マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

【ほのぼのあるある】猫の視線に隠された真実!?保護猫ポにゃと空回り飼い主の奮闘記 その1

⚫︎本物語を最初からご覧になりたい方はこちら
⚫︎物語の概要をご覧になりたい方はこちら

※ポにゃちゃんが元気だった頃のお話

「なんで、そんなに見るの…?」ある日、ふと振り返ると、そこにいたのは愛猫ポにゃちゃん。じーっと、まるで電柱を見るかのような、無感情な瞳でポいもさんを見つめています。この視線、一体何を訴えているの!?警戒心MAXの保護猫ポにゃちゃんと、そんな彼の心を掴もうと奮闘する、ちょっぴり空回り気味のポいもの日常が、今、幕を開けます!

ポにゃちゃんの謎めいた視線と、ポいもの過去

一般人が普通に生活をしていて、人から一方的にジッと見られるということはそうそうありません。だから、誰かに黙って見られていることに気づくと、背筋がゾワリ、居心地が悪くなるものです。

特に、愛猫の存在に気づかず、たまたま振り返った時にこの状態だと、大層驚いてしまいます。


「いつからそこに!?」
思わず声が出そうになるほど、黙ってこちらを見つめるねこさんの瞳。その視線は、昔、知人と信号待ちをしていた時に、見知らぬ男性がこちらを見ていた感覚に似ているような、似ていないような…。彼の目は、まるで風景でも見ているかのように、ぼんやりとこちらを眺めていたんです。目が合っているのに、電柱とか、芋虫とか、ボールペンだとかに間違えられているような、不思議な感覚でした。


ねこさんがこちらを見てくる感情って、本当に分からないことが多い。見ている理由として考えられるのは、甘えたいとか、不満があるとか、何か要求したいことがあるとかなのでしょうけれど…。

でもポにゃちゃんは、そのどれでもないみたいな顔をして見つめてくるんです。実家で暮らしていたぽんちゃんは黙って観察してくることはあまりなかったのですが、ポにゃちゃんはこれがとにかく多い。

ポいもの部屋でポあね(姉)と食事をしているときも、ドアの隙間から覗いてくるポにゃちゃん。仲間に入れようと二人で一生懸命ポにゃちゃんを呼んでも、いつも近寄ってきてくれません。

ポにゃちゃんとポいもは、正直言って仲良しとは言い難い関係です。

だから、最初は「警戒して観察しているのかもしれない」と思っていました。トイレ掃除や食事の用意以外のことを要求してくることも、ほとんどない。遊んだり甘えたりするのは、もっぱらポあねとが良いらしいです。ねこさんだって、仲良しじゃない人とは遊びたくないのでしょうね。

ポいもと遊ぶくらいなら「ひとり遊び」の方が良いのか、たまにひとりで走り回っている姿を見かけます。

しかし…ある日、普段とは違うことが起きたのです。


さて、と立ち上がってトイレに行こうとした瞬間、背後に感じるあの視線…!振り返ると、ポにゃちゃんがいました。じっと、無言で。


ポいもが動くと同時に、ポにゃちゃんもハッとして、珍しく動き出したんです。

「あれ、ポにゃちゃん…」

この動き、どこかで見たような…?

あ!ぽんちゃんが一緒に、遊びたがった時の行動に似ている!

ぽんちゃんほど分かりやすい動作ではないので気づきにくかったのですが、ポにゃちゃん、どうやら「遊ぼう!」のアピールをしていたらしいんです。観察には警戒だけではなく、きっと色んな訴えがあったのかもしれません。


ポにゃちゃんはポいもの様子を見ながら、ひょこひょこっと逃げていく。そのしっぽが、嬉しそうにプルプルと揺れていました。

「なに?遊びたいのか?ようしっ!」

すぐにポにゃちゃんに追いついてしまうポいもですが、ここはポにゃちゃんのペースに合わせて…と

大人が本気で“はいはい”すると、意外とバタバタうるさいものです。


ぽんちゃんより分かりにくかった、ポにゃちゃんの遊んでアピール。


ねこさんのこう言うかまってアピールは、朝イチから行われたりします。
それはちょっと困ります…

朝の忙しい時間だろうといつでも相手をしなくてはダメだとばかりに、重圧を放つポにゃちゃん。しかしその視線に気づいていても、つい放置してしまうこともあります。

「……」
「むにゃ!」

放置されたポにゃちゃんから、小さく不満の声が…


ふと思い出す幼い頃のこと。
ポいもは我が母にもこうやって、放置されていたことがありました。母が夢中で何かをしているとき、必ず静かにしていなければいけなかったのです。

続きます