マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

シフォンの正体 その1

「時折、思い出さない?」


まゆさんはお仕事の休憩中、唐突にてんまさんに質問をしました。



「なにを?」



「シャンプーとか洗顔している時とか、夜寝る前とかふとした時にさ」


「?だからなにを?」

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以前にゃこさんとまゆさんとてんまさんとで、きのこ狩りに行きました


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「あっ、あの子ね。分かるー。確かに、隙あらば頭の中に出てくる時ある」



前にきのこ狩りに行った時に出会っていた、謎の生物。



それ以来一度も見かけることはありませんでしたが、なんだか正体が気になる存在。



「あれって結局何者?」


「この村に来てからは、不思議なことは起こるものだと思って暮らしてたんだけど…
やっぱり気になるよね、あの子。
また、会いたくなっちゃったな」



「あのきのこの山に行けば、いんのかな?」



まゆさんはその時、てんまさんが何かを凝視していることに気がつきました。



何を見ているのか気になって、まゆさんもてんまさんが見ている方向を振り向いてみる。

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「さっそくいるし。こっち見てるし!」


「え?何?なんで?」





「あれぇ?シフォン!!」



「シフォン!?」



同じく休憩中だったパゴロウさんがやってきて、不思議生物に向かって、何やら“シフォン“と叫んでいます。



「シフォンったら、ボクについてきちゃったの?」



「ま!」




「どういうこと?パゴちゃん知り合い?」



「こいつ何?そもそもお前の何?」




パゴロウさんは目を白黒させている、まゆさんとてんまさんにシフォンのことを説明します。



「今ボク、このシフォンと一緒に暮らしているんです」



「同棲中!?」




ある日、気がついたら家の中にいたというシフォン。



そして気がついたらシフォンに癒され、さらに一緒に暮らすことになっていたという。


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「何その話…なんでそういう展開になるの?
あんたよくそんなわけの分からない生物と、一緒に暮らそうって発想になったよね。

日本昔ばなしじゃないんだからさ」




「日本昔ばなし?」



「だってあれさ、桃とか竹とかから出てきた赤子と平気で暮らしてるじゃん」



シフォンさんは竹ではなく、笹の植木鉢からひっそりと出てきました。

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パゴロウさんは心配性で気にしいのように見えるのに、なかなかの度胸があるようです。


そして初めてペットと暮らす毎日が充実しているみたい。


今までパゴロウさんはねこさん等は怖くて、近寄ることも出来なかったのです。




「こっちからしたら、ねこの方がよっぽど怖くないけどね」




「でも…癒されませんか?」



「うん。愛嬌あるよね。
でも癒されるというよりも、今はなんか不思議な気持ち…」



「あんたが癒されてんなら、それでいいよ。
うん。この時代、癒しは大事だ」


「そうだね。
みんな癒しを、求めてるものね。
運命の出会いがあったんだね。

みんなにその…シフォンちゃん?
みたいな出会いがあるといいよね」」



「まぁ、癒しはいいんだけど。
この生物見たことがない。
普段はどこにいるんだ?」



「でもさ、まゆちゃん。
今までもすぐそばにいたのに、私たちが気がついていないだけだったのかもしれないよ」


次回へ続きます。