秋のポ村をぶらぶらと歩いている女性が…
てんまさんのようです。
「夏の暑過ぎる空気なんて別に好きじゃないのに、涼しくなると寂しさを感じてしまう…」
何で秋って寂しくなるんだろう。
そばに誰かがいてくれないと寂しいよ…
急にてんまさんは、猛然と走り出す。
「捕まえたっ!!」
まゆさんとにゃこさんの代わりに大木を抱き締めている、日曜日の午後のてんまさん。
「まゆちゃんもにゃこちゃんも、こんなに硬くないっ!」
可哀相な大木は、孤独なてんまさんにポカンと八つ当たりで叩かれていました。
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うんこワールドに入り込んでしまった…
と、いつも思うケイヒさん。
「うえっ、誰だよ!
こんな所にしたの!
どこにあるんだ?!」
どこにもブツはないのに、強烈に漂ってくる悪臭。
歩いても歩いても、なぜだかうんこの匂いがずっとつきまとう…
抜け出せぬ、うんこの世界。
「た~す~け~て~」
銀杏の種子というのは、9月から11月頃に収穫が出来ます。
「ケイヒさん、銀杏楽しみですね」
「えっ?ああ、そうですね!」
すっかり肌寒くなったポ村の11月。
今日は三すくみの人たちのお手伝いをするため、マメチュー先生とケイヒさんは一緒に銀杏拾いをしています。
「オ二人共、イツモ有難ウゴザイマス」
「いえいえ」
銀杏拾いは、マメチュー先生の秋の楽しみの一つです。
にゃこさんも来ていますが、チョロチョロと見学中。
みんなが何かをしている姿を、見に来たいのです。
「ケイヒさん、イチョウ並木とてもきれいですね~」
「先生嬉しそうだなぁ」
「そうですか?
何だかお恥ずかしい…」
にゃこさんは“テテテテ”と二人のまわりを、イチョウの葉っぱを踏みながら遊んでいます。
銀杏拾いなんてホントは大変なだけなのに…
いつもこの時期になるとウキウキしてしまう。
秋を感じられる行事って、なんかすごく楽しい!
マメチュー先生が言うようにイチョウ並木は本当にきれいだし、落ちてる銀杏は食料にもなる。
観賞用の桜も、食べられるサクランボが実ればいいのに…
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秋の気持ちのいい日曜日のお昼。
やっぱり秋は食欲がわくし、好きなものをたくさん食べたくなります。
そんな幸せ気分になるはずだった昼食後…
もち三さんは気分が悪くなってしまいます。
やっぱり食べ過ぎてしまったのだろうか…
あんな小さいもの…
あれをどのくらい食べたかは、把握出来ていない。
吐き気止めの薬…
買っておけばよかった…
つらい……。
薬買って飲まなきゃ…
もち三さんはイチョウの葉が舞う中、マメチュー先生のお店に薬を買いに行こうとしていました。
日曜日なのでお店がやっていないのは分かっているのですが、マメチュー先生に会えれば何とかなると思ったのです。
でもこの吐き気。
ちょっと普通じゃない気がする。
やっぱり食べ過ぎ?
バタンッ!
もち三さんはマメクスリカフェに向かう途中で、歩くことが出来ず倒れてしまいました。
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銀杏拾いは、三すくみの人たちのお手伝いをするために毎年行っています。
お礼にお店で銀杏を食べさせて貰えるのです。
ケイヒさんはそばではしゃいでいるにゃこさんに、注意を促します。
「お前気を付けろ!
銀杏踏むなよ」
「にゃ?」
「銀杏踏むと、うんこ踏んだ奴だって思われるぞ」
「にゃっ!!」
「あだ名付けられるぞ」
「にゃきゃきゃっ!」
にゃこさんは思わずケイヒさんにしがみつきます。
「イチョウって奴はまな板にも使用されているし、水分が豊富に含まれているから防火林にもなる。
なのにこの凶悪なほどにクサいという、マイナス要素を持っている。
これ何とかならんのかね…」
銀杏を踏んだりしたら、うんこ踏んだ人みたいになって、だいぶ恥ずかしい思いをしなきゃならない。
小学生の頃に踏んだりしたら、確実に学校で屈辱的なあだ名をつけられる。
子供に言い訳なんて通用しない!
惨めなあだ名を回避する事は出来ない。
銀杏踏んだら、もう決定なんだ!これは!
“うんこ味のカレーと、カレー味のうんこ…
どっちがいい?”
うんこと言えば、思い出すのがこれ…
小学生の頃に聞かれた下らない質問。
“どっちも嫌だよ”
“どっちか選ばなきゃ死ぬぞ!”
そう言って無理やり答えさせられる。
何で死ぬんだよ…
小学生の頃は何であんなに日常会話だというのに、日常とかけ離れた会話ばかりしていたんだ…
“いつおれがそんな質問したってんだよ!
何時何分何十秒!?
地球が何回回った時!!?”
いや、知らねぇけど…
小学生相手には言い訳が通用しないが、人に通用しない言い訳も平気でしてくる。
小学生が言う悪口もよく分からない。
“お前の母ちゃんでべそ”ってなんだよ。
実際うちの母ちゃんの欠点は、でべそ所じゃねえからなっ!
ほとんどのうちの母ちゃんがそうだろう?
母ちゃんの一番の欠点が、でべそ何かですむわけがない。
ってかさ、カレー味のうんこって要はうんこなんじゃないの?
どんなに一流の料理人が上手く味付けしてくれてたって、うんこは食いたくねぇよ、俺。
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秋の肌寒さに
寂しさを感じていたてんまさんは
「会いに行っちゃえばいいじゃん」
という事でまゆさん宅を目指していました。
“用もないのには来んなっ!”
って言われちゃうかもっ!きゃっ!
まゆさんのリアクションを想像しながら“予想は当たるかな?”などと思いつつ歩いていたところ、前方に誰かが倒れているのを発見します。
てんまさんはびっくりして、慌てて駆け寄ります。
「どうされました?」
次回へ続きます