前回のお話
まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。
彼女たちは、インタビューを受けてテレビでピリピリしたコメントをしているてんまさんを、心配していました。
「はやくポ村に帰ってくればいいのに…都会でイライラしてるのよ」
「集団の鳥ねぇ。駅前にムクドリが大量に飛んでいるのは、あたしも実際に見たことあるんだ。お互いの身を守るために集団行動をするらしいけど、ほんとにものすごい数でそれはもう圧巻だった。近所に住んでないからそう思えるんだろうけど」
「その子たち…駆除されちゃうの?」
「鳥獣保護法があるから、個人で駆除はできないはずだけど」
「ああ、役所とかに相談するにね」
「てんまは”その鳥の駆除”って言葉が気に入らなかったんだろうね。でももうちょっと人間のことも考えないと。フン害・騒音・匂い。鳥に精神を蝕まれるほど、影響を受けている人がいるんだろうから問題になってるんだろうし。農家の人とかもそうだろうけど」
「農家の人が困ると、結局あたしたちも困るしね。美味しいお野菜食べられなくなっちゃう。てんまちゃんはさ、人間のことばかり考えている“人間”が、嫌なのよね。動物だけじゃなく人間も邪魔だからって殺してOKっていう、平等な世界だったら怒らなかったかな?」
「アホなことを言うな」
テレビの仕組みが分からないにゃこさん。
テレビにうつるてんまさんに話しかけています。
「お水飲むにゃ?」
そしててんまさんに向かって、一生懸命おいでおいでしています。
いつもと様子が違うてんまさんのことが、心配になったみたいです。
「てんまちゃん。こっち来ないにゃわぁ。セラピーキャットのにゃこさんが抱っこさせてあげるにゃのに」
「にゃこちゃんは、いい子ね」
「今度”集団”でてんまを癒してやろうな?」
「まゆちゃんはいい子じゃないよね」
「にゃにゃ??そんちょーにゃ」
「え?」
テレビを見ると村長がてんまさんの手を取り、連れ去る所でした。
「ほんとだ!村長?ポ村民を守ってる!」
「すごっ、村民のためにどこにでも現れる男!でも鳥の集団についての特集のとき…村長の姿、ややこしい」
「だけどかっこいい。頼れるわぁ。で…このインタビューまさか生?」
「あとでてんまに聞いてみよう。それより村長。もうちょっとあたしたちのことも、温かい目で見てくれるといいんだけどね。あたしらの事、セットで見てくるしさ。個々をもっとみてほしいよ」
「まゆちゃんはあたしとセットで見られてるから、まだ許されてるんだと思うのよ」
今日もほのぼのしているポ村。
てんまさん、早くポ村に戻ってみんなでほのぼの過ごしましょう。