マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ほんとにあったひっちゃかめっちゃかな店 その2

前回のお話

もち三さんは職場から近い、提供の早さが売りの飲食店にランチをしに来ていました。

13時から会議なので、それまでに会社に戻りたいのですが、その日は初めてみるパートのおばさんが焦りながら仕事をしている。


「なかなか注文の品、来そうも無いなぁ。でも店内のお客さんは5人ほどだから、大丈夫か」

時間をちらちら気にしながら、そんな風に思っていたもち三さん。


彼が入店した後にも、お客さんはちらほらと入ってきています。


中には、やたらと綺麗な女性のお客さんもいました。

人のことなのに、つい“他のお店に行けばいいのに“などと余計な思いが頭を掠めます。


その時、店内に機械音が鳴り響く。


音の方を確認してみると、フードデリバリーサービスの配達員の方がいらっしゃいました。


「ああ、そうか。今時は店内にいる客だけが、注文を待っているわけでは無いのか」


しかも配達員の注文の品も、できていない様子。


徐々に削られていく、長いとは言えないもち三さんの、ランチの時間。


「大丈夫じゃ無いかもしれない」


配達員の方もそのまま15分ほど、待たされていました。

“デリバリーさん。出来ましたよ“


「ようやく配達員の人の分ができたのか。じゃあ、私の番は…次の次、くらいかな?」


順番が少しずつ近づいてくるのを感じると、不安な気持ちも和らいできます。


“次の次“


何度も何度も、自分の順番を頭の中で想像してみます。


そうしていなければ、なんとなく落ち着かないのです。


そうやって落ち着かせていたのに、先程の配達員の方が、すぐ店の方に戻ってきてしまいました。


どうやらお客さんに“頼んだものと違う“
そう言われたみたいです。



“なんと!?”


しかも店員さんは配達員の方に
“うちの間違いかもしれないけど、あの時ひっちゃかめっちゃかだったから!“
などと言い放っています。

ごめんなさいは?

待たせた上に、注文の品も間違える。


曲がりなりにも社会人であれば、忙しいとは言えサービス業の店員さんとして、ものの言い方が全然なっていないことはわかります。


「これは…みんなほんとに大変だ」

かくいうもち三さんも、いつもは5分くらいで商品を提供してくれるこのお店で、既に30分ほど待っています。


「はあぁ、困っちゃったな」


続きます。