前回のお話
クリスマスの雰囲気が大好きで、楽しそうにクリスマスに向けて準備をしているパゴロウさん。
でも彼は、いざその日が来てしまうと
“今日でクリスマスは終わっちゃうんだ”
そんな事ばかりを考えて、純粋に楽しめなくなってしまうのです。
“もう明日には、普通の日常に戻ってしまうんだ…”
何も考えずにクリスマスを楽しめばいいのに、下らない…
つまらないことばかりが、頭の中をぐるぐると廻ってしまう。
ボクってホントにダメだなぁ…
今思えばそんなダメなボクの為に、色々工夫してより楽しいものにしてくれていた両親。
感謝です。
“幼い頃、お母さんは少しでもクリスマスを長く楽しめるようにしてくれていたなぁ”
イブは朝から両親がクリスマス気分を盛り上げるため、クリスマスの曲(赤鼻のトナカイとか)を流してくれていました。
そしてクリスマスソングを聞きながら、クリスマスがテーマの絵本を見る。
“おおきいツリー 小さいツリー”とか好きな絵本はたくさんありました。
そうやって本を読みどっぷり、クリスマスの雰囲気に浸かっていきます。
その後は温かいココアを飲みながらクリスマスがテーマのアニメや映画を見ます。
昼過ぎにはいよいよ、欲しいプレゼントを一緒に買いに行きます。
クリスマスカラーで彩られたおもちゃ屋さんを見て回るのは、とっても楽しい!
プレゼントをゲットした後は、イルミネーションを見ながら予約していたちょっと豪華なお店へ向かいます。
ここでもやっぱりメインにいくまでの、前菜やスープを口にしている時が一番ウキウキしてしまいます。
メインを食べ始めてしまうと
「後はもうデザートを食べて、終わっちゃうな…」
と寂しい気持ちが出てきてしまうからです。
とはいえ今日はまだイブの夜なので、明日のクリスマスを楽しみにする事が出来ます!
クリスマス当日の朝は、サンタさんの長靴に入ったお菓子が、枕元に置かれています。
「あ~、サンタさん来てくれたんだ」
「よかったわね~」
これは両親との、サンタさんごっこみたいなものです。
クリスマスの朝はサンタさんから貰ったお菓子を食べながら、昨日クリスマスプレゼントで貰ったおもちゃで遊びます。
午後は家族みんなでボードゲームやカードゲームをしながら、チキンやいつもより豪華なケーキを食べます。
しかしこの時間になると、やっぱり頭をよぎってしまう事があります。
“もうクリスマスが終わってしまう…”
日本は特に12月25日でバサッと、クリスマスは終了してしまいます。
クリスマスの後はすぐお正月の雰囲気が、世間を漂い始めるからです。
クリスマスが終わるともう冬休み。
学校には行かなくていいし、お正月ももちろんの好きです。
この先も楽しい事ばかりが待っています。
お正月の独特な空気も非日常なのに、やっぱりクリスマスの持つ雰囲気とは何か違います。
すぐに気持ちをお正月の方に切り替えればいいんだけど、クリスマスとお正月ではイベントの内容や漂う雰囲気が違いすぎて、うまく切り替えられないのです。
そんな風に、子供の頃のことを思い返していると…
マメチュー先生がポインセチアを持ってきました。
いつもにこにこ、楽しそうなマメチュー先生。
「きれいですね」
「ええ、とっても」
クリスマスカラーの美しいポインセチアを見つめて、マメチュー先生は嬉しそうにしています。
確かにポインセチアは、見ていて飽きないほど、美しい。
この赤い色に、引き込まれていきます。
クリスマスにゆかりのある植物、ポインセチア。
ポインセチアの葉の形はクリスマスの星(ベツレヘム・ツリーのお星様)の形に似ていると言われています。
原産国メキシコでは、クリスマスイブという意味を持っている。
「ポインセチアは、薬として使用されていた事があるんだそうですよ」
「そうなんですか?」
インディアンは野生のポインセチアの茎を切った時に出る、白い液を解熱剤として使っていたそうです。
ただしポインセチアには、軽度の有毒成分もあります。
口にすると嘔吐、吐き気、下痢、皮膚炎等の症状が出る場合がある。
大量に食べなければ大丈夫ですが、おうちのペット等が誤って口にしないよう、十分注意して下さい。
美しい植物には毒がある…
マメチュー先生は、何やらポインセチアに話しかけています。
「クリスマスを過ぎても、元気に楽しく一緒に暮らしましょうね」
(クリスマスが終わった後も…)
パゴロウさんはポインセチアに対し、素敵な方と一緒に暮らせて良かったねとひっそり思っていました。
「そうだ、パゴロウさんこの後、リースを作りませんか?」
「是非!楽しそう」
「じゃあミルクティーを淹れますね」
クリスマスが終わった後の寂しさばかりを考えずに、ボクもマメチュー先生みたいに今を楽しめるようにしよう。
もったいないですものね…