です。

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ねこさんが我慢出来ないもの

まだまだ新人ですが、薬剤師として患者さんを、先輩薬剤師をしっかり観察するパゴロウさん。


足の悪い患者さんは、こちらに呼び出すのではなく、ボクの方からお席にお伺いに行って…


目の悪い患者さんには、読みやすいように薬袋に大きく書いてあげて…と。



パゴロウさん、今日もマメチュー先生を見習ってお仕事です。

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そんな中、棚の隙間からにゃこさんのしっぽがちょろちょろ見えています。


にゃこさんもパゴロウさんの事を観察中。


“にゃこさんのことが苦手なひと。


急にあらわれたりすると、とっても驚くにゃ”




薬局に置いてある絵本を何気なく手に取ったパゴロウさんは、猫の絵が出てきたので慌てて閉じる。


「ふぅ」


やっぱり相変わらず怖いです。



パゴロウさんが驚いた猫の絵。

それは不思議な国のアリスに出て来るチェシャ猫。



あの高い所からこちらを見下ろし、ニヤニヤと笑っている猫。



子供の頃、初めてチェシャ猫を見たときの衝撃を思い出します。


「…!!!こわいぃっ!」


ニヤニヤした口元、そしてあの目。


目をつぶっても焼き付いてしまう、あの不気味な姿。


パゴロウさんのねこのイメージ=チェシャ猫



お昼休み

パゴロウさんはまた、ねこさんのお勉強をすることにしました。


「ふんふん、ねこさんは高い所が好きなんだ」


だからチェシャ猫は、木の上にいたのかな。


なんで高所が好きなんだろう…


「えっと…外敵に襲われにくく、見つかりづらい木の上などを好む…か」


ふうん。


ってことはニヤニヤと余裕しゃくしゃくみたいな顔をしていたチェシャ猫だけど、それは安心出来る高い所にいて気が大きくなっていたからなのかもしれない。



“黒猫が横切ると不吉なことが起きるよ”


猫嫌いを助長してしまうような迷信。


そういう迷信を、幼い頃は何となく信じてしまいます。


幼い友だちたちも同様に信じているので、尚更黒猫…猫たちを恐ろしいものだと思ってしまう。





「目が恐い!目が恐いっ!」


「ん?」

まゆさんのわめき声が聞こえます。



声の方を振り向くと、まゆさんとUSAさんがこちらに走って来るのが見える。


「どうしたんですか?」


どうやらお二人は、村長の元から逃げてきたようです。


「村長の目が…」



まゆさん・USAさんは村長の目が恐いと怯えています。



そうかな?


自分が怖いと思わないものを人が怖がっているのを見るのは、なんか不思議です。


まゆさんとUSAさんは、村長から普段の素行を監視されています。


村長は二人を薬剤師・調剤事務としてしっかり教育していきたい…どうもそう感じているみたいです。


ボクから見たらお二人は頼りになる先輩なのに…

ポ村の村長から見ると、なぜだか違うみたいです。



「全く、今日うちら休みだってのに」


「何してたって良いじゃないのよね~」


「はは…」



「きみは何読んでんの?ねこの雑学の本?」


「黒猫が横切ると不吉?
やぁだパゴちゃん、そんなこと信じてるの?」



「あっいえ…」


「黒猫にそんなチカラあるわけないじゃん。

あいつらはただただ、可愛いくらいしか取り柄がないんだから…

黒猫ってのは単純にそれだけの存在。でもそれだけあれば十分」



「そうよねぇ。
それにもしそんなチカラがあったら大変よ?

だってもし、まゆちゃんに対して気に入らない事をしようものなら…」


“呪ったろかぁ~!”


おそらく大量の黒猫を抱えて全速力で走って来る。

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「黒猫イコール不吉ってのは、外国のイメージらしいよ。魔女の存在を信じていた国とかの。

魔女って言ったら黒猫とセットだからね。

日本では福猫って言って、むしろ黒猫は縁起が良いとされてたのに、外国の黒猫のイメージがいつの間にか上書きされちゃったんだろうね」


「へぇ~」


「黒猫…縁起がよかったんですか…」


「だから無駄に怯えるな。

ぎゃっ!出たっ!!また村長だっ!」


「やだっ!逃げなきゃっ」


「ほらっ、行くよっ!」


「え?ええっ?」


まゆさんに促されて、一緒に逃げるパゴロウさん。





その一連の様子を、ジッとずっと物影から見ていたねこさんがいました。


そのねこさんは、パゴロウさんに見つからないように隠れていたのに…


ウズウズウズ…


ひとが逃げていく姿を見ると、つい追いかけたくなります。

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ねこのにゃこさん、突然現れパゴロウさんを追跡。


「捕まえたんにゃし~!」

「うわわわあぁっ!」


逃げるものを追いかける。


それが猫の業です…



「こらにゃこっ!
どっから出たっ?何してんの?」



「にゃってにゃって…

どうしても捕まえたいんにゃものっ」


「わあああぁ~!」


「仕方がない…」


まゆさんは、にゃこさんに罠を仕掛けます。


再び恐ろしきねこの業…


輪っかにした紐を、まゆさんはにゃこさんの方に投げつける。


「にゃも?」


ねこさんはその輪の中に入らずにはいられない。



このなんて事のない紐は“ねこさんホイホイ”です。


自分の自由がきかなくなるほど、猫が入りたくて仕方がなくなるという恐ろしい輪っか。


ねこ転送装置ともいうらしいです。

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美味しいご飯をくれる家から、もっと美味しいご飯をくれる家にワープ…

そんな夢を見て輪の中に入るのでしょうか?



転送装置を使用して、ねこ森町に行こうとしているねこさんもいるかもしれません。



世の中のねこさんたちは様々な夢を見ながら、まるでブラックホールに吸い寄せられるように、輪っかの中に入ってはいきます。


「どうしたことにゃ!?にゃこさんの身体が勝手に」



にゃこさんに追いかけられていたパゴロウさんは、輪っかの中で寛ぎだすにゃこさんを、ぼんやりと見つめています。


ねこさんは基本的に、こんな風に囲まれた狭いところが好きです。


囲まれた所を見ると、その中に入らずにはいられないねこさん。


「ねこさんってこんな輪っかが好きなんだ…」


「狭い所は安心すんだろうね。
あと、猫が狙う獲物がよく狭い所に入り込むから、つい入りたくなるみたい」


「そうなんですね」


ねこさんは敵に狙われる事が少ない高い所が好き。


そして狭い所も好き。


勉強になりました。


「まゆさん、USAさんそろそろボク、仕事に戻りますね」


「あ、そっか。ごめんごめん」


「でも今日はねこさんと一緒にいてちょっと…

ちょっとだけど楽しいなって思いました」


「え?ホント?」

「はい」


「そう」

嬉しそうにしてくれているまゆさん。


“楽しい”
と思えたのは、まゆさんやUSAさんと一緒にいたから…


チェシャ猫や黒猫の怖いイメージが、ちょっと抜けているねこさんのイメージに上書きされていくのを感じます。 


それに“怖いっ”そう思うねこさんがいても…


ねこさんホイホイを持っていれば、少し安心出来ることを知りました。