マメチュー先生の調剤薬局

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ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ねこ森町のニャロウィンパーティー その3

前回の続き

ねこ森町のニャロウィンパーティーに行くことになったにゃこさん。

でもニャロウィンというのがなんたるかを、全く知らなかったのでまゆさんに教えてもらいました。

ところがニャロウィンに出没するという、悪霊やら魔女やらの怖い話ばかり聞かされたため、すっかり外に出るのが嫌になってしまう…

そこでねこさんなら外を歩かずにねこ森町に行けるという、押し入れを利用して行くことにしました。




夕暮れまでにはねこ森町に行かなくてはならないので、さっそく押し入れを準備します。


まゆさん宅には押し入れがないので、手作りの押し入れダンボールの中をくぐって行きます。 


「じゃあ行こ」


「にゃ」


「いってらっしゃい、みんなによろしくね」


「うん」


かぼちゃプリンを届けるため、ニャロウィンパーティーに参加するため、押し入れを開けていざ、ねこ森町へ。


「!!?」


「押し入れ開かないにゃよ…」


「なんか入ってるみたいね」


どうしたのでしょう、押し入れが開かないようです。

ダイちゃんが、言うには何かが押し入れに入ってるようです。


「こわいにゃ!まゆちゃん!」



「はいはい、どうした?」


まゆさんは押し入れの中に、なにが入っているのかのぞき込んでみました。


「え?」


「何にゃ?」


押し入れからフワフワの毛が見えます。



「トト君?」

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ねこ森町に繋がっているという押し入れを開けると、押し入れ好きなトト君が中に詰まっていました。


彼はねこ森町に住むねこのトト君です。


どうやらねこ森町の押し入れから、入ってきてしまったみたいです。


「にゃふぅ、にゃぷう…」


トト君は気持ち良さそうに眠っています。


これではねこ森町に行く事が出来ません。


「やっぱり歩いて行こう」



「むにゃ…」



不安そうな顔をするにゃこさんのお手々を、つないでくれるダイちゃん。



「にゃこ、頑張れ!
ダイちゃん頼もしい!」


「うん」


するとトト君が、むっくりと起き上がってくる。

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そしてにゃこさん、ダイちゃんの手を握って来ました。


「んにゃ?」


「ねぇにゃこ、みんなで一緒に行ったら?
たくさんお友だちがいれば怖くないでしょ?」


「トト君一緒に行くにゃ?」


「行くっ!」


「たのしそう」


すっかり張り切っている様子のトト君。


まゆさんに後押しされたねこさんたちは、みんなで歩いて行くことにしました。


ニャロウィンパーティーは本日の夕暮れ。


まゆさん宅でのんびりしてしまったねこさんたちは、夕暮れまでに間に合うのでしょうか?


「じゃあまゆさんが旅の途中でお腹が減ったときの、おまじないを教えてあげよう」


「そんなのあるのにゃ?」


「あるのよ。
出会った人にTrick or Treat って言ってごらん」


このおまじないはお菓子をくれないとイタズラするぞ、と言う意味です。


「今日だけ使える秘密のおまじないだよ」


「ひみつの…」 

(にゃこさんはおまじない“Trick or Treat”を手に入れた)



ハロウィンの日にそのおまじないを言われた人は“ハッピーハロウィン”と言ってお菓子をあげないといけません。


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「断られたらその人にイタズラしていいからね」

「にゃ!」


「それじゃあ行ってらっしゃい。
みんな、くれぐれも用心してね…」

「にゃし!」


ダイちゃんはまゆさんにお辞儀をして、ねこ森町に向かって行きました。


夕暮れから始まるニャロウィンパーティーに間に合うよう、ねこさんたちはみんなでポ村からねこ森町に向かいます。



みんなそろって、仲良くテコテコ歩いて行きます。



ポ村の住宅街を抜け、小さな公園を抜けて歩いて行きます。



ねこさんたちがねこ森町に行く途中、農家を営むケイヒさんに出会いました。



にゃこさんとは顔見知りです。


「にゃこじゃんさ、どこ行くの?
ねこたちで固まって…遠足?」


「違うにゃ!」


「かぼちゃ食う?めっちゃうまいの出来たから。
今日かぼちゃの祭りだろ?
あれ?ねこってかぼちゃ食える?食えない?」

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「その緑のかぼちゃは、ニャロウィン用のかぼちゃじゃないにゃ。
それはsquashにゃ!
パンプキンじゃないのにゃ!」


「へ?」


にゃこさんはみんなと一緒に、スタスタと去って行こうとします。



「今日は急いで行くところがあるのにゃ」


「行くところ?にゃこに?」


「にゃこさんにだってあるのにゃ」


ねこさんたちが仲良く固まって、歩き去って行く。


「なに?ねこ祭り?」


ふとダイちゃんは振り返って、ケイヒさんにお辞儀をしていきます。


それを見たケイヒさんも、思わずつられてペコリ。




ねこさんたちはその後も、小さな水たまりを越え、小さな丘を越えテコテコと歩いて行きます。

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なにしろ夕暮れまでには、ねこ森町に到着しなければなりませんから…


次回へ続きます