前回のお話
大好きなきのこおばあちゃんをどろちゃんに取られてしまい、嫉妬にかられるにゃこさん。
現在きのこさんたちがくつろいでいる公園は、にゃこさんとどろちゃんの縄張りがかぶっている場所です。
ねこさんも人間と同様、縄張りが同じ場合はできるだけケンカにならないようにします。
それでも相性が悪いとケンカを始めてしまうこともある。
「どろちゃんに今度こそ勝ったるんにゃあ」
介入してはいけないと言われているねこさんのケンカ。
けれどにゃこさんと一緒に住んでいるまゆさんは、ケンカ中のにゃこさんを見かけるとつい回収してしまう。
“怪我してしまうかもしれない“
そんな思いが頭をかすめるからです。
にゃこさんの方もケンカ中にしょっちゅうまゆさんに回収されるので、ケンカはいけないことだとわかっています。
“そうにゃ…ケンカしてまゆちゃんの大切なにゃこさんが怪我してしまったら、まゆちゃん悲しむにゃ。
セラピーキャットさんになるのにゃし、ぷんぷんしてばかりいたらだめにゃ。
どろちゃんとケンカしてはいけないんにゃ“
ねこさんにも人間みたいに相性というものがあるのがなんか面白い。
ねこさんの場合は相手の何が気にならないというのでしょう。
特にねこさん同士の実力が同じくらいだとケンカが始まってしまうとのことです。
“ケンカはやめる“
葛藤しているにゃこさん。
どろちゃんは葛藤中の、にゃこさんの姿に気がつきました。
「にゃ?あいつは」
「あら、にゃこちゃん」
目が合ってしまう2人のねこさん。
そして目が合ってしまうと止められないのが、ねこさんのたたかい。
間合いを取ってから、取っ組み合いが始まり…
そうで始まりません。
2人の間にあるのは公園に設置してあるアクリルのパーテーション。
なのにそれに気づかず、にゃこさんとどろちゃんは互いにヒップアタックをしあっています。
ポンつく!ポンつく!
「あらあら」
ふたりのじゃれ合いにきのこさんは思わず、吹き出してしまいました。
「いやねぇふたりとも」
笑われていることに気づかず、ふたりは一生懸命全力でたたかいます。
「にゃちっにゃちにゃち!」
パプポプ!パンポコ!
「負けないんにゃから!」
その時…
ばんっ!!
無我夢中でたたかっていたため、アクリル板を落としてしまう。
「ガタンッ!」
真剣にケンカをしていたため、突然の大きな音に驚くふたり。
毛を逆立てて、声もなく飛びのいていきます。
そして転がるようにきのこさんたちの後ろに隠れる。
「なんにゃ、なんにゃ?」
ケンカの末、アクリル板を落として壊してしまうねこさんたち。
“ねこさんあるある“
調子に乗って暴れてはこんなことをします。
おばあちゃんたちを困らせるのは、いけないことです。
ちゃんと謝らなければいけません。
でもにゃこさんたちの様子を見て、くすくす笑っているきのこさんたち。
「壊れちゃったわねぇ」
「外には必要ないみたいね。このパーテーション」
「怪我はなかった?大丈夫?」
「にゃきゃぁ」
「にゃぶぶぶ」
大きな音に物凄く驚いたのか、べそをかいてしまうねこさんたち。
「怖かったわね、よしよし」
パーテーションを壊してしまったことは、怒ってはいなさそうです。
とりあえず、今回はよしとするので、次回からは気を付けましょう。
おばあちゃんがどちらのものかは、持ち越しのようです。