マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

集団心理 その3

前回のお話

まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。
最近USAさんは、ポ村の雰囲気につかり過ぎて、都会のある部分に怯えるようになったそうです。


お話し中、まゆさんは突然ー。

都会にいる人々も同じように、駅構内で喧嘩中の人間を見ても”邪魔だな”くらいに、感じているのだろう。

「あっ、なんでこんなの出すのにゃ!」
「にゃこちゃん?」

お掃除中のまゆさん、ついでにキャリーバッグを出しています。
にゃこさんは、そのキャリバをジッと見つめている。

大抵病院に連れていかれるときは、にゃこさんもキャリーバックに入れられます。
そのため、危険を感じたらしい。

「にゃこ、お医者はいやにゃて!」

「今日じゃないよ。明日ね。ただの定期健診」
「テイキケンシンてなんにゃの?むつかしい言葉つかってにゃこさん、分からないにゃにゃい!」
「大丈夫、今回のお医者は女医だから」

「女医にゃの?」
「そう、女医」
「女医!いいにゃにゃい!女医いいにゃにゃいっ!!いつ女医のとこ行くにゃの?」
「だから明日だって」

「女医かぁ。ピリピリして怒鳴りあっている男たちの前に女医を投入したら、イライラも少しは解消されるんだろうなぁ」

駅構内にたまたま落ちてた女医

「USAは特に人が多い所に行くからそんなこと思うんじゃない?繁華街だって少し道をそれると人が閑散としてたりするし」


「そうなのよね。駅周辺はあんなに人が多くて酔っちゃうほどだったのに、一歩路地に入ると途端にひと気がなくなるの。それがまた怖い」

「なんで?歩きやすくていいじゃん」
「人が多いとピリピリする反面、安心するとこもあんのよ」


ひと気のない通り。
急に異世界に入り込んでしまったのではという感覚。


背後の闇の中から異形の者でも現れるんじゃないかという恐怖。


都会のちょっと苦手な部分。

なんでだろう、ただの道なのに

「雪の日とかに転んでも、だれも気にかけてくれない」
「それは気にかけられなくていいんだけど」

「え?そう?あたし”えへへ。やっちゃった”みたいにやりたいんだけどな」
「”転んじゃったねっ”て同調して欲しいわけ?」
「うん、してほしい」

「あーおいしかったぁ」
「腹いっぱい」
「いっぱいにゃ」


まゆさんたちは夕食後、まったりと寛いでいました。

「そういえば、あたしねー。昔、実家に住んでいた時にさ、帰りが終電になったことがあったのね」
「USAん家、まぁまぁ都会だっけ?」


「うーん、何にもない町だけど、人だけはそこそこは住んでる」


駅前の大通り。
そこには人通りも車通りも多い、一番賑やかな踏切がある。

続きます