パゴロウさんは最近、一緒に暮らしているシフォンの喜ぶことは、なんでもしてあげたいモード真っ只中。
彼は今、シフォン用の洋服作りにハマっています。
ただ、洋服作りは全くの初心者。
ネットでひとり、服作りについて勉強をしていたパゴロウさんですが、やはり限界があります。
「ドールクラフトか…
やりがいもありそうだけど、その分たいへんそうだなぁ」
ここはひとりで悩まずに、マメチュー先生や、きのこさんから教わることにしました。
「ではまず、シフォンさんの型紙をとってみましょう」
「型紙…。シフォン!ちょっと協力して」
「な?」
パゴロウさんの家にミシンがないため、手縫いで作ります。
「出来た!シフォン着てみて」
「ま?」
「うーん、やっぱり初心者感、丸出しの洋服になっちゃったなぁ」
だけどシフォンにはそんなことはわかっていないようで、なんだかとても喜んでいる様子です。
嬉しそうに洋服を、着ています。
「良かった。でも手縫いだから時間かかっちゃったなぁ。
ミシン買おうかな?
作れる服の種類も増えるし…」
「いいですね。そうやって色々考えて工夫するのは、いいことです」
「へへ、はい」
でもその前に、衣装ケースをネットで買ってしまいました。
こういうのも、器用に作れたら楽しいんだろうなぁ。
シフォンの部屋が、完成しつつあります。
「この木になる実はね、赤くなったら食べられるからね。
それでね、寒くなったらお洋服を出してたくさん着るといいよ」
「う」
少しずつ知識を身につけて、不器用ながらもひとりで色々やっているシフォン。
「すごいなシフォン、頭いいな」
「た」
やり方を見せていないのに、パゴロウさんのことを観察していたからか、シフォンはひとりで考えて靴下を履けるようになっていました。
「うんうん、靴下の履き方あってるよ」
「に」
パゴロウさんは、シフォンに知識をつけてもらうのは、とてもいいことだと考えています。
もし、もしも本当に密猟者がいるのだとしたら…
いざという時は、自分で考えて逃げられるようになって欲しい。
頭の隅でパゴロウさんは、そんなことを考えていたようです。