とっても大事な仕事の日。
もち三さんはストレスのせいか、胃を痛めて寝込んでしまいました。
農家のケイヒさん同様、胃がデリケートなのです。
「ああ…もう。
普段食べることが好きなのに、どうして」
(一生負け組人生なのだろうか…)
男の独り暮らし。
ただでさえ、食生活は偏っています。
(このまま、寝込んでばかりはいられない…)
薬局
薬局の隣にあるお薬売り場
薬売り場の裏にある相談室
「先生、最近不思議な生物を見たんですよ」
「不思議な生物、ですか?」
薬の相談をしに来たもち三さんですが、マメチュー先生の顔を見たら安心したのか、世間話をしています。
「頭にワタみたいなのを付けた、小さい生き物なんです。
そう、確かこちらの薬局の方が、連れて歩いていたような」
「そうなのですね。
不思議な生物…
今度スタッフに聞いてみます」
「おや?何やらいい香りが…」
「カフェの方で出すミネストローネです。
もち三さん、召し上がりますか?」
「え?良いのですか?
それならば遠慮無く」
ちょうど野菜生活中のもち三さん。
ミネストローネのいい香りを嗅いだら、食欲が出て来たようです。
人間は複雑なのか単純なのか、薬を飲まなくても香りだけで、食欲が戻ったりします。
最後にローリエを入れて煮込んだ、マメチュー先生特製“野菜たっぷりのミネストローネ”
「マメチュー先生、ローリエって何でしたっけ」
「ローリエは、月桂樹の若葉を乾燥させたハーブです」
若枝を編んで作った月桂冠が有名。
ローリエをお風呂に入れると、疲労回復に…
そして果実からはローレルオイルがとれ、こちらは石けんなどにして使用します。
ローリエはシチューなどに入れると、味をより引き立たせてくれる。
そして食欲増進、さらには消化も促してくれます。
今のもち三さんにはピッタリ。
自分の胃の回復を感じたもち三さんは、薬の相談もそこそこにミネストローネを保温容器に入れて貰いました。
「天気も良いので外で食べますね」
「はい。そうなさって下さい。
元気になられて安心しました」
体にいいものが詰まっている“ミネストローネ”
“とはいえ何故なのでしょう”
健康にいいものは、いくら食べても良い。
むしろ食べた方がいいと、すぐ勘違いしてしまいます。
少し自宅で食事をしたにもかかわらす、ミネストローネを分別なく食べ過ぎたもち三さん、寝転がってしばらく休憩です。
「あ…るけ…ない…」
でもこうして食べ過ぎる事ができるほどには、もち三さんの食欲は戻ったようです。
とはいえにゃこさん、トトロごっこは禁止ですよ。