マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

まねっこシフォン

朝、目を覚ましたパゴロウさんは、勢いよく起き上がる。



彼は最近、ぼんやりと寝ぼけながら起きることが無くなっていました。



なぜなら…

起きてすぐに、シフォンの存在を確認するようになったから…




「シフォンっ」


「お」



シフォンもパゴロウさんが起きたことに気づいたのか、こちらを見ています。


「あぁ、いた!」


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よかった。



パゴロウさんは、マメチュー先生から“密猟者“の話を聞いてから、シフォンに対し過保護になってしまったようです。


www.mamechu.com



ポ村にたくさんいたという、シフォンの一族が姿を現さなくなった理由の一つ。



あくまでも仮説ではあるけれど、シフォンのふわ毛を狙った密猟者がいるかもしれない…



それが本当だったら、とても心配です。



シフォンは好奇心が旺盛だから…

知らない人にも、ちょこちょこ付いていってしまうかもしれない。





っていうか、その前にさ。



「シフォン、また部屋散らかした?」


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シフォンの存在を確認後、すぐに気がついたこと。



部屋の中が、とっても散らかっています。


ねこさんとかもお部屋を、散らかすことがあるというけれど。




「いたずらしちゃったの?」



「や」



シフォンはこちらを見ることもなく、一生懸命何かを行っている様子。



「何しているの?」




「か」



よく見るとシフォンは、調味料の蓋を開けようとしていました。

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「こらこら、だめだよ」



「まー」



「まーじゃないの」



よく食べてくれるため、シフォンには生野菜を与えていますが、調味料は他の動物同様、体に悪そうなので与えていません。



そしてそんなシフォンは、包丁にも触りたい。


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「だめだめ、それは本当にだめ!」



「まっ」




家に置いてあるお薬にも、興味を持ってしまいます。


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「それもだめだって」



人間には効く薬も、身体が小さいシフォンには危険です。




夜は、パゴロウさんと一緒のお布団で寝たいシフォン。


「ね」



「あのねシフォン。
ボクも一緒に寝たいけれど、潰しちゃうかもしれないからだめなんだ」



「ね!」



「シフォンはこっちで寝ようね」



クッションの上にタオルを敷いてある場所を、お布団代わりとしてシフォンに使ってもらっています。


「いー!」



注意ばかりしていたせいか、シフォンは拗ねてしまいました。


部屋の隅で分かりやすく、丸まっています。


「シフォン…」



「い…」



「ごめん、嫌な思いさせちゃったね」



シフォンのことをよく見ているから、本当はわかっている。



シフォンは色んなことに、挑戦してみたいんだ。



いたずらをしたいんじゃなくて、ボクがやっているようなことを、シフォン自身もやってみたいんだ。



「い…」




でもなぁ、困ったなぁ。



ボクが使っている包丁とかそういうのは、シフォンに使わせるわけにはいかないし。



シフォンに色々、興味を持たれて困った末…



シフォンのために、お人形さん向けのグッズを購入。

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パゴロウさんはこの日以降、ネットでお人形さんグッズを見るようになってしまいました。



夜な夜なネットで、お人形さんグッズを買い漁る男。



「う〜ん、食器棚はいらないか、高いし」



「ほ」


「シフォン、そんなに何でもは、買ってあげられないからね?」



「ま?」



などといっていたパゴロウさんですが…




気がついたらお給料日に、何を買うよりも先にシフォングッズを購入していました。


どうやら彼は、貢ぐタイプの男みたいです。