マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

集団心理 その5

前回のお話

まゆさん宅でお話し中のUSAさんとまゆさん。
その時テレビをひとりで見ていたにゃこさんが、テレビに向かって反応をしていました。

「どしたの?にゃこちゃん」
「てんまちゃんにゃ」
「てんま?」

まゆさんたちもテレビを見てみると”鳥が集団で駅前に集まっているから迷惑している”という内容のニュースに、なんとてんまさんがうつっていました。


「てんまちゃんがテレビに?なぁに?鳩やカラスに餌をあげる人がいて、周辺住民が迷惑しているって話?」

「どっちかって言ったら、大量のムクドリとか繁殖したインコとかが、集団でどうのって話っぽいけど、でもなんか一匹カラスがバタバタしてる…」

駅構内

困ってるカラスさん、ほっとけない人登場。

”すいません、お話聞かせてもらっていいですか?”


「おぉ、てんまインタビュー受けてるじゃん」

実は人見知りのてんまさんは、いきなり知らない人に声をかけられて少し怯えているようでした。

”あの…今、鳥に餌を与えていました?”

”いいえ”

”集団で飛び回る鳥に対して、近隣にお住まいの方が迷惑しているとのことですが”

”…”

”そのことについてどう感じていらっしゃいますか?”

”…”

”駆除して欲しいという声も上がっているようですが”

”…”

”答えていただけますか?”


「人見知りのてんまちゃんが、困ってる」


”近隣の方ですか?”

”わたしは…”

”はい”

”わたしは別にこの子たちにご飯与えて、集団を誘発する行為はしてません。集団が迷惑なのは私も一緒です”

”でも今カラスに”

”鳥の集団も、猫の集団も、虫の集団も、あなたたち人間の集団も集団は困ります。突然こうやって囲まれたりしたら、怖いし迷惑です。でも人間以外の動物は、集団でいることに対して迷惑なことをしているとは気づきません。自分たちは集団で行動する癖に、集団で生活する動物に対しては排除することを真っ先に考える。そうではなく、もう少し頭を使ったらどうですか?人間側が考え、対策をとるべきことじゃないんですか?ここは人間だけが住む世界じゃないのですから、邪魔だから排除すればいいというのは安易で怖い考え方だと思います。人間が増加し過ぎてたからって排除することは考えないのに、人間以外の動物は比較的簡単に排除しようとする。鳥インフルエンザが発生した時もそう。もちろんそこには、いろいろな理由はあるのでしょうが…どう考えても人間以外の命は、軽くみられているように見えてしまいます”


「アワワ、てんまちゃん…これインタビューは生じゃないよね?普通カットじゃない?テレビ局が望む返答じゃないわよね、あきらかに」


「てんまのやつ、テレビでこわいこと言ってるなぁ。あいつもカゲ(ポ村のモンスター)に侵されてんじゃないのか?カラスとイチャイチャしようとしていたところを、見ず知らずのやつに邪魔されたのがよっぽど嫌だったんだろうなぁ」

「そう聞くとやっぱり変わり者よね、てんまちゃん」
「にゃもー」

続きます