おしゃれな街にあるという、おしゃれサンドイッチ。
村の外に出るたび、悪しきもの(村の外にいる妙な生物)に毎回、泥だんごを投げられているUSA。
それなのにいつも、街へ買い物に行きたがります。
本日はUSAが買って来てくれたサンドイッチを食べる為、草原の中でまゆとランチです。
「まゆちゃん知ってる?
まゆちゃんとは違う、女子って言う生き物が街にはたくさんいるんだよ」
「知ってはいるよ。
口を開けばヘルシーやらナチュラルやらオーガニックやらと喚きながら、味のないもん食ってる連中でしょ?
そういうもんって軒並み割高なのにさ。レディースヘルシー御膳だぁ?
1回食っただけで体調や体型が変わるとでも思ってんのかね?」
「何?早口でなんか言った?ほらこれ」
「うん?」
「おぉっ。いかにも女子写真バッシャバシャのいつ食い始めんだよフードじゃん」
「まゆちゃんこういうの苦手でしょ?
これあたしの。まゆちゃんのはこっちね」
「いや、いいけどさ。
それ食べにくそうだし。
こぼすなよ、ボロボロ。
でもホントに飛行機とかのエコノミー用に出される普通のサンドイッチ、結構好きなんだよね。
とは言えこう並べられると…」
「だけどこれさ。
まゆちゃんの好きな、からしマヨ入りハムサンドだよ」
「最強!」
「こっちはツナマヨ。
アクセントの玉ねぎがいい味出しちゃってるやつ」
「おぉっ。文句なしっ」
「これ!タマゴサンド。マヨ多め!コショウ多め!」
「サイコー!」
「ピーナッツバターもあるよ」
「トースター用意して。あ、レタス」
「そのシャキシャキが嫌なの。邪魔」
その時二人は何かの視線に気付く。
まさかっっっ!!
まゆ・USAは村長が苦手です。
村の生活指導員みたいな村長。
医療従事者としてポンコツな二人は、目をつけられています。
確実に。
“なんか、やったかな?”
“分からん”
色々考えながら、恐る恐る振り向く。
「え?いたよね?」
「何なの?!」
「自分で考えなさいって事?」
「まゆちゃん好き嫌いするから」
「都会女子の悪口がダメなの?
都会女子みたいなのタイプなんじゃん?」
「ってかいつからいたの…いつもだけど」
このあと、サンドイッチの味が急にしなくなりました。
やばめの風邪ひいたかな?