「くしゃんっ」
花粉がはしゃぎ回る季節が、今年もやってきました。
花粉症のケイヒさんは症状を抑えるため、いつも強めの薬を服用しています。
ただ今日は車を運転する必要があったので、眠くならないタイプのアレルギー薬を服用。
その分、効き目は弱くなってしまいます。
「くしゃんっ」
なのでこうして多少くしゃみが出てしまう。
「あー…ぐずぐず…
くしゃみ疲れる~」
そんなケイヒさんの前に、丸っこい何かが…
「ん?あれ…
セラピーキャットさん」
セラピーキャットの制服を着たにゃこさんが、ケイヒさんの前で仁王立ちをしていました。
「何してんの?仕事?」
「くしゃんっ」
「にゃ!」
にゃこさんは、くしゃみをするケイヒさんの手を強引に引く。
「なっなに?」
「くしゃみしてるにゃにゃいっ」
にゃこさんはくしゃみをしている音をキャッチしたため、ケイヒさんの元にやって来たようです。
「ああ…俺、花粉…」
「風邪をひいたんにゃしょ?
にゃこさん分かってるにゃ」
にゃこさんにはくしゃみの違いなど分かりません。
それはにゃこさんだけではなく、世間の人々も同じ。
なので花粉症の人は新型コロナ等と勘違いされないよう“花粉症です”というアピールするためのグッズを身に付けたりしているそうです。
「風邪の時は、ちゃんと休まないといけないにゃしょ!」
「いや、にゃこ俺…」
「ほら、寝るにゃ」
にゃこさんは草むらの上に、ケイヒさんを寝かせようとしています。
「ここで?」
まだまだセラピーキャットとして、研修中のにゃこさん。
成長するまでは優しく見守る義務を課された、ポ村の住民たち。
仁王立ちでにゃこさんに見張られ、仕方なく寝てみせるケイヒさん。
せっかく今日は、眠くならないタイプの薬を飲んだのに…
「風邪の時はよく寝るのがイチバンにゃと、にゃこさん聞いとりますにゃ」
にゃこさんは満足げに、寝ているケイヒさんを見守っています。
ポ村の春の昼下がり。
ケイヒさんとにゃこさんは仲良くお昼寝です。
「くしゃんっ」
ぐずぐず…