実家の隣に住んでいる母の姉ペリコ。
ポいもが実家に住んでいた頃は、月一回は一緒に食事をする…
というのが習慣化していました。
そして食事の後は、スイーツを買って帰る…
というのも同じく習慣化していました。
大抵そのスイーツはデパ地下で購入。
ペリコとポいも。
お互い注入しあっている毒を、甘いもので癒す必要があります。
ペリコは相変わらず、真横でピーチクパーチク。
「あたしねー。
ケーキが一番好きなのー!
和菓子よりもプリンよりもクレープよりもシュークリームよりもパンケーキよりも、スイーツ食べるなら絶対ケーキがいいのー!!」
「ふうん」
ペリコはケーキに憧れる世代なのでしょうか?
スイーツ=ケーキ
的なこだわりを語っています。
「どこのお店にする?」
「う~ん」
デパ地下にあるスイーツ屋さんを、一通り見て回ります。
いくつもあるお店の中からポいもの目に止まったのは、あるお店のガラスケースの中にあったエクレア。
そのエクレアは細長くサクッとした感じの生地で、キャラメル、抹茶、いちごの三種類の味がありました。
その中で特に、キレイなピンク色のいちごのエクレアが美味しそうでした。
「どのケーキにしようかしら?
あんた決まった?」
「うん」
「何にしたの?」
「いちごのエクレア」
「……。
あたしもエクレアにしようかしら」
ペリコは、人の意見に左右されるタイプです。
「ねぇこのエクレア小さいから、三種類全部買わない?
それで一つは半分こにするの」
「いいけど」
「じゃあ決まりね」
そんなわけで三種類のエクレアを購入し、帰路につきます。
ポいもは道中、いちごのエクレアの味を想像していました。
サクッとした生地に甘酸っぱいイチゴの味。
酸っぱいだけの食べ物は苦手ですが、甘いスイーツに甘酸っぱいものを掛け合わせた食べ物は好き。
「ねぇあんたエクレアどれ食べる?」
ポいもはもう決まっています。
「さっき言ったけど、いち……」
「あたし、いちごのエクレアが食べたい」
「何よ、その顔。
いけないの?」
眉をひそめているポいもを見て、ペリコは口を尖らせています。
逆に何故ペリコは、自分がいちごのエクレアを食べても良いと思ったのか…
ペリコがまさかのいちごを選択すると分かってたら、いちごを二つ買ってたんですけど…
生まれた時からの付き合いなのですから、予測しておかなければいけませんでしたね。
でもポいもがエクレア全種類、半分こにする。
という提案をして丸くおさめました。
そしてその後、即甘い物を注入。
エクレアに癒して貰いました。