マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

町の治安 その2

前回のお話
宅配などを頼んでいないのに、呼び鈴をしつこくならしてくる人が家の前にいる。
何やら異常な感じがしたので、どんな人間なのか興味がわき、ドアスコープから覗いて見ることにしました。

何者?
!!

その人はドアスコープから顔が見えないよう頭を下げており、そのせいでつむじだけが見えていました。


「こわっ」
と思いつつも。


顔見たい。
お前何者だ?

と思っていたので、しばらくドアスコープから覗いてみる。

こいつも十分不気味野郎

その人はいつまでたっても、顔を上げることはありませんでした。

(なんなの?)


結局こちらが先に根負けし”もういいや”とその場を立ち去ることにしました。


…が、気になる!

少しして…
もう一度覗いてみる。

正体見せろや

するとちょうど立ち去っていく姿が見えました。


その人物の情報としては
”男性”
”ふさふさ黒々とした髪の毛、後ろ姿を見る限り、おそらく若い”
”作業服等を着ているわけではない”くらい。


結局何だったのか分かりません。
知り合いでもないと思います。

その後、二度と現れることもありませんでした。

 

ドアスコープといえば、他にもドキリとした出来事が…

私が一人で住んでいるマンションの両隣の部屋の住人。
ポいもはどなたが住んでいるのか、把握していません。
(不動産屋さんにこの地域では、近隣の人に挨拶する風習は無いと言われていたので、お目に掛かったことがないのです)


ある休日の夜9時過ぎ。

“ガンガンガン”

「なに?」

“ガンガンガンガン”


テレビを見ていたら、突然家のドアを叩く音が聞こえました。
うちにはインターホンがあるのに。

なぜかドアの外にいる人物は、我が家の扉を叩いている。

「何なの?こんな時間に」
気味が悪くて扉は開けずに、気配を消しながらまたもドアスコープを覗いてみる。


そこには見たことがない、小太りの中年男性が立っていました。
その中年男性は、上半身は肌着・下半身はドアスコープ越しでよく見えなかったのですが、トランクスのみを履いているように見えました。
そして左手には何かを握りしめている。

「何だろう、あれ。持っているというより、握りしめている」

“小型のナイフ、とかじゃないよね”

最近、物騒な事件が多いので、思わずそんな風に見えてしまう。


するとその中年男性、扉の前でいきなり喋り始めました。

ポいもは扉を開けず、気配も押し殺し、居留守を決め込んでいたのに、何で喋り始めたの?
っていうかこの人、隣の人なの?

「ちょっと聞きたいことがありまして」

“聞きたいこと?隣人が?苦情じゃ無くて?マンションのことで聞きたいことがあれば、管理会社に聞けば良いじゃん“


さすがに怖過ぎてそのまま息を潜め、扉を開けずにいたら立ち去ってくれたのですが、隣に住んでいるという割には、部屋に帰って行ったような物音は聞こえない。

その時、扉近くにいたので部屋に戻ったのなら、扉を閉める音が確実に聞こえるはずなのです。
何しろ思いっきり警戒していたポいもは、様子を伺うように耳を澄ませていたのですから。

でも中年男性が階段の方には向かわなかったことは、ドアスコープ越しに確認している。


一体、彼はどこに行ったのでしょう。

他の部屋にも“聞きたいこと”を訪ねているようには思えませんでした。


当時、私は部屋の両隣に住人が帰っているかどうか等、全く分かっていなかったのですが、彼は私が確実に部屋にいると分かっていて、ドア越しに話しかけてきたのでしょうか。


こちらもその後、会うことが無かったので本当に隣人なのか、そして何をききたかったのか…
色々不明のままになっております。


さて、もう一つ不明なこと。
我が家のマンションの1階には住民用のポストがあります。

そこはもちろん寛ぐところではありません。
高級マンションにあるようなラウンジなど、うちのマンションには無いのです。


なのにたまにそこでジッと立っている人がいます。

その人は身長150センチそこそこで、細身、そしてなかなかの長髪でした。

長い髪の毛が顔にかかっているため、どのような顔立ちなのかはわかりません。


しかしその方は、女性ではなく男性でした。
細身で小柄ですが、女性にしては明らかに体型がごつごつしています。

印象的には若くもなく、年寄りでもなく、30代くらいの人物のように見えます。

顔は見えなくても、男性にしては小さく、とっても細身で長髪。
そのため一発で記憶できる、そんな特徴的な容貌でした。


その彼が、ここの住人なのかどうかは分かりません。

ポスト前はほんとにポストしかないので、住民であればそこでスマホを見ているよりは早く家に帰った方がいいはずの場所です。
なのに帰らずポスト前で、スマホを見ている。


彼がそこにいる理由は分かりませんが、その日以降も何度か同じ場所で彼を見かけるようになりました。

ちょっと意図が分からず、申し訳ないけれど”気味悪い人だな。目撃しているだろう他の住民たちは、どう思っているんだろう”等と感じていました。

なので、ポスト前にいる彼の存在をマンションに入る前で確認すると”近所のスーパーによってから帰ろうかな”と時間をおいて、彼が立ち去るのを待ってから帰るようになりました。

でも残念ながらスーパーによってからマンションに帰っても、彼は相変わらず同じ場所に立っているのです。

いつも同じ服、同じ体勢

続きます