マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

節分に現れる鬼 その1

人間の心に巣食う“悪の心”を餌にしている鬼。



節分になると、ポ村にも鬼がやって来ます。


鬼に対しては、ポ村の周辺をウロつく悪しきものさえも恐れ、近くに鬼の気配を察しただけでも逃げて行く。

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そんな鬼が今年もポ村に現れ…たのですが。



鬼はなぜかポ村に入る前に、きびすを返そうとしています。




「つかまえたー!」


「フォ!?」


鬼は突然後ろから、何者かに羽交い締めにされてしまいました。


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「鬼交代だよ?」「フォ?」

鬼ごっこ?



「今日は節分なのに、今どっか行こうとしてたでしょ?ダメだよ。ちゃんとポ村に来て。お豆用意してあるんだから」



実はポ村を見た瞬間、鬼は去年まゆさんたちにその身長を生かした仕事を、色々やらされそうになったことを思い出してしまったようです。



どうやらそれが、トラウマになっていたみたい。



そのためポ村を見た途端、つい引き返そうとしてしまったようです。



でもそんな鬼をてんまさんはつかまえたまんま、決して離しません。



後ろから羽交い締めにしたまま、前に押し出すようにして歩いています。




「にゃこちゃんも一緒につかまえて」



「にゃんたたっ」



てんまさんのそばにいたにゃこさんは、言われるがまま鬼を追いかけて飛び乗ります。



「フォ?」


ねこさんはそうやって何かを追いかけて、捕まえる遊びが大好きです。



鬼に乗っかって、一生懸命ツノを掴もうとしている。

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「はい、どんどん歩いて。それでみんなでお豆食べよう。ね?お腹減ったでしょ?」


「フォ…」


人間の心に巣食う“悪の心”だけではなかなか満腹にならない鬼は、節分のお豆を食べて一年分の栄養を摂取しているのです。



そのとき鬼は、何かを見てビクッとしているようでした。



一方にゃこさんは、嬉しそうに声をあげています。



「まゆちゃんにゃ!」




「鬼っ!お前やっと来たのか。遅いぞ!なんだ?のろのろ歩いて。疲れてんのか?」



鬼はまゆさんに引っ張られ、どこかに連れて行かれてしまいました。

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続きます。