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前回のお話
観光客にもよい印象を持ってほしい村長は、村民にもしっかり規律を守って欲しい。ポ村民の中では、まゆさんとUSAさんが村長に目をつけられていました。そんな村長はポ村を広く知っていただくため、ポ村の特産品である梅を持って都会に移動中。
長太郎青梅だけでなく、ポ村の人気商品である梅の甘露煮入りのゼリーや、梅餡を求肥で包んだ一口大福なども携え、都会で奮闘する村長。

その頃、ポ村では――。

村長がいないときにしかできない、背徳感に満ちたこのひとときがたまりません。
「お酒を飲むと、こうなんか大きなことやりたくなるのよね」
「世界征服?」
「違うわよ。…例えば、YouTuberとか」
「そんなもん、いつでもなれるじゃん。今なれるじゃん。ちょうどケツを掻いてる今なれるじゃん」
「掻いてないわよ、お尻。違うわよ。You Tube内で大きなことをするのよ!」
「だからそれ何?」
「世界一周とか?」
「一応世界は目指してるんだ。そんで、金あるの?」
「…日本一周」
「へぇ。日本一周ならあるんだ?金」
「……ポ村一周」
「どんどん、やること小さくなるな。スモールライト並じゃんかさ」
「じゃあ、有名人と一緒にまわる!」
「犯罪者とか?」
「”あの人、有名な犯罪者と一緒にいるわね。逃走中かしら”じゃないのよ。ええとね、アリアナ・グランデとかビリー・アイリッシュとかそういう」
「バカじゃん?スモールライトで、脳みそだけ小さくされたんか?すっぽんが月に憧れるな。ダニの分際で太陽に憧れちゃいかんのだよ?うんこが天の川…」
「いいいい。それ以上言わなくていいっ!だってやること小さいって言うから!」
「そういえばポ村にも有名人いるんじゃなかったっけ?」
「ああ…そうらしいわね。あたしも良く知らないけど、確か画家の人だっけ?」
「ポ村にギャラリーがあったよね。よくその人の個展やってた気がする」

「そうだそうだ。んで、その人のことを村長が、かこってるんじゃなかったかしら?」
「かこってる?それ女?」
「えー?男だと思ってたけど女の人なのかしら?ひょっとしてスクープ?マネージャーみたいに色々と、面倒見てるって噂だけど」
「ひっひ。なんの面倒みてるんだろうね」
「その人と村長がポ村をまわれば、目立つんじゃないかしら?」
「ってか、目立っていることに気づいたときの村長の顔が見もの!」
悪だくみを始めたその時、まゆさんの背筋に冷たいものが走ったようです。
はっ!
何かの気配を感じ取った彼女は、急に背後を振り返りました。
続きます 🐥絶対あの人🐥