マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

薬の由来 その1

「にゃっ!にゃむっ!

にゃむにゃむっ」


お星さまを、一生懸命捕まえようとしているにゃこさん。


ピコピコとジャンプしています。

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でもなかなかうまく捕まえられません。



「普段は、お日さまもお月さまもお星さまもにゃこのあとをくっ付いてくるくせに、全然つかまえられないにゃあ」


にゃこさんはお星さまなんて捕まえて、どうするのでしょう。



「…にゃっ!

流れ星にゃ」



流れ星を発見したにゃこさんは、慌ててお願い事をする。



「もっともっとまゆちゃんが、にゃこさんのことを好きになりますように」



“にゃこさんの願い”


まゆさんがにゃこさんの事を、いっぱい好きになってくれますように。



「お星さま、ちゃんと聞こえたにゃろか…」


にゃこさんは自分ばっかりが、まゆさんを好きなんだと勘違いしているようです。 


(にゃって…

まゆちゃんおしごとばっかり、優先するんにゃもの。

もっと早く帰ってきてほしいんにゃもの)

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閉店後、何やらおしゃべりをしながら、作業をしているパゴロウさんとUSAさん。



「薬師寺さん、薬師丸さんなんかは有名ですが、他にも御薬袋、小薬、薬師神、薬王とか薬の字が入っている名字って多いんですね?」



「名字の由来?

今そんな本読んでるの?

パゴちゃんって本を読むの好きなのね」



「はい。

本を読んでいると落ち着くんです」



「で、その名字の由来ってのは何?

やっぱり薬が関係しているの?」



「そうですね。

薬が関係しているものもあるみたいです」



【薬袋(ミナイ)さんの由来】

平安時代に薬の管理をしていた典薬寮だった。

その一族がのちに“皆井”と呼称していた土地を承って“薬袋”に改名した。



【補足:典薬寮】

宮廷官人への医療提供や、医療従事者の養成を行っていた役所。

ほか医薬・薬園などの管理もしていた。

病気の原因と考えられていた邪気を呪術(呪禁師)によって祓う治療等も行っていた。



「へえ。
けっこう昔から薬って使われてるのね。

薬にまつわる名字の由来は分かったけど“薬”の由来ってのは何なのかしら?」



「そういえば。

この本は名字の由来だけですから」
  


「薬の由来…

聞いたことがあります」



話を聞いていたマメチュー先生が語る。



【薬の由来】

薬は霊妙で不思議なチカラを持つ。

生命を維持するために、特別なチカラを与えるとされている。

霊妙で不思議という意味の“奇(く)すしき力”からきていると言われている。

また草木の漢方薬を使用することが主だった事から、“草”を薬の語源とする説もある。




「くすしき力…

初めて聞く言葉です」



「不思議で霊妙か。

ゲームの中でも薬草って、不思議な雰囲気醸し出してますよね」

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「さてさて。
お話はこの辺にして、今日のお仕事は終わりにしましょう」



「あっはい。お疲れさまでした」


パゴロウさんはシフォンさんに会うために、例によって足早で帰っていきます。



「パゴちゃん最近イキイキしてる。

いい人でも出来たのかしら?」



「にゃこさん。

もう出て来ていいですよ」


「んにゃっ!」



「あらにゃこちゃん。またいた?」

次回へ続きます