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ご近所のねこさん同士で行うとされているねこの集会。
なんでそんな可愛いことをしているのでしょう。
会話の内容等、ちっとも可愛くないことをしている可能性もありますけれど、それでもやっぱり可愛く思えてしまいます。
ねこさんのすることですからね。
こちらはポあねと住んでいた頃のご近所ねこ、ぷーちゃん。
どうやら地域ねこのようです。
当時はポあねの職場に近い、お茶が有名な地方都市に住んでいたので、近所に茶畑がありました。
初めてぷーちゃんと出会った時、かわいいねこさんがいると思い、この町に引っ越してきた旨、挨拶をしようと近くに寄って行きました。
すると近所のおばあさんに「お姉さんに可愛がって貰えて、よかったわねぇ」とぷーちゃんは、話しかけられている。このねこさんはご近所の方に可愛がられているのだと、そう思いました。
同じくぷーちゃんを発見したポあね。
「ポいもちゃん、近所にいるねこさんに会った?あの子ぷーちゃんって言うんだって」
“ぷーちゃんて言うのよ”と、おそらくポいもが出会った方と同じおばあさんに、名前を教えてもらったそうです。
ぷーちゃんはポにゃちゃんに比べてでっかく、がっしりしていて強そうです。
人懐こいからか、よく色んな方からごはんを貰っているのを見かけます。
ポいももぷーちゃんを見かけた時には、いつも必ずご挨拶。
顔見知りになれたかな、そう思っていたのに。
「ん?」
人懐こいと思ってたのに、たまに逃げられることがあるポいも。
でも本気逃げじゃなくて、ポいもを振り返りながらポいもと同じスピードで走ってく。
「ぷーちゃん!ポいもだってば」
すてててててっ
同じスピードだから追いつかないけれど、逃げ去られもしない、付かず離れず距離を保ちながらの追いかけっこ。
これはぷーちゃんに遊ばれているのでしょうか?
ポあねと暮らしていた頃。
当時、休日が重なるとよく一緒に食事に行っていました。
外食に行く途中、ポいもはぷーちゃんを見かけるたびに、相変わらずご挨拶&お触り。
なのにねこ好きのはずのポあねは、触らずぼんやりと見ています。
不思議に思ったポいもは「お触りしなくていいの?」と聞いたら「だって手が汚れるから」
なるほど、そうか。
食事の前だから触らないようにしているのか。
”ねこさんに触ったら汚れるから、触らないようにする”という発想が全くなかったポいも。
確かにぷーちゃんは茶畑で暮らしているので、お触りするといつも手が泥だらけになります。
汚い手で食事をしに行ったら、お店に迷惑ですものね。
好きだからってむやみやたらに触ったらいけないという、初めての気づき。
このぷーちゃんはファンが多く、夜な夜なぷーちゃんの周りに人が集まっているのをよく見かけます。ねこ好きと思われる人々は、ぷーちゃんを囲って何やら楽しそう。
ぷーちゃん本人も逃げるでもなく、みんなの輪の中心で寛いでいます。
どうやらこの地域では、ねこの集会ではなく、ねこが好きな人間たちの集会が行われているようです。
ゴハンをあげたり、ねこのおもちゃで遊んであげたりしながら、ぷーちゃんの周りで人々が談笑している様子は微笑ましいです。
そんなある日の夜。
自宅の近所で男性…おそらく中年のおじさんが一人、道の端っこで突っ立っているのを見かけました。
いつものねこ好きな人たちがつどう集会所のそばではありますが、周囲には人はおらず、おじさん一人のみ。
何してるんだろう。
ちょっとこわい、ぷーちゃん出て来て、そして助けて!
そんな都合よくぷーちゃんが出てきてくれるわけないか…
いた!
ぷーちゃん、いた!
おじさんの足元で転がってた!!
ぷーちゃん、なんだか楽しそう!!
黙って腕を上下に動かしていたおじさん。
足元で転がっているぷーちゃんと遊んでた!
しかも夜中に!
おじさんが腕を上下に動かしていたのは、ねこさん用のおもちゃでぷーちゃんと遊んでいたからでした。
遠目では暗くておもちゃを持っていることに、全く気付かなかったのです。
一人でぷーちゃんと遊ぶために、わざわざこの時間におもちゃ抱えてここまで来たのかな?
ねこさん好きなのですね、おじさんも!