マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ねこさんたちとパゴロウさん その2

前回のお話

パゴロウさんはお仕事で失敗をして落ち込んでいたため、リフレッシュしようと、現在シフォンとポ村をお散歩中。

静かなポ村を歩いていると、どこかから物音が聞こえた気がしました。


「ぶぶ」


「ん?」



やっぱりなんか聞こえた。


「ぶぶぶ」


「え?」


パゴロウさんは、音のする方を振り返ります。


「にゃぶ」

「!!!」

どろちゃん

物音の正体を目にした途端、パゴロウさんはシフォンを抱きかかえ、守るように逃げていきます。


「な?」

「にゃぶ?」


慌てて逃げているパゴロウさんですが、彼の前に現れたのはポ村で自由に暮らすねこのどろちゃんでした。


実はパゴロウさんは、子供の頃からねこさんがとても苦手なのです。


悪しきものに対しては少しだけ強くなれましたが、ねこさんはやっぱりまだ怖い。


“恐怖症”は“高所恐怖症”など、誰にでもある普通ことです。

仕方ありません。

どうやら近くには、にゃこさんもいるみたい。

「にゃた?」


相性の悪いどろちゃんとにゃこさんは、また喧嘩をしていたようです。

もちろんパゴロウさんはにゃこさんのことも苦手。


にゃこさんとどろちゃんは、慌てて逃げていくパゴロウさんの存在に気付いたようです。


「にゃぶ!」

「にゃた!」



ねこさんたち。

逃げるものは追いかける。

それは我慢できない。

備わってしまった習性。


「にゃぶー」

「にゃあー」

にゃきゃー!

「にゃきゃきゃきゃ」

「にゃぶぶぶぶ」



そのまま走り続けたパゴロウさん。

「はぁはぁっ」

「ま?」


そしてポ村の外れまで来てしまい、なんと、ねこ森町のねこさんたちにも出くわしてしまいました。

あら、こんにちは。はじめまして。


「!!!」

たくさんのねこさんに、パゴロウさんびっくり。


声もなく、気絶してしまいました。


突然現れ、突然気絶した、パゴロウさんにねこさんたちもびっくり。

「にゃ?」

「にゃにゃ?」

どうしたらいいのかわからず、遠くから様子をうかがっています。




倒れたパゴロウさんをシフォンは、じっと見つめています。

パゴさんのお腹の上

どういう状態なのかわからないようです。

「ま?」

「ま…」

「ま!」

いつまでも起きないパゴロウさんのことが心配になったシフォン。


フワ毛で一生懸命パゴロウさんをさすっています。


シフォンは一緒に暮らす中、フワ毛のことをパゴロウさんが好きな事に気が付いていました。


フワ毛のおかげなのか、パゴロウさんはすぐに意識回復。


「シフォン」

「ま!」


シフォンもなんとなくうれしそうです。


「今、夢を見ていてね。その中でね、シフォンを守らなきゃって思ったんだ。そしたら目が覚めたみたい」



お互いが守りあっている。

そんな間柄になりつつあるようです。

シフォンがいなかったらホントに長い間気を失ったまま、意識取り戻してなかったかもしれない。



「シフォン、今日はありがとう」

「ま」



様子を見ていたにゃこさんとどろちゃん、ねこ森町のみなさんもホッとしています。



つい本能で追いかけてしまったねこさんたち。


それは仕方ない。

でも遊びでも度を過ぎたらいけない。


それは学んだみたいです。


遊びでも度が過ぎたら危険をはらむことがある。


これはねこさんだけでなく、誰に対してもでもいえることなのです。