マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ねこさんと湿布

にゃこさんは、ねこである。


お名前はにゃこという。



突然にゃすが、にゃこさんにはたくさんの大切な宝物がありますにゃ。


例えばおもちゃとか、マメがにゃこさんにくれたお友にゃちとか…

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でもそれよりももっと…


にゃこさんにとって、1番大切な特別な宝物がありますのにゃ。

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改めて紹介しますにゃ。


それはまゆちゃんにゃす。


にゃこさんが1番好きな、にゃこさんの大事な宝物にゃす。


まゆちゃんもにゃこさんが1番好きにゃすから、いつもそばにいてくれるのにゃす。



他にも一応好きなニンゲンは、色々いるにゃすよ。

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でも一番はやっぱりダントツまゆちゃんにゃ!




にゃこさんがひとりで何事かブツブツ言っていたと思ったら、急に何かにピクッと反応して天井を見つめだしました。


にゃこさんがこうしてジッとしている時は、大抵カゲがポ村を通過している時です。

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ポ村にカゲが近付くととても危険なので、村長が村人のために注意喚起のサイレンを鳴らすのですが、いつもそれよりも先ににゃこさんはカゲの存在に気付いているようです。



アイツら嫌いにゃ。何かとっても嫌いにゃ!


すっごく危険なカンジがするにゃ!


にゃこさんはアイツらから、まゆちゃんを守ってやるんにゃ!!


にゃって、にゃこさんは男の子にゃすから。

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「こらー!にゃこっ、何してんのっ!暴れないの」


にゃこさんはカゲを倒す練習を熱心にし過ぎてしまったせいで、まわりが見えなくなり棚の上のものをガシャガシャと落としてしまいました。


そしてその音にびっくりしたのか、大きく飛びはねたにゃこさんは姿見用の鏡に追突。


「危ないっ!」


まゆさんは慌てて、尻もちをついているねこさんめがけて倒れそうになる鏡から、にゃこさんをかばいます。


しかし運悪く、鏡の角がまゆさんの肩の辺りを強打。


一方にゃこさんは、コテンと座り込んでいました。

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「にゃああああぁ~!」


大人のにゃこさんは足を軽く捻挫してしまったようで、泣き出してしまいました。


「まゆちゃん、あんよ痛いにゃあっ」
 

まゆさんはにゃこさんの小さな足を、優しく触れて確認してみます。


「痛い?少し捻ったかな?」


「にゃむぅ…」



「じゃあ、今日は静かに寝ていなさい。
あたしはちょっと仕事行ってくるけど…」


「にゃっ!何でにゃー」
 

「ごめん、約束してるの。
マメチュー先生のお店に生薬届けなくちゃ」



「嫌にゃー、あんよ痛いにゃぁ!」


どうやらにゃこさんは、まゆさんにそばにいて欲しいようです。


「にゃって、にゃって。
にゃこさん足腐って死んじゃうかもにゃよ?」


「なるべく早く帰るから、ね?」


「嫌にゃあ!まゆちゃんはにゃこさんが死んじゃってもいいにゃの?
まゆちゃんなんて嫌いにゃあ!1番嫌いにゃあ!!」


「じゃあ、今から病院いく?」

「!!!!」


にゃこさんは病院が大の苦手です。


「あああああぁ~」



「じゃあね、行ってくるから」


まゆさんは仕事のため、にゃこさんを置いて外出して行きました。




にゃこさんは足をギーコギーコしながら、お部屋のすみっこでグズっています。


「もう口きかないにゃ!
まゆちゃんなんて知らないにゃ」

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こんなにあんよ痛いにゃに。

にゃこさんの心配なんて、ちっともしてくれないんにゃから。


そうにゃ、にゃこさん宝物まとめて、マメん所の子になるにゃ!もうなっちゃうにゃ。


そんで、マメん家の子ににゃったら…



まゆちゃんはマメん所に、ちょこちょこ行くにゃからまた…
会えるにゃよね?

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まゆさんは無事マメチュー先生に、生薬を届け今日のお仕事は終了。


マメチュー先生からの食事の誘いを断り、まっすぐ帰宅します。


マメクスリカフェで、湿布だけ購入しました。



先程、鏡の角が肩に直撃したせいで、じくじく痛むのです。


実は湿布はねこさんには危険な薬剤。


“フルルビプロフェン”
という湿布に含まれている成分は、ねこさんが誤って舐めてしまったりするととても危険なのです。


中毒症状を起こす場合がある…

そして死亡例もあるといいます。


(他にも湿布にはねこさんにとって、危険な成分が含まれています)



それなのに何故か湿布のメントールの匂い好きな、ねこさんたちは多いようです。


匂いつられ、湿布の元に寄って来てしまうねこさんたち…


そして湿布を貼っている飼い主さんを、舐めたりするので気を付けないといけません。



 
“まゆちゃん、嫌いにゃー”


全くにゃこったらバカなんだから…


まぁ、今日は丁度いいや。


寄りつかない方がいいから。

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「ただいまぁ」

「おかえりにゃー!」

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まゆさんが扉を開けたとたん、にゃこさんが飛びついて来ました。


「まゆちゃんが、い~ちばん好きにゃあ」


色々忘れたにゃこさん、まゆさんに会えてごきげんさん。



「はいはい、分かった分かった」


「にゃふにゃふっ」


「にゃこさんはご飯にしようかね~」


「にゃしっ!」


にゃこさんはにこにこと、まゆさんの顔を見ながらご飯を美味しそうに食べています。


(足…平気そうだな。
多分、足の痛みすら忘れてるんだろうなぁ)


「?何にゃ?」


「教えない」


「とりあえずよかったよ…」


「何がにゃよぉ」


「教えないって」


「むにゅ!じゃあにゃこさんもうお眠にゃから、お布団におんぶして連れてって下たい」


「おんぶはだめ」


「何でにゃ?」


背中には湿布が貼ってあります!


「ほら、抱っこ、こいこい」


「何でにゃ?」


ねこさんとのケンカは長引かないので、楽で良いですよね。