マメチュー先生が帰って行った翌日。
ナメ江さんから頂いた藤の花の天ぷらを食べられるほどに、体調が回復したケイヒさん。
「うまぁ、こっちは砂糖漬け?」
「藤って豆の方がうまそうなのに。
でも豆って生で食うと腹こわすんだよな」
生の豆には有毒成分があり、加熱で無毒化します。
炒り豆は加熱が不十分になりやすいので、ご自宅で行う場合は注意が必要です。
さて…
お腹を満たして一息ついた後、マメチュー先生に言われた通りにお薬保存。
新しいお薬を缶に入れそこに乾燥剤を置き、湿気対策。
「よし、これで湿気の奴らを排除!」
湿気やカビは、ケイヒさんの大事な野菜たちも苦手です。
ウイルス(湿度苦手)やカビ(湿度好物)を発生させない湿度管理はなかなか難しいものです。
梅雨時はお薬もお野菜も、より丁寧に扱わないといけないのです。
高温多湿の環境は、野菜の病気の原因「細菌・カビ菌」がとても増えやすい。
元々、トマトやスイカ等、雨の少ない国で生まれ育った子たちは、体質に合わないため雨が苦手です。
土の中の水分量が多くなりすぎると、彼らは根っこから呼吸するため、息が出来なくなってしまう。
酸素欠乏によって障害をおこしてしまう野菜たち。
一方在来植物たちは、出身地である日本で育つ場合、高温多湿の環境には慣れっこ。
すくすく成長します。
ケイヒさんは雨が苦手な、トマトたちの様子を見に行く事に…
草刈りついでにトマト用の洋服も持参。
土の表面がハダカにならないように、藁等で覆ってあげるのです。
土壌中にチョロついている病原性のカビ・細菌が雨で跳ね、野菜につかないようにするためです。
ケイヒさんと同じく繊細な野菜たち。
雨の日は触れる事も出来ません。
むやみに触れると傷がついて、そこから細菌が侵入してしまう事があるからです。
そのため触りたいのを我慢し、大人しく家に帰ります。
そして子どもの頃から大事にしているおナスのぬいぐるみ…
そっと抱きしめます。