでいったら昔”後ろから前からどうぞ”って歌あったわよね」

「なんですの?それ。あ!」
「なに?どうしたの?」

「変なお話するものだから思い出しましたわ。そういえばきのこさん、マメチュー先生の所にお薬とりに行くのではなかったのですか?」


「そうだわ。確かにあなたさっき、そう言ってたじゃない」
「いやだ。私ったら、行こうと思って家を出てきたのに、お話してたら忘れちゃってたわ」
「忘れたと言えば、わたしもくまじろ先生の所に行くところでしたのよ」
「ふたりとも早く行かないと。でも朝からおしゃべりしていたから、お腹すいちゃったわね」


「だってもうお昼すぎてるもの」
「そうなの?どうりで」
「今おまんじゅうあるんだけど食べていく?」
「あら?」

「ごめんなさい。年を取るとすぐにやろうとしていたこと忘れちゃうのよね」

兎にも角にも、きのこさんが無事でほっとするマメチュー先生。
物忘れしがちな年代。

他のことに夢中になると、大事なことですら忘れてしまうもののようです。

「マメチュー先生、今日はごめんなさいね」
「いいえ。でも心配しました」

ふとマメチュー先生は朝、ペモリンさんが去り際に言っていたことを思い出しました。

「おばあさんと言えば、大概がおしゃべりが好きじゃありません?きっと、村のお友だちとばったり会っておしゃべりに夢中になっているんだと思いますわ。あたしの直感、あたるんですのよ」

そう話していたペモリンさんですが、どうやら率先して彼女がおしゃべりしていたようです。

ついしゃべっちゃう