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はじめての猫友達「バーバラさん」との思い出、そして別れ

「バーバラ?あのねこのおばさんのことにゃか?」
とある日の午後、縁側でしるこをすすりながら、私はぽんちゃんに語りかけていました。ぽんちゃんは首を傾げ、私の言葉をじっと聞いてくれています。
「そう、会ったばかりの頃はバーバラさんにいっぱい迷惑かけてねぇ」
「だめにゃにゃい」
「うん、だけどね。バーバラさんはそれでもしょっちゅう、うちに遊びに来てくれてたんだ」
「なんでにゃ?」
「さて?なんでだったんだろうねぇ」
ねこさんへの募る憧れ
バーバラさんに出会う前から動物好きの父の影響を受け、自然と動物好きになっていたポいも。
ただ、残念なことに、動物が苦手な母方の一族が近くに住んでいたため、小さい頃はふわふわした生きものに直接触れ合う機会がほとんどありませんでした。

めったに触れあえない分、ポいもの動物への憧れが、ぐんぐんと増していきました。
その憧れは、とりあえず動物特集系の番組を見て、我慢。
しかし膨れていく憧れ。鼻も膨れます。

特に犬がお気に入りだったらしい。膨れ続ける憧れ。
もちろん、ねこさんも大好きでした。
お庭で子ねこを放し飼いにしているお宅を見つけた時は、しょっちゅう眺めに行っていたものです。

実際はねこさんへの切望感が増してしまうだけ…
そんな動物への憧れが爆発しそうだった小学生の頃、近所にたくさんのねこさんと暮らすご家族が引っ越してこられました。その方たちと一緒に暮らしていたのが、ねこのバーバラさんだったのです。
バーバラさんとの出会い
しばらくすると、そのバーバラさんがなんと!我が家の庭先に遊びに来るようになりました。
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「うちの庭にねこ…庭にねこさんが来たっ!」
自分から会いに行くことはあっても、まさかねこさんの方から家に来てくれるなんて!
私はすぐにでもバーバラさんと触れ合いたくて、仕方ありませんでした。
「近所にこんなお庭があるのね。あら、あの柿の木、爪とぎにいいじゃない」
あの子とおともだちになりたいまぁ。でも、友だちってどうやってなるんだっけ?おままごととか、すればいいんだっけ?どうだっけ?
当時ポいもは動物が好きということばかりが先行し、知識もなければ扱い方も分かっていませんでした。
もちろんねこさんと仲良くなる方法も知りません。
不定期で我が家の庭に来るバーバラさん。
「今日も来ないかなぁ。会いたいなぁ」

バーバラさんを発見しては、飛び出して行くポいもさん。
「あら?子どもだわ」
しかし、外へ出たはいいものの、仲良くないうちに近寄りすぎると、逃げて行ってしまうことくらいは分かっていました。これ以上どう近づけば逃げられずに、友だちになれるのか…それが分からなかったのです。
縮まらない距離感
「あなたこの家の子どもさん?」、
”さわりたい”
「ちょっとお腹が減って来たわねぇ」
”そしてあそんでもらいたい”

バーバラさんの方は、ポいもに全く興味なさそうにしています。
そりゃそうですよね。
ねこさんの興味を引くようなご飯も、おもちゃの持ち合わせもなかったのですから。
バーバラさんは、私の顔を見ても警戒して逃げていくことはありませんでしたが、常に一定の距離は保っていました。だから私は、この距離を少しでも縮めるために、そして少しでも覚えてもらうために、バーバラさんが来るたびに毎回顔を出したのです。
梅の木の下では、バーバラさんが「爪が伸びちゃったわ」とひとりごとのように呟いています。その様子をじっと見つめるポいもは、もっとバーバラさんに近づきたいと企んでみる。
「だるま…」
ポいもは、心の中で唱えながら、ゆっくりと一歩を踏み出す。
バーバラさんは軒下の上に移動し、「そろそろ帰ろうかしら」と身支度中。ポいもは焦る気持ちを抑えつつ、「さんが」とモゴモゴ言いながら徐々に近づいて行きます。
そして、「ころんだ!」と声に出して、バーバラさんのことを見上げたときには…
もうバーバラさんの姿はどこにもありませんでした。
バーバラさんとの距離、なかなか縮まりません。
続きます