前回のお話
パゴロウさんはお仕事で失敗をして落ち込んでいたため、リフレッシュしようと、現在シフォンとポ村をお散歩中。
静かなポ村を歩いていると、どこかから物音が聞こえた気がしました。
「ぶぶ」
「ん?」
やっぱりなんか聞こえた。
「ぶぶぶ」
「え?」
パゴロウさんは、音のする方を振り返ります。
「にゃぶ」
「!!!」

物音の正体を目にした途端、パゴロウさんはシフォンを抱きかかえ、守るように逃げていきます。
「な?」
「にゃぶ?」
慌てて逃げているパゴロウさんですが、彼の前に現れたのはポ村で自由に暮らすねこのどろちゃんでした。
実はパゴロウさんは、子供の頃からねこさんがとても苦手なのです。
悪しきものに対しては少しだけ強くなれましたが、ねこさんはやっぱりまだ怖い。
“恐怖症”は“高所恐怖症”など、誰にでもある普通ことです。
仕方ありません。
どうやら近くには、にゃこさんもいるみたい。
「にゃた?」
相性の悪いどろちゃんとにゃこさんは、また喧嘩をしていたようです。
もちろんパゴロウさんはにゃこさんのことも苦手。
にゃこさんとどろちゃんは、慌てて逃げていくパゴロウさんの存在に気付いたようです。
「にゃぶ!」
「にゃた!」
ねこさんたち。
逃げるものは追いかける。
それは我慢できない。
備わってしまった習性。
「にゃぶー」
「にゃあー」
「にゃきゃきゃきゃ」
「にゃぶぶぶぶ」
そのまま走り続けたパゴロウさん。
「はぁはぁっ」
「ま?」
そしてポ村の外れまで来てしまい、なんと、ねこ森町のねこさんたちにも出くわしてしまいました。

「!!!」
たくさんのねこさんに、パゴロウさんびっくり。
声もなく、気絶してしまいました。
突然現れ、突然気絶した、パゴロウさんにねこさんたちもびっくり。
「にゃ?」
「にゃにゃ?」
どうしたらいいのかわからず、遠くから様子をうかがっています。
倒れたパゴロウさんをシフォンは、じっと見つめています。

どういう状態なのかわからないようです。
「ま?」
「ま…」
「ま!」
いつまでも起きないパゴロウさんのことが心配になったシフォン。
フワ毛で一生懸命パゴロウさんをさすっています。
シフォンは一緒に暮らす中、フワ毛のことをパゴロウさんが好きな事に気が付いていました。
フワ毛のおかげなのか、パゴロウさんはすぐに意識回復。
「シフォン」
「ま!」
シフォンもなんとなくうれしそうです。
「今、夢を見ていてね。その中でね、シフォンを守らなきゃって思ったんだ。そしたら目が覚めたみたい」
お互いが守りあっている。
そんな間柄になりつつあるようです。
シフォンがいなかったらホントに長い間気を失ったまま、意識取り戻してなかったかもしれない。
「シフォン、今日はありがとう」
「ま」
様子を見ていたにゃこさんとどろちゃん、ねこ森町のみなさんもホッとしています。
つい本能で追いかけてしまったねこさんたち。
それは仕方ない。
でも遊びでも度を過ぎたらいけない。
それは学んだみたいです。
遊びでも度が過ぎたら危険をはらむことがある。
これはねこさんだけでなく、誰に対してもでもいえることなのです。