マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

低体温

ポ村では未だ、新型コロナの感染者は0です。



そのためこのまま感染者を出さないよう、村長が毎日のように目を光らせています。




その一方で…。




「たまには気分転換したいよー!」



そんな思いを爆発させているUSAさん。



短い間だけでも、ポ村を抜け出して都会に遊びに行きたい。
 

行くのよ!


というわけで…




「きゃはぁ、都会だぁ。
華やかだぁ」



久しぶりの都会への外出。


USAさんの目には、とても華やかに見える都会のお店。



ですがポ村とは違って都会のお店は入店する前に、熱をはかられる事があります。



「テレビで見て知ってたけど、ホントに熱はかるのね。

でも暑い日だったら37℃位、普通にいっちゃうんじゃないかな?

…熱があったら、やっぱり入れて貰えないのよね。

大丈夫よね?あたし。

わざわざ遊びに来たのに、帰らされることなんて…

無くはなさそー。

都会で暮らすって大変よねぇ。

でも。

熱に関係なく、おなかにうんち溜めた便秘女は、入店可してもいいのよね?」



余計な心配をしていたら、USAさんに体温測定の順番が回ってきました。



“ピッ!”



「35.1℃です」




「あたしってめっちゃ低体温じゃない?」

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「にゃこちゃん、あったまらせてー」

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まゆさん宅に遊びに来たUSAさんは、低体温の話をし始めました。



「ねぇ、まゆちゃん!

なんであたしは便秘なの?
なんであたしは低体温なの?

なんでにゃこちゃんばっかり、あったかいのー?」




「USAは相変わらず、元気にゃね」



「そうだねー」



「ちょっと聞いてる?

あたし35.1℃。

低体温で死んじゃうかもよ?」




「低体温ね…。

あのさ、あんたの便秘だけどさ。

原因その低体温じゃない?」




「な、なんですって!?」



【低体温】
理想の体温は36.5ー37℃と言われています。

自分の平熱を測りたい場合は、3日間ほどの朝昼晩の体温を測ってその平均を出します。

日本人の平均体温は、昔に比べ徐々に低くなってきているそうです。

体温が低いと冷え症、便秘になりやすくなります。

血流の流れも悪くなり、免疫力も下がります。

代謝も下がるため、太りやすくもなります。

ウイルス、細菌にも負けやすい身体になり、新型コロナにも罹りやすくなってしまいます。




「え?なにそれ?
平熱なんて気にしたこと無かったけど、低体温ってそんなに身体に悪いことばっかり起こるの?

都会に不用意に出掛けていったら、ウイルス貰ってきちゃう可能性が高いって事?」

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「村長に目ぇ付けられないように、気を付けるこったな。

でさ、USA。

その細腕に、もうちょっと筋肉付ければ多少体温上がるんじゃないの?」



「筋肉?えぇ?イヤよぉ。
ムキっとするのは…」

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「ムキっとするまで、やれとは言ってないよ。

あとさ、風呂入って無いでしょ?」



「何よそれ、失礼ね。
ちゃんと入ってるわよ」



「いや、湯船につかってるかって話」



「ああ、湯船?
確かにつかってない。

うちユニットバスだからさ。
なかなか難しいのよ。お湯をはるの」




「……。
それでも出来れば湯船につかって。

ジムにも行って体を動かしてさ」




「ジム?湯船?なにそれ無理っ!
貧乏いやあぁぁー!」



「USA元気にゃ」



「あのねー!
湯船につかれる位の家借りるなんて、アタシには無理っ。

食費も便秘のせいで節約出来ないし。

お金を持ってないと、健康も手に入らないのー!?」

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「無駄遣いしてるからでしょ…

夜の店でも紹介したろか?」



「まゆちゃんにそんなツテ無いでしょ?

ああぁ…

低体温じゃない人には……。
便秘じゃない人には、必要のないこの悩み…。

なんでみんなはただでうんちしてるのに、あたしは体温上昇、プラス便秘解消のために大枚はたかなきゃいけないの?」



「USA…
うんちするのにオカネいるにゃの?」




「そうよっ、いるのよっ!
んん~もうっ!このおなかめっ」


イライラしたUSAさん、思わず自分のおなかをパンチ。

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「全くもう!落ち着け、お前は。

じゃあ、ジムなんて行かんでも、その辺でウオーキングすりゃいいよ。

外を歩いて、少しはストレス発散しなよ」




「おさんぽ?

にゃこも一緒にしたるにゃよ」




「あとは体温あげるために白湯を飲んだり、カイロ持って身体を冷やさないようにしたりしてさ。

めんどくさくてもさ。

知ってる?

体温あげれば、アンチエイジングにもなるんだよ」




「そうなの?
まぁ、白湯を飲むとか、カイロ持ち歩くくらいなら…」



「そうだ、USA。

ナメ江んとこ行かない?」



「三すくみ?」



「あの店ネギ、シソ、にんにく、生姜とか薬味が充実してんじゃん。

あれ身体あったまるよ」



「あっ…それ良いかも」




「今日は奢ったげるよ。特別に」




「うそっいいの?

お誕生日でもないのに」

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「ナメちゃん。体温上げてー!」


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「ハイ、オ二人。

オ野菜タップリ、健康オ鍋デスヨ」



「相変わらずおいしそう」



「薬味たんと入れて食え」



「にゃこさんニハ、鶏肉ヲ用意シテマス」



「にゃ!」



「ナメちゃん。
ちょっとだけ熱燗もらっても良い?」



「結局、食事を本気で楽しむだけの女…」



すっかり身体があたたまったUSAさん。


鬱々としたストレスも解消された様子。



どうやら、ようやく便秘も治ったようです。