はじめに
ちょこちょこかかってくる迷惑電話。
あとはちょこちょこ送られてくる、迷惑ショートメール。そして自称スタイルのいい女からの遊びの誘い。

出不精で、あまり外出したがらないわたし…
「お前のボディがどうであれ、わしゃ会わんよ」
もちろんどちらも無視しています。
そんな頃に届いた一通のメール。
「めずらしいな、メールなんて」
「誰だろう?」という、ほんの少しの親切心が、結果として3日間にわたる「自称・若手俳優」との奇妙なやり取りに繋がってしまいました。
1. 10分後に感じた「違和感」の正体
届いたのは、こんな丁寧なメールです。
スマホを新しく変えたので、アドレスの再登録をお願いします。
以前に体調が優れないとお聞きしておりましたが、その後、お加減いかがですか?
名前の記載がないな…。
伝え忘れ?
以前、知人から「アドレスを変えた」という連絡をもらったことが何度かあったため、今回もその類かな? と…
知り合いだと思い込んでいたので「どなたですか?」と返信して5分後。
ふと冷静になると、メールの内容にいくつもの違和感があることに気づきました。
「久しぶり」ってあったけど、メールのみでやり取りしている知人?
誰?
「具合が悪い」なんて、昔も今も誰かに伝えた覚えはない…
……。
やばっ、迷惑メールか!!
今さらこんな典型的な迷惑メールに引っかかるなんて…
いやいや、大丈夫。まだ知り合いの可能性だってなくはない。
そう思いつつもAIに相談すると、
「典型的な詐欺の手口です。返信はしないようにしてください」との回答。
そうか、だよね。
でももう遅いの。返信済みなの。
ここから、相手の「台本」が動き出しました。
2. 登場した「〇里〇人」という名前
それから一時間後。 相手からは謝罪と確認のメールが届きます。
名前を伝え忘れてしまったことで困惑させてしまいましたよね。
〇里ですが、後藤さんのアドレスでお間違いありませんか?(^-^)
迷惑メールでした…。
この返信内容を見て確信。
わたしに「〇里」という知り合いはいないし、わたしは後藤でもない。
やっちゃったなぁ。やっぱ詐欺メールかぁ。
まあいいや。無視無視。
さらに一時間後。
ご本人と連絡が取れたので、間違いだと気づきました。
あなたの宛先は携帯から削除しておいた方がご安心いただけますよね?
あ?
あんた、わたしを「後藤」だと思ってんのに、なんでこの短時間で本人と連絡とれたわけ?
「後藤」の方からは〇里のアドレスが変わっているから、連絡取れないはずだよね?
そう思いつつも無視。
さっさと「削除」してください!
再び一時間後。
芸能活動をしている〇里〇人と申します!

なんでここで自己紹介なん?
どういう神経してたらそうなるの?
いいから携帯からわたしの宛先を削除してくれ。
削除するどころか、一時間おきにメールしてきちゃってんじゃないよ!
「ドラマ出てるんだね。応援するよ! 頑張って!」
じゃないんだよ。
知らないよ、〇里〇人のことなんて!
これは要するに「なりすましメール」ってやつね。
とはいえ、一応気になって「〇里〇人」の名前で検索。
同名の人物がヒットし、YouTube動画が1本だけ上がっていました。
AIいわく「検索されることまで織り込み済みで、信じ込ませるための演出」とのこと。手の込んだ設定です。
メールを無視して一時間後。
時刻はすでに夜の10時過ぎ。
名前だけでは分からないかと思いますので、まずは顔だけでも覚えていただけると嬉しいです(^^)

だめだよ。
もちろんだめだよ。
まだ連絡してくる〇里〇人。
「宛先を削除する…」の件はどうなった? なぜ営業をかけてくる?
「一体今日はいつまで連絡してくんのー? 夜の10時過ぎだよー」
…と思っていたのですがその日はもう、迷惑メールが来ることはありませんでした。
ようやく、〇里〇人の迷惑メール地獄は終わったのか――
このあと、事態はさらに奇妙な方向へ進みます。
(続きます)
