前回のお話
ねこ屋敷から遊びに来る、見かけだけはぽんちゃん似のとらじろちゃん。
いつも動じないとらじろちゃんは、けっこう身体がガッシリしています。
「もしかしてこの子、この地域のボスなの?」
実はとらじろちゃん。
眼球が濁っているので、おそらく目は悪いのだと思います。
視力が不自由なねこさんがボスしてるなんて…
強いなんて…
おそらく自分の中に、そんな愚かな思い込みがあったのでしょう。
プラス甘えたのぽんちゃん似だった事も、思い込みに拍車をかけていたと思います。
でもそんなとらじろちゃんに触ってみると、なかなかに筋肉が凄いです。
この子は強さへの自信があるから、いつも動じなかったのかもしれない。
そんな穏やかタイプのボス、とらじろちゃんが雨の日の夜、ひっそりと我が家にやって来る。
「どうしたの?
ビショビショの上に泥だらけじゃん」
その姿でベッドに上がられても困るので、身体をフキフキしてあげる事に…
拭いてあげている最中も、いつもながら大人しい。
フキフキフキ…
「え?…血っ!?」
拭いていたタオルが、泥と血にまみれていました。
「とらじろちゃんどうしたの?
ケンカでもしたの?ケガした?」
っていうかとらじろちゃん、その身体でなぜ自宅へ帰らず我が家に来るのだ…
「さすがに今日はおうちに帰ろう、ね?」
母がケガをしているとらじろちゃんを抱っこして、ねこ屋敷に連れていってくれました。
けっこう血が出ているようだったので心配しましたが、大事にはいたらなかったそうです。
ポいもがケガをしていると気付かず拭いていた時、傷口とか痛かっただろうに毎度毎度の無反応。
ぽんちゃんだったらそういう時、すぐ泣きわめきます。
そのため血が出ていなくても、ケガしている事にすぐに気付けるのですが、とらじろちゃんはホント我慢強いのか、何にも言ってくれません。
ぽんちゃんと毛並みは似ていても、性格が違いすぎる。
そんなとらじろちゃんと接すれば接するほど、ぽんちゃんフィルターが無くなっていきました。
分かってはいましたが、改めて…
ぽんちゃんはぽんちゃん。
とらじろちゃんはとらじろちゃん。
ぽんちゃんと違って、とらじろちゃんはポいも前ではいつも、大人しく穏やかです。
“シャー”みたいに威嚇されたり、怒られたことは一度もありません。
でもねこさん相手には、ねこパンをくらわせてんのかな…
イマイチ想像しづらい。。。
何だかギャップのある男です。