マメチュー先生の調剤薬局

マメチュー先生の調剤薬局

ねずみの薬剤師、マメチュー先生の日常と、調剤薬局でのお仕事を薬の知識も交えながらほのぼのと描いています。猫好き、猫飼いの管理人の飼い猫エピソードも時々登場します。

ポ村女子のひな祭り

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マメクスリカフェで調剤事務として働いているUSAさんは、夢見るように語り出しました。


「子どもの頃さ、おひなさまを見るとすっごくワクワクしたのよね。あたしもあんな風に、愛らしいお姫さまになりたかっなあ」



“小料理屋三すくみ“で働くナメ江さんが、そんなUSAさんに応えます。



「分カルワァ。素敵ヨネ」





「人形ってさ、怖くない?日本製も外国製も軒並み。全人形もれなく」



「ねぇまゆちゃん。あたしたち今、おひなさま可愛いよねって話をしてたの!」



「でも私も分かる」



「何よぉ。てんまちゃんまで」





「おひなさまは確かに可愛いし怖くない。なのに他のお人形さんたちは、ホントにごめんなさいなんだけど、怖く感じる時…ある」



「ほら、てんまも言ってんじゃん。人形ってさ、絶対こっち見てくるじゃん。人の目盗んで絶対、観察してるじゃん」



「何それ。嘘よ。絶対?絶対なの?」


「嫌ダ。怖イ話?」



不安症で怖がり屋さんのナメ江さんは、みんなの話を聞いて怯えています。





「この世を去って、どこに行っていいか分からない魂が、次々と人形に宿っているんだと思う。絶対」


「やめてよ、まゆちゃん。その“絶対“で話を締めるの」




「宿ってる…ひょっとしてトイストーリーみたいに人間が見ていない所で、お人形さんたちは遊んでたりしてるのかな?それはとっても可愛いかも」



「ハハッ、日本人形が夜な夜な?」



てんまさんの想像にまゆさんは楽しそうにしていますが、USAさんは呆れ顔。



「着物姿で?ウッディーみたいに?怖いんだか、ポップな感じなんだか、もはや分かんないわね」



「ネエ、結局怖イ話?ポップナ話?」



「ナメ江はまだ怯えてたのか。おひなさまは可愛いって話」



「…絶対?」



「絶対」




「さてナメ江、桜餅でも食うか」



「私道明寺派ー」


「あたしもー!」


「アタシモ…」


桜餅一つでキャッキャしている、ポ村女子でした。

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