前回のお話
気分転換をするため、外でランチをしていたもち三さん。
そこへ遊んでもらいたそうなにゃこさんが、やってきました。
(可愛い。このねこさん凄く可愛い。
さっきひざの上に座ってくれていた時も、凄く可愛かった)
ねこさんと一緒に遊んだりしたら“とっても癒されるんだろうな”そう思いました。
もち三さんは早くにゃこさんと遊びたくなって、素早くお弁当をかき込みます。
(ああ、唐揚げ美味しい!
卵焼き美味しい!)
にゃこさんもリズミカルにお弁当を食べるもち三さんを、面白そうに見つめています。
「ああ、食べた。
ごちそうさまでした。
さて、ねこさん。
何して遊びましょうか?」
「見て、この子にゃこのなの。
かわいいの」
嬉しそうにマメチュー先生から貰ったぬいぐるみを、見せてくるにゃこさん。
(可愛い。何だか幼い子供みたいだな)
「このぬいぐるみで遊ぶの?」
“ねこさんとぬいぐるみで遊ぶ”
夢みたいな癒しの時間!
もち三さんは一緒に遊ぼうと思って、にゃこさんのぬいぐるみを持ち上げる。
「にゃっ!」
「ん?」
にゃこさんは、自分の大事なぬいぐるみを取り上げられたと思いお怒り!
「にゃんまーー!!!!」
「えっ?ええっ!」
にゃこさんの様子にビックリしたもち三さんは、慌ててぬいぐるみを返します。
ぬいぐるみを返してもらったにゃこさんは、今度は嬉しそうに抱き締めます。
「ねぇ、このぬいぐるみで遊ぶにゃ?」
「へ?」
一瞬で怒りを忘れているにゃこさん。
もち三さんの近くで再び、にこにこしてます。
そんなにゃこさんを見ていたらつい、撫でてみたくなる。
“ふわっ”
「にゃふ?」
(思ったよりもふわふわだぁ)
「にゃふにゃふっ」
にゃこさんも撫でて貰えて嬉しそう。
(かっCawaii!!)
この上ない癒し!
もっかい撫でたいっ!
その時…
にゃこさんはスタスタと、歩き去って行ってしまいました。
「え?あれっ?」
(そろそろまゆちゃんが帰ってくる時間にゃ)
「あれあれ?」
もう、もち三さんのことは頭に無いようです。
まだ未熟なセラピーキャットの研修生。
ついさっき頑張ってお弁当を食べたもち三さんは、一人ぼっちで呆然としながらにゃこさんを見送っています。
今日は何だか分けが分からないまま、にゃこさんに振り回されたもち三さんでした。