まず始めにねこ森町で行われるニャロウィンとは、ハロウィンのねこさんバージョンの事です。
そして今回もねこ森町のねこの皆さんに、勝手に出演してもらっております。ご了承下さいませ。
10月31日 土曜日 ポ村の朝
“ほとほと”とまゆさんの家の扉を、誰かが叩いています。
「こんな朝から誰だ?母ちゃんか?」
まゆさんはぶっきらぼうに、家の扉を開けました。
「え?」
「ダイちゃんにゃ!」
ねこ森町に住むねこのダイちゃん。
どうやら食べ物らしきものが入ったバッグを、持っているようです。
ニャーバーイーツで、ポ村までわざわざ配達してくれたのでしょうか?
「ダイちゃん?えっと…どうやって来たの?」
「今日の夜の12時頃にね、ねこ森町から歩いて来たの」
「にゃんとっ」
ダイちゃんから話を聞いてみると、あちこち寄り道をしたり休んだりしながら、お散歩がてらポ村まで歩いて来たそうです。
「大変だったでしょう。お疲れさま。
お水飲む?」
「飲む」
ダイちゃんと…
それににゃこさんまで一緒になって、お水を飲んでいます。
「今日はニャロウィンなのです。
これは差し入れなのです」
「くれるの?ありがとう!見てもいい?」
「いいよ」
「にゃに、にゃに?」
喫茶ななかまどのとろろシチュー
ホテルガレの蜂蜜入りキャットニップティ
猫屋のオーガニックマウス刺
(ニャロウィンバージョン特別ソース付き)
「シチューおいしそう!
…にゃこ、マウス刺食べる?」
「食べるにゃ、お腹へったにゃ」
「え?今食べる?
じゃあダイちゃんも一緒に。
お持たせですが、どうぞ」
早速ダイちゃんとにゃこさんは、半分こにして食べています。
「おいしい?」
「にゃ!」
「うん」
「ダイちゃん、はい。これをどうぞ」
まゆさんがダイちゃんにあげたのは、昨日買っておいたかぼちゃプリンです。
「さっそくお礼」
「うん。ありがとう」
ポ村にあるスイーツ屋さん、パティスリーマルズで購入したかぼちゃプリン。
マルズさんは生クリームみたいなパティシエさんで、野菜・果物・ナッツなどを使用した商品が多いお店です。
「ハロウィンだからね。
このかぼちゃプリンは元々今日のために、にゃこに届けてもらおうと思ってたんだ」
特別にねこさん用に作ってもらった、かぼちゃプリン。
「たくさんあるからさ、にゃこ」
「にゃ?」
「ねこ森町でお世話になっている、ねこさんたちにも届けてあげて」
「にゃ!」
アメリカではハロウィンにリンゴやお菓子を…
本場アイルランドなどでは、ドライフルーツ入りのスパイスケーキや、ジャガイモ料理などを食べるそうです。
でもここは日本だから、やっぱりかぼちゃのスイーツ!
「いつもお世話になっているお礼ですって言って、ありがとうしてからにゃんずたちにあげるんだよ?」
「にゃし!」
「ダイちゃん、一応今日中に食べるようにしてね」
「うん。みんなで食べる」
「知ってる?キミたち。
この緑のかぼちゃって本当は、パンプキンとは言わないんだって」
緑のかぼちゃは、正しくは英語でsquashというのです。
ねこさんたちは、すでにテコテコとねこ森町へ向かおうとしています。
「ちょいちょいもう行く?ねこさんたちは人の話を最後まで聞かなくてもいいの?」
「?なんにゃ?まゆちゃん」
「何でもないよ」
「そろそろ行かなくちゃ」
「にゃし!」
にゃこさんはダイちゃんと手をつないで、ねこ森町に行くことにしました。
「にゃこさん、今日はね。
ねこ森町でねこさん限定の、ニャロウィンパーティーをするの。
だから一緒に行こう」
「にゃ!」
瞬発力があるので、ねこさんは走ることに関しては人間よりも速いけれど、持久力はあまり無いようです。
ニャロウィンパーティーは、今日の夕暮れから始まります。
ねこさんたちのこと。
そろそろ出発しないと、遊びながら…
そして休み休みしながら向かっていたら、間に合わなくなってしまいます。
ところでねこさんたちに、かぼちゃを食べさせてもいいのでしょうか?
ねこさんの体質に合わない場合を除いて、食べさせても大丈夫のようです。
ねこさんにとっても人間にとっても、栄誉豊富なかぼちゃですが、与えすぎは肥満やビタミンの過剰摂取にもつながるので、今日みたいなスペシャルな日に特別なデザートとして食べさせてあげましょう。
但し味付けはしません。
自然な甘みだけで頂きます。
「ねぇまゆちゃん、ニャロウィンって何する日にゃ?」
「ん?」
次回へ続きます